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コラムニストの辛酸なめ子さんが抱えるPCストレス。ハイスペックなノートPCが一気に解消してくれたよ

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自分にとっての心地よさが問われたこの1年。とくに“オンライン”という環境がもたらしてくれた楽しみや快適さは多くの人が実感したことではないでしょうか。

漫画家・エッセイストとして活躍する辛酸なめ子さんも、もちろんそのひとり。オンラインを通じて、辛酸さんが持つ鋭い観察眼と妄想力はますますブラッシュアップされたに違いありません。

今回は、PCやオンラインによって広がった楽しみやコロナ禍で新しくはじめたことを辛酸さんに伺いました。

不安な気持ちは学んで解消。世界的名門大学の授業を自宅で

辛酸なめ子

お父様の影響もあり、小さな頃からコンピューターに触れていたという辛酸さん。1990年代のインターネット普及の波にも乗り遅れることなく、学生時代はグラフィックデザインを学びながら、今でいうウェブメディアを立ち上げて創作活動を開始していたそうです。

現在PCを使う目的は、執筆やイラスト作成を中心に、情報収集、動画視聴など。さらにコロナ禍ではオンラインを駆使することでさまざまな出会いがあったとか。たとえば大学のオンライン講座。

おうちで過ごす時間が増えたので、何か知識を身につけたいなと思ったんです。肩書きにしたらかっこいいかなという理由で、日本の大学で『データサイエンティスト講座』を受講しましたが、高校レベルの数学スキルが必要になってしまったので、今はちょっと一時停止中なんですけど……。

辛酸なめ子

また、世界中の一流大学のプログラムが無償で提供される「Coursera」というサービスで、イェール大学やインドの大学で幸福論やマインドフルネスを学んだり、ジョンズ・ホプキンス大学では最先端の新型コロナウイルスについて学んだり。

翻訳ソフトを片手に、夢中で学んでいました。イェール大学での教えに従って毎日ちょっとした幸せを書き留め、ジョンズ・ホプキンス大学の授業で学んだコロナの感染リスクを下げる方法を実践。

食材を買いに行くにも命がけだった一時期に、学ぶことで気持ちを落ち着けることができたのもよかったですね。

10年選手のPCに“拒否”され、創作が思うように進まない…

辛酸なめ子

また、コロナ禍では辛酸さんの働き方にも変化が。オンラインを介した取材やミーティングのほか、レビューの仕事が舞い込み、動画やドラマなどを視聴する機会が増えたそうです。

しかし、そこでネックになってしまったのが10年選手のデスクトップPC。メモリ容量も少ないため、動画視聴や情報収集の途中で「重い」と拒否されることもしばしば。

海外のタブロイド紙やゴシップ誌では、記事に飛ぶだけで動画が自動再生されてしまうので、重くて、ぐるぐるするのを待っていると突然中断されてしまったり……。そうなると集中の糸も切れてしまいますよね。

辛酸なめ子

何か対策をしたほうが絶対にいいことはわかっているけれど、データ移行には不安があるし、もちろんサポート期間は過ぎてしまっている……。仕方なくタブレットとスマホの3台で、それぞれに役割を補いあわせながら仕事をしているという辛酸さん。

メモリ容量がギガとかテラの世界は、どんなに快適なんでしょう。動きが速く、メモリの容量が大きければ、制限されることなく創作活動に没頭できるのに……。

デスクトップPCは持ち運べないので、外での作業はタブレットやスマホによる下調べや下書き。それを自分宛てにメールして、デスクトップPCでようやく実作業に入ります。ノートPCが1台あれば、自分にメールするという手間も省けます。

PCや周辺環境を整えれば、もっと快適になることはわかっているのに……。

そんな辛酸さんのお悩みに「わかるわかる」と共感する人は意外と少なくないのかもしれません。

PCを買い替えるときに、まず探したい「バッジ」とは?

インテルEvoのバッジ

仕事や創作、趣味に制限をかけない1台が欲しいけど、どのPCを選べばいいか迷ってしまう……。そんな辛酸さんと同じ悩みを抱く人にすすめたいのが、まず本体に「Evo™ プラットフォーム・バッジ」なるシールが貼られたノートPCを選ぶこと。

このバッジは、正式には最新の第11世代 インテル® Core™ プロセッサーを搭載し、「薄さ」「軽さ」「速さ」といったいくつもの厳しい条件をクリアしたノートPCにだけつけることが許された、「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠PCであることの証

つまり、「Evo™ プラットフォーム・バッジ」がついたPCを選ぶだけで、PCに求められるかなりのスペックが担保されるので、あとはその人の好みややりたいことに合わせてデザインや仕様を絞っていけばOK。PC選びのハードルもかなり下がります。

インターネットも動画編集も。もうスピードでイライラしない

辛酸なめ子

「速さを重視したい」という辛酸さんにとって、うれしいのは「1秒未満でスリープ状態から復帰する」という条件。

起動までのスピードや作業の快適さはもちろん、高速通信規格Wi-Fi 6(Gig+)、Thunderbolt™ 4といった高速伝送を実現する最新規格も「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠PCの条件で、標準的なWi-Fiと比較すると、インターネット接続が3倍近く高速化します

また、ディスプレイはフルHD以上の解像度を持ち、高音質スピーカーを採用していることも条件なので、辛酸さんはより快適に美しいNetflixやYouTubeを視聴できることになります。

ハイスペックな第11世代 インテル® Core™ i5以上のCPUと、インテル® Iris® Xe グラフィックスを搭載していることも「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠PCの条件。これによって、写真と動画の編集は3倍高速化します。

「もしサクサク動くPCに出会えたら、昨年ハマったタイのBLドラマを編集してみたい」と話していた辛酸さん。動画の編集までマスターしたら、辛酸さんの表現の場はますます広がるのではないでしょうか。

より豊かなエンタメ体験のために、画質にも音声にもこだわる

富士通のノートPC「FMV LIFEBOOK UH90/E3」

「前に使っていたノートPCは、重くて持ち歩けなかった」という辛酸さんに今回試してもらったのは富士通パソコン FMV「LIFEBOOK UH90/E3」

834gという驚きの軽さと、15.5mmという薄さを実現しながら、高い堅牢性も備えた「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠のノートPCです。

富士通のノートPC「FMV LIFEBOOK UH90/E3」

両サイドに充実の接続端子。上/左側には盗難防止ロック、USB Type-Cが2つ、HDMI、USB Type-A、イヤホンが。右/有線LAN、USB Type-A、SDカードが挿し込める。

驚くのは、このサイズにもかかわらず接続端子が充実していること。USB Type-AとUSB Type-Cが各2つ、イヤホン、HDMIに加え、有線LAN、SDカードにも対応します。

辛酸さんが心配していたメモリ容量も、約512GB SSDを搭載。フル充電で9時間以上の操作が可能であること、30分以内の急速充電で4時間以上はもつことを条件にした「インテル® Evo™ プラットフォーム」の基準ももちろんクリアしているので、重いバッテリーを持ち歩く必要はありません。

家ではSpotifyで音楽を楽しむことが多いという辛酸さんですが、エンタメ性に優れているのも「インテル® Evo™ プラットフォーム」準拠PCの大きな特長。画像の鮮明さはもちろん、音の良さも高く評価されています。

富士通のノートPC「FMV LIFEBOOK UH90/E3」

富士通パソコン FMV「LIFEBOOK UH90/E3」だったら、スマホで音楽を聴くようにいつでもどこでも音楽を楽しむことができますね。

辛酸さんの好みは「適度にテンションが上がりつつ、今の旬が感じられる曲」。以前は好きなアーティストの新曲をチェックすることが多かったそうですが、Spotifyを使うようになってからは、すすめられるがままに聴いてみることで音楽の世界が広がったとか。

PCは、趣味や仕事で新しいことをはじめるとき、その手段となって背中を押してくれる存在。でも実は、PCとの出会いがもっとも大きな“はじまり”なのかもしれません。

ここ何年も、PCを何とかしたいと思っていながら、一歩が踏み出せなかったという辛酸さん。新しいPCとの出会いが辛酸さんの創作意欲を刺激し、作品となって私たちをますます楽しませてくれることでしょう。

インテルEvo

インテル® Evo™ プラットフォーム
軽さやエンタテインメント性、辛酸さんが気にしていたスピードやメモリまで。辛酸さんの理想を叶えてくれるCPUです。
インテル® Evo™ プラットフォームバッジは、ユーザーが望む卓越した体験を提供するために最適化された、目的に応じたテクノロジーを完璧に組み合わせたノートブック PC の証。インテル® Evo™プラットフォームに準拠するには、以下の必須5条件に加え、厳しい多くのテストをパスする必要があります。
・第11世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー(Core™ i5以上)を搭載、最新のインテル® Iris® Xe グラフィックスに対応
・フルHDの高画質で9時間以上操作可能なバッテリー駆動時間
・1秒未満でのスリープ状態からの復帰
・30分以内の急速充電で4時間以上の駆動
・高速通信規格Wi-Fi 6(Gig+)とThunderbolt™ 4の搭載
>>>詳細はこちら

富士通パソコン FMV「LIFEBOOK UH90/E3」
外では下調べや下書きだけで、実作業は自宅でしかできなかったという辛酸さんの自由度を上げてくれるノートPC。接続端子が充実しているので、デバイスの連携もスムーズです。
選択する仕様によってはバッグに入れたことを忘れてしまうほど軽い約834g(シルバーホワイト)を実現しました(ピクトブラックは約818g、ガーネットレッドは約828g)。バッテリー駆動は22.5時間で、軽さとコンパクトさを持ちながら、高い堅牢性を叶えました。もちろん最新の第11世代 インテル® Core™ プロセッサーを搭載。美しい画質やクリアなサウンド、速く安定したインターネット接続など、あらゆる快適性を追求しています。
>>>詳細はこちら

Spotifyのアイコン

辛酸さんがセレクト! 「午後の仕事がはかどる」プレイリスト

「コロナ禍で運動不足気味。次に心躍る曲に出会えたら、ダンスにも挑戦してみたい」と辛酸さん。音楽は辛酸さんの創作活動の原動力にもなっているそうです。今回は、テンションが上がりすぎず、適度にリラックスして仕事ができる洋楽をセレクトしていただきました。
スウェーデン発、世界最大級のオーディオストリーミングプラットフォーム。数千万の楽曲とポッドキャストを楽しむことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの電子端末に対応しているので、楽しみの幅を無限大に広げてくれます。
>>>詳細はこちら

※Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Core、Intel Evo™、インテル Evo™、Intel Inside ロゴ、Iris、Thunderbolt、Thunderboltロゴは、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。 © 2021 Intel Corporation. 無断での引用、転載を禁じます。

※その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。

辛酸なめ子

辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。雑誌連載、メディア出演など幅広く活躍。近著『電車のおじさん』(小学館)ほか著書多数。女性の悩みや日常の出来事を鋭い観察眼と妄想力で描く独特の作風が人気。

Sponsored by インテル株式会社

Photographed by Kosumo Hashimoto
Text by Rie Omori


Homecomings・福富優樹さんが10年後も手放さないモノ

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10年という月日が経つと、いま住んでいる部屋も、立場や環境も大きく変わってきます。ただ、たとえ環境が変わっても「これだけはずっと持っていたい」というモノが、ひとつはある……。

そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。

なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。

Homecomings・福富優樹

Homecomigs 福富優樹さん

1991年5月生まれ石川県出身。Homecomingsのギター担当。最近のマイブームはランディ・ニューマン。好きな食べ物はかけ蕎麦と中華。パッと思いつく好きな映画は『ロイヤルテネンバウムス』『スモーク』『ファーゴ』『トュルーマン・ショウ』。ビルマーレイが大好き。シンプソンズも好き。映画の上映とバンドのライブ、zineの制作が一体となったイベント「NEW NEIGHBORS」をイラストレーターのサヌキナオヤとバンドの共催で定期的に行っている。これまでの上映作品は『アメリカン・スリープオーバー』『ヴィンセントが教えてくれたこと』『スモーク』『ゴーストワールド』。Homecomings・福富優樹がストーリーを、イラストレーター・サヌキナオヤが作画を手がけた漫画作品『CONFUSED!』の単行本が発売中。

5月には、メジャーデビューアルバム『Moving Days』をリリース。アルバムに収録される『Herge』(読み:エルジェ)がテレビ東京ドラマ25「ソロ活女子のススメ」のエンディングテーマに決定。

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Homecomigs 福富優樹さん 10年後も手放せないモノアイテム

10年後も手放さないモノ

15年前から使い続けているコンポ

コンポ

小学校を卒業したときに買ってもらった、CDが5枚、MD、カセットテープが入るコンポです。

購入当時、時代的にまわりのみんなは音楽をMDで聴いていたんですけど、僕はカセットテープだったんです。うちにあるのが、カセットテープとCDのデッキしかなかったので。それで、大好きなスピッツをカセットテープに移して聴いていたんですよ。

だから、買ってもらうとなったときは、カセットテープもCDも、MDも全部聴けるデッキじゃないとイヤだったんですよね。

Homecomigs 福富優樹さん

ただ、カセットテープについては、当時は主流ではなかったので、デバイスとしてあんまり販売されていなくて。それで見つけたのが、このコンポでした。

でも、中学生になりお小遣いでCDを買うようになって、カセットテープはあまり使わなくなりました。いまは、スマホでカンタンに音楽を聴けるけど、当時はそんな感じじゃなかったから、CDが5枚入るのってとても画期的だったんです。寝る前にCDを5枚コンポに入れて、寝付くまでずっと聴いていましたね。その5枚を毎日選ぶのが楽しくなっていて

カセットテープやMDはどんどん聴かなくなっていくんですけど、このコンポはずっと壊れなくて、ずっと使ってきました。それから、大学に入ったときにレコードプレーヤーを買ったんです。でも、レコードプレーヤーって赤白端子が必要だから、プレーヤー単体じゃ音が出ないんですよね。それで、このコンポにつないで聴いていたんです。

カセットテープたちをHomecomigs 福富優樹さんが持つ

子どものころからカセットテープ、CD、MD、レコードって聴くメディアは変わっていくんですけど、ずっとこのコンポの音で聴いているからか、これが一番いい音な気がするんです。小学校卒業時だから……もう15年くらいずっと使っていますね。これからもずっと使いたいなって思います。

カセットテープ

あ、余談なんですけど、カセットテープってレコードみたいにA面・B面に分かれているじゃないですか。だから当時、たぶん30分ずつとかで区切ってお母さんが曲を入れてくれていたんです。それからスピッツのレコードを集めるようになって気づいたんですけど、カセットテープのA面・B面で区切っていたのとまったく同じところでレコードのA面・B面が区切られているのがあるんです。

スピッツってアルバムによっては曲順を変えているものもあって、そうじゃないものは、大体僕のカセットテープと同じ並びになっていて。それがうれしくて。

CDのアルバムだと一続きで、最初から最後まで聴けるじゃないですか。でもカセットテープやレコードだと「たしかに、ここで区切れる感覚が昔からあったな」って思えるんです。

“ケアする楽しさ”を知ったレコードプレーヤー

レコードプレイヤー

このレコードプレーヤーは比較的新しいもの。

バンドとしての活動を始めるか始めないかくらいのときに、Homecomingsのライブをしているなかで出会う友達の多くがレコードを集めていて。その頃DJとバンドがといっしょに出るライブが多かったんですよね。

そのライブで「7インチレコードで曲をかけていく」っていう、そういうカルチャーに初めて出会ったんです。それで、「なるほど、レコードってかっこいいな」って。

レコードプレイヤー

そこから、当時1,000円くらいだったスピッツのレコードを集めていきました。最初は安いレコードプレーヤーを使っていたんですけど、東京に引っ越すときにちゃんといいのを買おうと思って、買ったのがこれ。定価だといいお値段するんですけど、たまたまハードオフでお得に買えました。

Homecomigs 福富優樹さん

あと、いままで、“レコードプレーヤーをケアする”ってイメージがあまりなかったんです。ほこりを取って綺麗にしたり、針を変えたり、その針をそーっと落とすみたいな感覚がなくて。でもこのレコードプレーヤーにしてから、そういう楽しさも知りました。この1年くらいの話なんですけどね。

「レコードプレーヤー」っていうモノの接し方が変わって、それが楽しくて。

ウェス・アンダーソンのDVD

ウェスアンダーソンのDVD

僕、「物」がすごい好きで、映画にしても音楽にしても。

映画や音楽はひとつひとつ買わなくても見たり、聴いたりできるじゃないですか。でも、できれば「物」で持っておきたくて。Netflixの映画でもサントラがレコードで出ていたらそれは欲しいし、映画もレンタルで観たものがよかったらDVDで持っていたい。

そんななかでもウェス・アンダーソンのDVDはとても大切。ウェス・アンダーソン2作目の『天才マックスの世界』が大好きで、たくさん思い出が詰まっているんです。たぶん、10年後とかも見続けるだろうし、パートナーができたらいっしょに観たいし、おじいちゃんになっても観続けたい大好きな作品です。

最近の彼の作品は、結構スケールが大きいんです。最初から3作品目くらいまでは街のことやその家のこと、家族のことのような小さい世界が描かれていて。そのスモールワールドみたいな世界観が好きなんです。

モノづくりにおいても、すごく影響を受けていて。ウェス・アンダーソンから受けた影響って計り知れないなって思います。音楽をやるうえでも。

ファンタジーじゃないのがいい『タンタンの冒険』

タンタンの冒険 本

図書館とかにあるイメージですよね、『タンタンの冒険』って。でも大人になってから読んでみてもすごくおもしろくて、色づかいもとっても素敵なんですよ。

とくに、月のシリーズが好きで。60年代とかってたぶん人類が初めて月に行くみたいなとき。その「月に行く」ということに世界が注目していたころだから、それをストーリーに反映させていて、ファンタジーじゃないのがいいなって思います。

タンタンの冒険 月シリーズ

『タンタンの冒険』って結構現実にリンクさせている部分があって、実際に起こっていた世界情勢とかも描いているんですよ。

冷戦のことや差別のことをリアルに取り扱っていて、いまでこそ、そういった作品ってたくさんあると思うんですけど、『タンタンの冒険』が販売された当時だとなかなかなかったんじゃないかって思います。

福富さんの10年後

カセットテープを持つHomecomigs 福富優樹さん

小学校のころからサブカルみたいなのは好きだったんですけど、当時の写真を見たら着ている服が『PIKO』とかだったんです。そんな感じの子どもが家に帰ってスピッツやくるりを聴いてたんやなって思うと不思議ですよね(笑)。

でも音楽だけじゃなくて、ポケモンとかもやったり、毎週オンエアバトルみたりしてたし、金曜ロードショーも楽しみにしていたり、いまと好きなものは変わらない気がします。これからも好きなものは変わらない気がしますし、コンポやレコード、大切な映画ともいっしょに過ごしていきたいなって。

福富さんのお部屋はコチラから↓

Information
2021年5月12日に映画『愛がなんだ』の主題歌「Cakes」やすき家CMソングとなった「Pedal」等が収録されるメジャーデビューAL『Moving Days』をリリース。収録曲「Herge」が4月から放送中のテレビ東京の新ドラマ『ソロ活女子のススメ』のエンディングに。

Homecomings 公式サイト:
https://homecomings.jp/
Instagram:
https://www.instagram.com/_homecomings_/
Twitter:
https://twitter.com/homcomi

Photographed by Kaoru Mochida

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バックパックは着るものだ! 老舗「グレゴリー」がアップデートし続ける中で、大切に守っていること

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40歳前後の読者であれば、学生時代に愛用していた人も多いであろう「グレゴリー」。

バックパックのロールスロイスと呼ばれ、高品質で高機能、圧倒的なフィット感は、創業以来、今でも変わっていません。日本ではファッションアイテムの一つとしても人気を集めていますが、芯にあるのは“最高品質のバックパックを作りたい”という職人魂。

グレゴリーの日本マーケットを10年以上見続けているサムソナイト・ジャパンの中島健次郎さんに、グレゴリーのブランドとフィロソフィーについて聞いてきました。

バックパックは背負うのではなく、着るものだ

──そもそも、中島さんが「グレゴリー」を知ったのはいつ頃ですか?

1990年、高校生の時に通学用にデイパックというモデルを買ったのが出会いです。ファッション的にかっこいいじゃん! みたいな感じで。

当時はアウトドアをやっていませんでしたが、高品質で丈夫に作ってあって、良い素材を使っていて機能的、というのはすぐに感じましたね。グレゴリーを持っているだけでステータス性がある、とにかくイケてる存在でした。

サムソナイトジャパンのグレゴリー事業部の中島健次郎さん

──世代が一緒なのでわかります(笑)。おしゃれな同級生たちは通学カバンが「グレゴリー」でした。その後、仕事として携わることになったきっかけは?

以前働いていたアウトドア用品店の元上司が、グレゴリーアジア・パシフィックっていう、グレゴリーUS本社の駐在員事務所を立ち上げようと誘ってくれたんです。2009年のことなので、今年で13年目になります。

──ここ数十年でグレゴリーのラインナップは多くなりましたし、認知も拡がったと思います。あらためてグレゴリーのブランドコンセプトから教えてもらえますか。

言語化された言葉があるわけじゃないのですが、要約すると“最高品質のバックパックで最高のアウトドア体験を提供する”というのがコンセプトになります。40年以上前に創業者のウェイン・グレゴリーが作ったときから変わっていません。

彼はバックパックにはじめてサイズフィッティングという機能を取り入れた第一任者で、しっかりと設計されたバックパックは背負うものではなくて着るものだ(don’t carry it ,wear it)という哲学があります。この考えが今でも根付いています」

GREGORYのバッグ

──洋服でサイズがあるのは当たり前ですが、バックパックにもサイズという概念を取り入れたんですね。

サイズフィッティングって、現在の登山用バックパックでは当たり前のことになっていますが、当時はグレゴリーしかやってない、グレゴリーが持ち込んだ、みたいな感じで優位性を持っていました。

でも、そこに甘んじることなく、さらに上の快適性とかフィッティングを追い求めて、今でも“バックパックは着るものだ”という考えのもと、ひたすら開発しています。

──さらなる着心地ならぬ、さらなる背負い心地を追求しているんですね。

プレミアムフィットというモデルでは、ショルダーハーネスとウエストベルトが交換式なので、背中のサイズを選んだら、今度はショルダーとウエストを別のパーツで、自分に合うようにカスタマイズしてフィットできるというのもあります。

また、今年からアメリカで大柄な人のためのプラスサイズというのもはじまりました。どんな体型の人でも快適に背負えて、最高のアウトドア体験をしてもらいたいという思いは創業以来変わっていません。

アメリカ本国には、「おしゃれグレゴリー」がない!?

GREGORYのバッグ

──日本だとファッションシーンでもブランド認知が拡がっていますが、海外ではどうなんでしょうか?

アメリカ本国では、日本やアジアで展開している「ライフスタイル」カテゴリー(いわゆるファッション系アイテム)はほとんど存在しません。登山向けの「テクニカル」カテゴリーが中心なんです。

僕が高校生の時に日本で大ブームになったデイパックというモデルも、もともとデイハイキング用やワンデーアクティビティ用に作られたテクニカルパック。それが日本ではマスターピースとしてずっと売れ続けていることに、当初、本国はすごく戸惑いがあったみたいなんです。

でも、それって物が本当に良かったからアウトドアをやってない人たちからも認めてもらえたということだと思うんです。日本で買ったグレゴリーをアメリカで背負っていると『そのクールなバッグ、どこで買ったんだ?』って聞かれるんですよ。『アメリカのブランドだよ』って答えるとビックリされますね(笑)。

サムソナイトジャパンのグレゴリー事業部の中島健次郎さん

──意外でした。お膝元には「おしゃれグレゴリー」が流通してないんですね。

アメリカはテクニカルにフォーカスして、進化させてどんどん良い物作っていく。日本はライフスタイル製品が支持されて、お客さんが喜んでくれるのでずっと作り続けてきたというのが経緯です。

それに伴ってファンが増えてブランドも成長してきました。デイパックとかウエストパックとか限られた商品だけじゃなくて、ショルダーバッグも欲しいといったニーズを汲み取りながら、どんどん品揃えを広げていきました。

──企画やデザインは日本で行っているんですか?

いえ、日本のマーケットからの要望を本国に伝えて、ブランド的にOKなものをアメリカで開発して日本に投入していくという流れです。しっかりブランドのフィルターが入っています。

日本はファッションとアウトドアがどちらも成熟し、かつクロスオーバーしていますが、アメリカやヨーロッパにはまだ隔たりがあると感じています。そういった理由から、アメリカやヨーロッパはテクニカルが中心のビジネスで、日本やアジアはライフスタイルとテクニカルの二軸で展開しています。

サムソナイトジャパンのグレゴリー事業部の中島健次郎さん

──アーティストとのコラボも好評のようですね。

おかげさまで、グレゴリーを知らなかった人にもブランドを知ってもらって、それをきっかけにアウトドアにも興味を持ってもらえればと思います。

ライフスタイル製品のビジネスをやっていることは、グレゴリーの強み。非アウトドアな人たちにアプローチができますし、その先にあるテクニカル製品を手にとってもらえるようにブランディングしていきたいですね。

街と山をつなぐ、第三のカテゴリー

サムソナイトジャパンのグレゴリー事業部の中島健次郎さん

──進化を続けるテクニカルのなかで、最近の目玉があれば教えてもらえますか?

「ポリジン」という、バクテリアの繁殖を抑えて臭いにくくする加工があるんですが、これをバックパッキング、ハイキングパックカテゴリーでいち早く採用しました。

今シーズンから『カトマイ』というモデルに導入しているんですが、背中や肩、腰など体に触れるメッシュの部分にすべて加工が施されているので、清潔に保つことができます。

たまたまコロナ禍というのもあるのですが、お客さんからの反応がすごくよくて、他の製品にも導入して欲しいという声は多いですね。

GREGORYのバッグ

バッグパッキング、ハイキングバッグカテゴリーとしては初の搭載となる「ポリジン加工」。これによって、パクテリアの繁殖を抑え、汗などの臭いを抑えることに成功した

──衛生面が気になる現代にフィットした機能ですね。

背負い心地もどんどん進化していて、いまは背面パネル一体式が主流。背中からウエストまでがシームレスに繋がっているので、一度背負うとほかのバックパックだと不快になるほどです。あとは細かいサイズ調整は背面パネルの位置を微調整すれば大丈夫です。

昔はいろんなモデルを試してみて自分に合うサイズはどっちかみたいなのを1時間以上悩むお客さんも多かったのですが、最近はオンラインストアで気軽に買う方も増えてきました。フィットテクノロジーが進化したおかげです。

──テクニカルで得た技術や機能は、ライフスタイル製品にも落とし込まれてくるのでしょうか?

サムソナイトジャパンのグレゴリー事業部の中島健次郎さん

それぞれの機能や素材が融合した商品の開発を進めています。いまはライフスタイルとテクニカルの間を埋めるような商品が少ないので、そこを増やしていく予定です。

登山でグレゴリーを愛用されている方には熱狂的なファンの方も多いのですが、普段使いでもグレゴリーという声が根強いんです。でも、ライフスタイル製品だと、ちょっと毛色が違ってしまう。

GREGORYのバッグ

ライフスタイルとテクニカルの間を埋める役割として、こちらのようなバッグが今後のGREGORYの鍵を握るとも言える

──なるほど、デイパックの素材をテクニカルで使ってるものに変えたりするのですね。

そうです。テクニカルを愛用している方に馴染みのある見た目になるんです。一方で、ファッションからグレゴリーに入った人がアウトドアを始めようと思ったときに、テクニカルの本格的なバックパックだと高機能すぎてしまいます。

山と街、両方のユーザーがステップアップしていけるような商品を揃えて、グレゴリーを正しい形で成長させていきたいですね。

本国のスタッフたちは商売人というよりは職人気質。自分たち自身が欲しいもの、一番だと思うものを作っている心底バックパックのメーカーなんです」

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Photographed by Kosumo Hashimoto

プロジェクターで暮らしの楽しさが広がる。ホームエンタメのこれからの未来をどう考える?

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いかに自宅で心豊かに過ごすか。2020年以降の私たちは、ことさらに「おうち時間の充実」を意識するようになりました

できるかぎり外出を控えるように促され、室内での楽しみを探すうちに注目されるようになったのが、「ホームプロジェクター」です。

スクリーンや壁に向けて映画やドラマを投影するもよし。YouTubeや各VODサービスを利用して映像を楽しむもよし。その味わい方はここ最近少しずつ変化の兆しを見せているとか。

今回は、ホームプロジェクターを取り扱う4社にお集まりいただきました。ホームプロジェクターを取り巻く昨今の時勢の流れをはじめ、プロジェクターの楽しみ方について、自身もプロジェクター愛好家であるROOMIE編集長・尾田の進行のもと伺います。

今回お集まりいただいた4社

照明と一体型になった新感覚のプロジェクターから、高級志向の一品まで。ホームプロジェクターの世界は、さまざまな需要に合わせて広がりを見せています。それぞれの自慢の製品をお持ちいただいた各社をご紹介します。

エプソンの水野さんEPSON
エプソン販売株式会社:水野知之さん

オフィス機器をはじめ、電子機器を手広く取り扱うEPSON。ホームプロジェクター市場のマーケティングを担当されている水野さんにお持ちいただいたのは、天井にも投影できるオールインワン型の「EF-100WATV」モデル

LGエレクトロニクスの森さん
LG エレクトロニクス
LGエレクトロニクスジャパン株式会社:森 斗志也さん

テレビやスマートフォン、パソコン関連商品も取り扱うLGエレクトロニクスジャパンのマーケティングを担当。今回お持ちいただいたのは、わずかな距離で120インチの単焦点で4Kの映像が楽しめる「HU85LS」

JVCの那須さん
JVC
株式会社JVCケンウッド:那須洋人さん

Victorでおなじみ、JVCブランドを取り扱う株式会社JVCケンウッド。音や映像を本格的に楽しむ方にはお馴染みのブランドです。今回は、ご本人が商品企画を担当したメーカーが誇るハイエンドモデルの「DLA-V9R」をお持ちいただきました。

popInアラジンの岡本さん
popIn アラジン
popIn株式会社:岡本岳洋さん

照明、スピーカーと一体型になっている、3 in 1の次世代ホームプロジェクターを取り扱うメーカーでマーケティングを担当。今回お持ちいただいたのはフラグシップモデルの「popIn Aladdin 2」

各社のプロジェクターを詳しくご紹介いただく前に、2020年以前と以降で業界はどのように変わったのかをそれぞれ伺いました。

この1年間でプロジェクター業界に起こった変化とは

プロジェクターの利用シーン

image via shutterstock

ROOMIE編集長・尾田(以下、尾田):まずは2020年以前と以後で、業界にどんな変化があったのかをお伺いしたいです。ROOMIEでも、プロジェクターを扱う記事のPV数が明らかに変わってるんですよね。
作今は「おうち時間」「巣ごもり」といった言葉とともに、部屋の中のアクティビティが注目される時代となりましたけども、こうした状況の中で目立った変化はあったのでしょうか?

エプソンの水野さん

水野さん/EPSON:
おっしゃる通り、2020年から2021年にかけて「巣ごもり」だったり「ステイホーム」だったり、そういった言葉が市民権を得た1年だった気がしますね。

たとえば好きなアーティストのライブや習い事、会議や飲み会にも「オンライン」とつくようになったじゃないですか。自宅でそういった催しを行うにあたって、スマホやタブレットでは実現できない、大画面で臨場感あふれる形で楽しみたい需要が増えたんだと思います。

自宅に籠らなきゃならないために人との繋がりが分断される社会になりつつあったところを、プロジェクターの大画面を使えば人との繋がりを失わずに楽しめる。そういった点をお客さまに評価いただいたのではないでしょうか。

尾田:プロジェクターは、単に映像を鑑賞するだけには留まらない、つまり新しい付加価値が生まれたということですね。岡本さんはいかがですか?

popInアラジンの岡本さん

岡本さん/popIn:
私自身も、時代の勢いを感じます。客観的な指標としてもそれは明らかです。

たとえば「プロジェクター」でGoogle検索された量が、2020年の4月に出された最初の緊急事態宣言のタイミングを100だとしたら、それ以前は50くらいだったんですよ。数字上でも明らかに需要が高まっているのを感じますよね。

そして、肌感という意味では、これは偶然ですが、緊急事態宣言が発令された直後の昨年4月27日が、弊社の「popIn Aladdin 2」の発表&予約発売開始日だったんです。未だにあの日を超える販売台数はない、そんなところも需要の高まりを感じたひとつのシーンでした。

また、「日経トレンディ2020年ヒット商品ベスト30」で15位を受賞したというのも世の中的なトレンドを感じましたね。

LGエレクトロニクスの森さん

森さん/LG:
大画面ってところがプロジェクターの魅力のひとつだと思うんですが、その点を考えると、ひと昔前まで「大きすぎるテレビは売れない」と言われてたんですよね。50インチのテレビなんかどこに置くんだよって感じで(笑)。

それが今では、どのご自宅のリビングでも50インチクラスのテレビが置いてあるなんて、珍しいことではなくなった。同じようにプロジェクターに関しても、その楽しみ方に多様性が出てきたのかなと思ってます。それもひとえに、各メーカーさんがいろいろな機種を開発されて、需要に合った映像の楽しみ方ができるようになってきたからかな、と。

これまでの市場データを振り返ってみると、その売上のほとんどがビジネスプロジェクターだったのに対し、やっぱり最近はホームプロジェクターが伸びてるんです。やっぱり2020年以降の巣ごもり需要に合わせて、「映画やドラマを観るなら大画面で楽しみたい!」といった方が増えてきてるんだと感じます。

尾田:プロジェクターの大画面で映像を楽しめるようになったら、ますますスマホを見る機会は減っていくかもしれませんね。

JVCの那須さん

那須さん/JVC:
ちょうどEPSONさんがドリーミオのスクリーン付きモデルを出された2011年頃、ホームプロジェクター拡大の兆しが一瞬来たと僕は思ってるんです。当時市場に浸透しきらなかったのは、家にプロジェクターがあっても意外と観るものが少なかったからなんですよね。

それが今は、スマホで映画もドラマもアニメも、なんでも観られる時代になったじゃないですか。YouTubeやNetflix含め映像サービスが普及したこと、そして「巣ごもり需要」が同時に高まったことが、プロジェクターに再び注目が集まった理由だと思います。スクリーンがなくても壁さえあれば投影できますから、ミニマリスト的観点を持っている方にもリーチした感覚がありますね。

2020年以降、欧米では映画館までロックダウンされたことにより、ますます自宅で楽しめる本格シアターの需要が伸びてるんです。アメリカでは新型ウイルス流行以前と以後では売れ方が雲泥の差なんですよ。

我々JVCが目指してきた映画館クオリティな映像が、自宅にいながらにして楽しめることにお客さま自身が気づき始めてる。ハイエンドなプロジェクターの需要についても、これから先もう少し芽があるのかなと思ってます。

各社プロジェクターの特徴

尾田:それでは次に、各社プロジェクターの特徴を教えてもらえますか?

エプソンのプロジェクター「EF100」

エプソンのプロジェクター「EF100」77,330円(税込) *当社調べ

水野さん/EPSON:
弊社は可搬性の良さ、コンパクトで持ち運びがしやすい点を売りにしてます。たとえば子ども部屋で使ったら、次はお父さんの部屋、とすぐに目的によって投影場所を変えられることがお客様に受け入れられています。

加えてオールインワンで映像も音声も楽しむことができます。今回お持ちした製品はメディアストリーミング端末を本体に格納していますので、配線は電源だけで、手軽に映像をお楽しみいただけます。プロジェクター以外にデバイスを接続する必要がないというところもメリットですね。

popInアラジンのプロジェクター

popInのプロジェクター「popIn Aladdin 2」 99,800円(税込・送料込)

岡本さん/popIn:
弊社製品の特徴として、ふたつお伝えさせてください。

ひとつ目は、場所を取らずに大画面を実現できるという点。もうひとつは単なる「エンタメの投影機械」ではなく、おうち時間を豊かにする製品であるという点です。

前者は、設置場所が天井という非常にユニークな特徴に起因するものです。弊社製品は工事不要で簡単に取り付けられるので、狭い部屋でも場所を取ってしまう、その他にも配線が気になる・危ないといった煩わしさから解放されます。また、それだけに留まらず独自開発の短焦点レンズによって、短い距離でも大画面が実現できるという特徴を備えています。

後者は、単なる「エンタメ需要に応える製品」ではなく、オリジナルのインテリアアプリや、キッズアプリ、そしてヘルスケアのアプリなどを搭載することで、一日を通してお客様の健康で豊かな生活を支えるサービスを実現している点です。

LGのプロジェクター「「HU85LS」

LGのプロジェクター「HU85LS」 630,470円(税込)

森さん/LG:
最大のポイントは壁から投影距離と本体を合わせても50cm強で120インチまわずかなスペースで一般的なテレビの4倍近いサイズの画面で楽しめること。

画質も、3つのレーザーを使用した光源を使用して、かなりこだわりを持っています。そして、弊社のテレビにも採用されているWebOSによって、スマホの画面やウェブブラウジング、VODなどのさまざまなコンテンツを接続機器なしで楽しめます。

また、弊社のプロジェクターは、より映像マニアのお客さまにご満足いただけるように、スピーカーとBluetoothで繋げるようになっていて、ご自身で好きなスピーカーを選んでもらい、外部から迫力のある音を楽しんでもらうのがコンセプトのひとつ。

余談ですが、室内のインテリアにどれだけ溶け込めるかも、プロジェクターの導入には大切な要素ですよね。

JVCのプロジェクター「DLA-V9R」

JVCのプロジェクター「DLA-V9R」 2,200,000円(税込)

那須さん/JVC:
弊社のプロジェクターもスピーカーを積んでおらず、その分、映像の出力に特化してます。ARCやCECも積んでおらず、とことん映像にこだわったつくりになってますね。

水野さん/EPSON:
映像にこだわる方は音へのこだわりも強いですから、スピーカーはご自身で選ぶ方が多いですよね。

尾田:技術としては、音も一緒にコンポジットで出力すると、映像に干渉してしまうものなんでしょうか?

那須さん/JVC:
基本的には影響はありませんが、単純にスピーカーを入れることで筐体の開口部が広がってしまうため、その分のスペースを取らなきゃならないんです。

良い音を出すには、筐体内に十分な空間を設けなくちゃいけません。音に関する部分をカットして、あえて映像に特化するやり方は、弊社としてはまっとうだと思いながら取り組んでます。

プロジェクターに求められる意外なニーズ

尾田:「これは想定してなかった!」「こういう使い方をされるんだ!」みたいな、そういった意外なプロジェクターのニーズはありますか?

森さん/LG:
ポータブルのプロジェクターの発売前に社内で出た声として、「天井に映せたらいいよね」って話を聞きましたね。

たとえば、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でしたら、天井に星空を映しておいて、お子さんが夢中になっている間にちょっと料理や家事を済ませるとか。就寝前にも良いですよね。

エプソンのプロジェクター「EF100」

エプソンのプロジェクター「EF-100」シリーズは壁だけではなく、天井にも投影できるモデルだ

水野さん/EPSON:
確かにおっしゃる通り、弊社でもEF-100シリーズを出したときに、「天井もひとつの投影場所だよね」と話に出たことがありますね。実際にそういった使い方をされてる方は多く、こちらの商品を購入いただいたお客様のうち、約3割の方が天井に映像を投影して楽しんでいますね。

持ち運びやすい利点を活かすとすると、キャンプで使うのも良いんじゃないでしょうか。ドラムリールかなにかで電源を引いて、屋外で映像を投影する。プロジェクター=室内で使うもの、といった固定概念から飛び出した利用シーンが広がってる印象はありますね。

尾田:屋外でプロジェクターを使うと、よりイベント感、お祭り感みたいなものが強まりますね。キャンプも人気がありますし。

那須さん/JVC:
キャンプのときって、何を観たら盛り上がりますかね?

尾田:オーソドックスに映画とか、YouTubeとか……。

森さん/LG:
あとは音楽ですよね。パーティやフェスのような感じで、ミュージックビデオを流しながら盛り上がるっていうのは、結構聞きますよ。

LGエレクトロニクスのプロジェクター「HU85LS」

LGエレクトロニクスのプロジェクター「HU85LS」は単焦点で迫力ある大画面を投影できるのが魅力だ

尾田:ずっと室内でテレビやプロジェクターを観るって、これまでは不健康なイメージもありましたけど、最近はヘルシーなイメージに移り変わりつつあるのかなと。ひとえにメーカーのみなさんの企業努力やマーケティング効果による部分も大きいと思うんですが、そのあたりで工夫されていることはありますか?

popInのプロジェクター「popIn アラジン2」

popInのプロジェクター「popIn Aladdin 2」は照明、プロジェクター、スピーカーが一体型で天井から投影するスタイル

岡本さん/popIn:
弊社の場合は、常にプロジェクターが天井についているので、光源を覗かずに済む点がひとつ。お子さんやペットがいても目を痛める心配がありません。

そのほかにも、配線が外に露出しないため、コードに引っかかって家電を壊してしまうこともないですし、物を動かして掃除するなどの手間もないため、ご家族で使われる場合にはとくに重宝してもらえるのかな、と。

水野さん/EPSON:
天井に固定されてるっていう特徴は、強いですよねえ。

那須さん/JVC:
僕もpopInさんのプロジェクターを見たときは、「やられた!」と思いましたね(笑)。

JVCのプロジェクター「DLA-V9R」

JVCのプロジェクター「DLA-V9R」は8K/e-shiftテクノロジーにより、4Kを超える高精細映像と、2,200ルーメンによる明るくくっきりとした高画質を実現するなど、とことん映像にこだわっている

水野さん/EPSON:
JVCさんは、ホームシアターファンを虜にする画質へのこだわりがすごいですよ。私の部にも、プライベートではJVCさんのプロジェクターを使ってるメンバーがいますし。

那須さん/JVC:
ありがとうございます……! そう言ってもらえると非常にうれしいですね。

弊社は音を追求するイメージが強い会社だと思いますが、実は世界で初めてテレビのブラウン管を開発したメーカーでもあるんですよ。当時から映像技術が積み重なっていて、それがプロジェクター開発にも生かされてるんです。映像のコントラストが評価されて、業務用航空機シュミレーターにも採用されてます。

そういった「プロ向けのクオリティの商品をホームシアターに展開すると、こんなプロジェクターができますよ!」という展開の仕方をしてきたので、かなりマニアックなお客さまに評価いただいてる自負はありますね。

ホームプロジェクターがつくる新しい生活様式に向けて

尾田:新生活にプロジェクターを取り入れたい、生活を変えたいと思われてる方に対して、メッセージをいただければ。

エプソンのプロジェクター「EF-100」

エプソンのプロジェクター「EF-100」シリーズは極めてシンプルなデザイン。このコンパクトさでオールインワンというのも暮らしに取り入れやすい

水野さん/EPSON:
気軽に外出したり、外で何かを楽しむこと自体あまり歓迎されない風潮の中で、室内にじっと籠ってストレスを溜めてしまうのが一番よくないと思うんですよ。そのストレスの解消方法はさまざまですが、そのひとつにプロジェクターを選んでもらえると弊社としては嬉しい限りです。

プロジェクターって、動画や映画を観るだけにはおさまらないんですよね。朝から晩まで使い道がある。さまざまな面で社会と繋がれる要素を持ってます。「プロジェクターを買ってよかった」「毎日の暮らしが楽しいものになった」と言ってもらえれば、これ以上の幸せはないので、ハードの進化もさることながら、利用シーンをさらに拡大するためのアプリをいかに増やすか、この点も含めがんばります。

popInの「popInアラジン2」

popInの「popIn Aladdin 2」は照明一体型だが、明るい時間でも投影可能

岡本さん/popIn:
我々は「子どもたちが次々に新しいものを発見し、その感動を共有しあえる世界を実現すること」をビジョンに掲げています

家族で見るコンテンツにはさまざまなものがありますよね。思い出の写真や映画、世界の風景もそうだと思います。それらを共有するためにリビングなどに家族みんなが集まって、家族の会話が増え、リアルタイムに感動を共有しあえる世界をどんどん作っていきたいと思っています。

家族で会話をする機会を作ることで、自分の目で見たいと思える場所や新しい価値観を見つけてほしい。次の「好き」に出会ってほしいなと我々は思っています。そういったメッセージを発信していくという姿勢は崩さないようにしたいですね。

LGエレクトロニクスのプロジェクター「HU85LS」

LGエレクトロニクスのプロジェクター「HU85LS」はインテリアにすんなり馴染むミニマムなデザインが印象的

森さん/LG:
我々も、やっぱりみなさんにワクワクしてもらいたいんですよ。

映像って、やっぱり大画面で、迫力のある形で観たいって思うものじゃないですか。わいわい言いながら観る映画は楽しいし、期待感もより倍増する。弊社ももちろんですが、今回集まった各メーカーさんも引き続き良いものを作っていくはず。

そして、今まで以上にワクワクできるような、プロジェクターだからこそできる考えもつかなかった楽しみ方を提案していく。いわば新しい楽しみ方をしてもらえれば、我々にとってもお客さまにとっても、一番いい形なのかなと思いますね。

JVCのプロジェクター「DLA-V9R」

JVCのプロジェクターの圧倒的なパフォーマンスにはただただ驚かされるはず。機会があればぜひ体感してみて

那須さん/JVC:
幸いにも、これだけプロジェクターの裾野が広がったというところで、1000人に1人でも弊社のプロジェクターを買ってくれないかなという思いがまずあります(笑)。

たとえば車で言うとクラウンですとか、そういった伝統あるブランド、いつか手に入れたい憧れのブランドといったポジションを保ち続けたいと思ってますね。

こうやって裾野が広がりはじめてる中で、一握りでも二握りでも映像の質にこだわりを持つ方が生まれてくれると嬉しいな、と。こう言ったらあれですけど……、一度ぜひ観てもらいたいんですよ、弊社のプロジェクターで映した映像を。もちろんROOMIEの読者の方々にもです。プロジェクターの常識というものを覆すような体験をしてもらうと、見識が広がるのではないでしょうか。

尾田:ありがとうございます。みなさんの話を聞かせてもらって、あらためてプロジェクターの魅力を感じました。

プロジェクター

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Photographed by Kaoru Mochida

島一番の古着好き小学校教師だった僕が描いた未来像|아와지 지역(섬)에서 가장 빈티지를 좋아한 초등학교 교사였던 니시노가 그린 꿈

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流行りのブランドには理由がある。

しかし着るだけでは伝わらないデザイナーの想いと、その先にあるものを知ることで、ブランドをもっと好きになれるはず。

日本発のパンツ専業ブランドNEATのデザイナー・西野大士さんは、その着こなしだけでなく、そのライフスタイルもしばしば取り上げられるファッショニスタだが、彼の本当の魅力はその人柄。意外な前職と、いま思う、未来の姿について語ってもらった。

유행하고 있는 브랜드에는 이유가 있다.
그냥 입는 것만으로는 느끼기 어렵지만, 디자이너가 옷에 담은 마음이나 그에 관련 된 여러가지 일을 알 수 있게 된다면 브랜드를 더욱 좋아하는 마음이 생길 것이다.
일본 바지 전문 브랜드NEAT디자이너 니시노 다이시 씨는 옷을 잘 소화할 수 있을 뿐더러Life Style도 종종 매체에 실리는 Fashionista지만 그의 진정한 매력은 좋은 인간성이다.생각조차 못하는 전 직장과 지금 생각하는 훗날의 모습에 대해 많이 알려 주셨다.

量産するつもりのなかった個人オーダーのパンツ
대량생산할 예정이 없었던 개인 오더 팬츠

NEATデザイナーの西野大士さん

セレクトショップや大手百貨店ではインコテックス、PTトリノ、ジャブスアルキヴィオなど、パンツ専業ブランドが人気だ。

先の3つのネームはどれもイタリアのブランドだが、日本にもパンツ専業を謳う人気ブランドがある。それがNEATだ。

NEATは2015年に西野大士さんが立ち上げたブランドだ。便宜上デザイナーと呼ぶが、西野さんはデザイナーともディレクターとも違う。それは、ブランドのスタートに由来する。

편집샵이나 백화점에서는 Incotex, PT TORINO, Giabs Archivio등 바지 전문 브랜드가 인기 있다.
앞서 3가지 브랜드는 모두 이탈리아 브랜드이지만 일본에서도 엄청나게 인기 있는 바지 전문 브랜드가 있다.
그것이 바로 NEAT이다.
NEAT는 2015년에 니시노 다이시 씨가 시작한 브랜드이다.
쉽게 이해할 수 있도록 디자이너라는 호칭으로 부르지만 니시노 다이시 씨는 디자이너도 디렉터와도 다르다.
그것은 브랜드를 시작했을 때에 유래한다.

もともとブランドとして始めたわけじゃなくて、自分が穿きたいパンツがなかったので、知り合いにオーダーで作ってもらったのがきっかけなんです。形も決まった型で、量産することも考えてなかったので、ブランド名も考えていませんでした。

맨 처음에는 브랜드로서 시작한 것이 아니라 자기가 입고 싶은 바지가 없었기 때문에 아는 사람한테 만들어 달라고 한 것이 계기가 되었거든요.
핏도 정해져 있어서 대량생산 할 생각이 없었으니 브랜드 이름을 지을 생각도 없었습니다.

西野さんは、NEATを手掛ける一方でアタッシェドプレスとして、多くのブランドPRを請け負う「にしのや」の代表でもある。彼の前職は、ブルックスブラザーズのプレス担当だ。

니시노 다이시 씨는 NEAT를 하는 반면으로 Attache’ de press로서 수많은 PR를 맡은 “Nishinoya”의 대표이기도 한다.그의 전 직장은 Brooks brothers 홍보 담당자이다.

NEATの新作パンツ

NEATのS/S新作のサマーコーデュロイを使った短パン30,800円(税込)/にしのや TEL.03-6434-0983
NEAT의 봄여름 신 제품 Summer Corduroy원단을 사용한 Shorts 30,800엔(세금 포함)/Nishinoya

独立して、まだ個人でプレス業務を請け負ってた頃、自転車通勤してたんですが、それまでのクラシックなスタイルが自分のライフスタイルに合わなくなってきたんです。

スニーカーやサンダル履いて、自転車漕ぐのにちょうどいいけど、スキニーないわゆるサイクルパンツじゃなくて、少し上品で普遍的なこれからもずっと穿きたい型が欲しくて、ちょっと太めのワイドパンツとテーパードパンツを知り合いの職人さんに2型作ってもらったのが始まりでした。

독립한 직후 개인으로 홍보업무를 맡을 때 쯤 자전거로 출퇴근 했었는데 전 직장을 그만둘 때 까지 입었던 클래식한 스타일이 자기 라이프 스타일에 어울리지 않게 되었거든요.
스키니 같은 이른바 cycle pants가 아니라 스니커즈 라든가 샌달을 신고 자전거 타기에는 딱 좋은 조금 더 품위가 있고 보편적인데다가 앞으로도 오래오래 입을 수 있는 바지를 입고 싶어서 조금 넓이가 있는 와이드와 테이퍼드 바지를 아는 장인에게 부탁해서 2가지의 바지를 만든 것이 시작이었습니다.

完成したパンツを、アパレル関係の友人に披露したところ、数名から「俺のも作ってよ!」と声が掛かった。中には「展示会やってみたら?」という声も

완성한 바지를 패션 관계자의 지인에게 보여줬더니 몇 명이”내 것도 만들어 줘!”라는 요청이 있었다.그 중에서 “전시회라도 해보면 어떨까?”라는 요청도..

そう言われて、展示会? って思いました。前職はインポートブランドの日本支社だったので、メディア関係者向けのシーズン展しかやったことがなく、メーカーが卸先に向けた買付けの場として展示会を開催していることを知りませんでした。

展示会に新作のサンプルを並べて、バイヤーが買付けて、それから生産に入るっていう仕組みがあるらしいと知って、それじゃやってみようってことで2型5素材で展示会を開いたんです。

그런 말을 듣고 “전시회”라는 생각조차 못한 아이디어를 받았습니다.
전 직장(Brooks Brothers)에서는 수입 브랜드의 일본 지사 였기 때문에 매체 관계자를 대상으로 계절 마다 진행하는 전시회 밖에 해본적이 없었고 브랜드가 도매를 대상으로 오더하는 전시회가 있는 것도 몰랐거든요.

NEATデザイナーの西野大士さん

ブランドの元プレスという職業柄、展示会には多くのメディア関係者を集めることができたが、セレクトショップとの付き合いがなかったためバイヤーを集めることはできなかった。

それでも友人・関係者に49本の発注がついたという。10SKUでスタートしたファーストシーズンとしては上出来の数字だろう。

브랜드의 홍보를 했었다는 직업상 전시회에서는 수많은 매체 관계자를 모을 수는 있었지만 편집샵과 관계를 맺지 않았기 때문에 바이어를 모을 수는 없었다.
그래도 친구들이나 패션 관계자들로부터 49개 오더를 받을 수 있었다고 한다.10SKU(2가지 핏과 5개 소재)로 시작한 첫 시즌으로서는 만족스러운 수량인 것이다.

で、実際に生産に入らなくちゃというとき、僕がお願いしていた職人さん1人に49本縫ってもらうのはさすがに無理で。

そうしたら運のいいことに、飲み友達にたまたまOEMを請け負う会社の人がいたんです。それまで友人ではあったけど、何をしている人なのかわからなかったヤツが(笑)、生産面をバックアップしてくれることになって、無事納品することができました。

근데 실제로 생산으로 만들어야겠다고 했을 때 제가 부탁한 적이 있는 장인 1명에 49개 의 바지를 생산해달라고 하기에는 무리가 있었습니다.
그렇다면 운이 좋게 같이 술을 마시는 친구 중에서 우연히 (※1)OEM회사에 다니는 친구가 있었거든요.
친구이지만 그 때까지 무슨 일을 하는 사람인지 모르는 친구 덕분에 생산 쪽에서 뒷받침해 주게 되어 무사히 납품할 수 있었습니다.

(※1)OEM…Original Equipment Manufacturer 은 주문자의 의뢰에 따라 주문자의 상표를 부착하여 판매할 상품을 제작하는 업체를 의미한다.

ハンガーに型押しされたブランドネーム。ファンは海外へも拡大中だと言うが…
옷걸이에 새긴 브랜드 네임.팬덤은 해외에서도 확대중이라고 하지만…

口コミで広がっていったNEATの噂は、やがて全国へ。いまでは36店舗に卸し、青山にはオーダー専門店NEAT HOUSEを開くまでに成長した

香港、台湾にも取扱いショップがあり、韓国・ソウルには現地の熱烈なファンから、ぜひにと声が掛かりオンリーショップを開くことができた。海外進出からNEATの未来が大きく開けてみたかに見える。

だが、しかし西野さんはブランドを拡大していくつもりはないという。

입소문으로 펼친 NEAT의 소문은 점차 전국에.이제는 36개 거래처에 도매하고 도쿄 아오야마에서는 오더 전문점 NEAT HOUSE를 오픈하게 될 만큼 성장했다.
홍콩, 대만에서도 거래처가 있고, 한국 서울에서는 현지인의 열렬한 팬이 꼭 하고 싶다고 하기에 단독 매장을 오픈하게 되었다.해외진출로 NEAT의 미래가 크게 트인 것으로 보인다.
하지만 니시노 다이시 씨는 브랜드를 확대할 예정은 없다고 한다.

自分が穿きたいパンツを、自分の目の届く範囲で作って、そして売っていけるぐらいでいいかなと思っています。

求められたものを求められただけ作ったり、みんながイイねっていうものを作ろうとすると、自分の好きなものじゃなくなっていきますよね。

一番最初にパンツを作ったとき、自分の欲しいものを作ったスタンスは守っていきたいと思っているんです。

자기가 입고 싶은 바지를 자기가 파악할 수 있는 범위로 만들어서 그리고 판매할 수 있는 정도가 좋지 않을까 싶습니다.
맨 처음에 바지를 만들었을 때 자기가 원하는 것을 만든 신념은 지켜가고 싶거든요.

諦めきれなかったファッション業界への想い
포기할 수 없었던 패션 업계에 대한 꿈

NEATデザイナーの西野大士さん

実はブルックスブラザーズに入る前、西野さんは郷里の淡路島で小学校教員を務めていた。

高校を卒業したらファッションの世界に進みたいと思っていたが、ともに教員だった両親の勧めもあり、一旦は教員免許を取得し地元の淡路島で小学校教諭として2年間勤務していた。

실은 Brooks Brothers에서 입사하기 전에 니시노 다이시 씨는 고향 아와지 섬에서 초등학교 교사를 맡고 있었다.
고등학교를 졸업하고 나면 패션 쪽에서 일하고 싶었지만 아버님과 어머님 둘다 교사인 부모님이 조언해 주신 것도 있고 일단 교사면허증을 따서 아와지 섬에서 초등학교 교사로 2년간 근무했었다.

小学校の先生の仕事は、とても楽しかったし有意義でもありました。

同世代のなかでは給料も良かったし、実家暮らしだったので毎週末、神戸や大阪に服を買いに行けました。古着が大好きだったんです。

でも1年後には、どうしてもファッション業界に行きたいという気持ちを抑えることができなくなっていました。

초등학교 선생님의 업무는 엄청 즐거웠고 뜻이 있는 시간이기도 했습니다.
같은 세대 중에서 월급도 좋았었고, 부모님과 같이 살고 있었기 때문에 주말 마다 고베 나 오사카 에 옷을 사러 갈 수 있었습니다.빈티지 옷을 너무 좋아하거든요.
근데 1년 후에는 아무래도 패션 업계에서 일하고 싶은 마음을 참을 수가 없었습니다.

教員生活2年目、校長先生に率直に気持ちを打ち明けて、勤務時間が終わるとすぐに学校を出て、2時間半かけて大阪のファッション専門学校へ通うことにした。

1年間、小学校教員と専門学校生という二足のわらじを履き、翌春には初めて授業をした子どもたちの卒業を見届けると、自身も短い教員生活を卒業した。

そしてブルックスブラザーズに入社したことで、ようやくファッション業界へ転職を果たす。

교사 생활 2년째 교장선생님에게 솔직하게 마음을 털어놓고 근무 시간이 끝나자마자 학교를 나가고 2시간 반 걸려서 오사카 에 있는 패션 전문 학교에 다니기로 했다.
낮에는 초등학교 교사를 하고 밤에는 전문 학교 학생으로써 공부하는 생활을 1년동안 하고 나서 다음 해 봄에 처음으로 수업을 담당한 아이들의 졸업을 지켜본 후 자신도 짧은 교사 생활을 졸업했다.
그렇게 해서 Brooks Brothers에 입사한 것으로 드디어 패션 업계에 이직을 이루었다.

NEATデザイナーの西野大士さん

最初は店舗で販売職。プレスという業務がやってみたくて異動願いを出し続けたら、願いが叶って東京へ。

でも蓋を開けてみると、当時は社内にプレスという部署はなく、店舗販促を中心としたマーケティング部販売促進課への異動でした。その部署でプレス業務らしきことをやっていた、という程度だったので、どういう仕事をすればいいのかわからない。

それでビームスの土井地さんに話を伺いに行ったんです。

처음엔 가게에서 판매직.PR하는 일을 해보고 싶어서 끊임없이 지원하게 되었더니 드디어 도쿄에 가게 되었습니다.
하지만 당시 사내에 Press라는 부서가 없었고, 점포 판촉을 위주로 한 마케팅팀과 판매촉진과에 이동이었습니다.그 부서에서 Press업무 같은 일을 하고 있지만, 어떤 업무를 하는 게 Press로서 올바른지 모르겠더라고요.
그래서 BEAMS 도이지 히로시 씨에 조언을 받으려고 갔거든요.

じつは就職活動中、ビームスのプレスアシスタントの面接で不合格となっていたのだが、そのときの面接官が当時ビームスのPR宣伝担当、現在は執行役員を務める土井地 博さんだったという。

そのたった1回の面識があるだけで、西野さんは再び土井地さんを訪ねた。

실은 취직 활동 중에 BEAMS의 Press assistant 면접에서 불합격을 받았었는데 그 때의 면접관이 당시 BEAMS의 PR광고담당, 현재는 집행임원을 맡은 도이지 히로시 씨였었다고 한다.
그때 딱 한 번 만난 적이 있을 뿐이었는데 니시노 다이시 씨는 도이지 히로시 씨를 만나러 방문했다.

NEATデザイナーの西野大士さん

西野さんのトレードマークとも言えるキャップ。ブランド47とのコラボは即完売する人気アイテムだ。
니시노 다이시 씨의 대명사라고도 할 수 있는 모자.브랜드47과의 콜라보 모자는 출시 되자마자 바로 품절이 되는 인기 상품이다.

雑誌でも、よく見る有名な方だったので、面接のときは緊張しました。

プレス担当になって上京したけど、ブルックスブラザーズではプレスの仕事がいまいちよくわかりませんでした。そこでプレス業界の有名人であり、面接試験で面識があったので、お話を聞きたいですとコンタクトを取ったんです。

잡지에서도 자주 보는 워낙 유명한 분이라서 면접 때는 엄청나게 긴장했습니다.
Press담당자를 맡게 되고 도쿄에 올라왔지만 Brooks Brothers에서는 Press로서 어떤 업무를 하면 되는지 모르겠더라고요.그래서 Press업계의 유명한 사람이기도 하고 면접시험에서 만난 적이 있었기 때문에 조언을 받고 싶다고 연락을 드렸거든요.

一度は不合格にした相手が「今度、他社のプレスになりました」と会いにくるというのは、なんとも度胸のある西野さんだが、土井地さんは快く受け入れてくれた。

한 번은 불합격으로 한 사람이 ‘이번에는 다른 회사 Press담당자가 되었습니다’라고 만나러 온다는 것은 배짱이 좋은 니시노 다이시 씨지만 도이지 히로시 씨는 흔쾌히 받아들였다.

BEAMS執行役員の土井地 博さん

当時の西野さんを語る株式会社ビーアット 代表取締役、株式会社ビームス 執行役員 経営企画室グローバルアライアンス部 部長 兼 コミュニケーションディレクターの土井地 博さん
당시의 니시노 다이시 씨를 뒤돌아보면서 이야기하는 주식회사 BE AT 대표 주식회사 BEAMS집행임원 경영기획실 Global Alliance부 부장 겸 Communication director도이지 히로시 씨
Photographed by Kosumo Hashimoto

当時のことを訪ねてみると「あのときのことは、今でも覚えていますよ!」と土井地さんはいう。

그 당시에 대해 물어보면 ‘그 때 일은 지금도 잘 기억하고 있습니다!’라고 도이지 히로시 씨는 말한다.

初めて会った時は、小学校の先生をしていたと聞いて、年上かと思いました(笑)。

話してみると非常に熱心で、本当に洋服が好きなんだなぁと感じました。私自身、23歳でプレスに抜擢され、がむしゃらにやっていた事もあり、話を聞いてあげたいと思えたんです。

そのときは、たしか、商品知識だけでなくお客様の心を掴むこと、相手の気持ちになって何を必要としているのかを感じ取ることが大事だと話した記憶があります。

その後は、うちのメンバーとも仲良くしていただいて、イベントやレセプションパーティーなど、いつも来ていただきました。

昔も今も、インプットとアウトプットを日々行い、常に楽しくおもしろい事をカッコよく、そして何よりも人柄でしっかりと仕事されていらっしゃいますね。

처음으로 만났을 땐 초등학교 교사를 했었다고 하기에 연상인 줄 알았습니다ㅋㅋㅋ
막상 대화를 나누고보니 엄청 열정이 있고 진심으로 옷을 좋아하구나 했거든요.제가 23살 때 Press로서 선발되고 아무튼 열심히 했었기 때문에 니시노 다이시 씨의 이야기를 들어주고 싶다는 생각이 들었습니다.
그 땐 상품에 대한 지식 뿐만 아니라 고객님의 마음을 잡는 것과 상대방에 입장을 생각해서 무엇이 필요한지를 느끼고 잡는 것이 중요하다고 얘기한 기억이 있습니다.
그 이후는 우리회사 맴버들과 친하게 해주시고 행사나 Reception party에 항상 와 주셨습니다.
이전에도 지금도 In put과 Out put을 나날이 해서 늘 즐겁고 흥미 있는 것을 멋지게, 게다가 무엇보다 인성 면에서도 잘 일 하고 계시네요.

メディアで名の知れた土井地さんに直接アタックする西野さんも凄いが、西野さんの人柄をひと目で見抜いた土井地さんも流石といえよう。

매체에서 아주 유명한 도이지 히로시 씨에 직접 연락한 니시노 다이시 씨도 대단하지만 니시노 다이시 씨의 인성을 바로 간파한 도이지 히로시 씨도 대단하다고 할 수 있다.

NEATデザイナーの西野大士さん

土井地さんには本当にたくさんのことを教えていただきました。

あれ以来、たくさんのスタイリストさん、編集の方に自分から積極的に話しかけたり、飲みに連れて行っていただいたり、コミュニケーションをとらせていただいたおかげで、メディアの露出も増え業績を上げることができました。

土井地さんは僕のプレスとしての方向性を導いていただいた大恩人。いま思い返しても感謝の気持ちでいっぱいです。

도이지 히로시 씨는 아주 많은 것을 가르쳐 주셨습니다.
그 때부터 수많은 스타일리스트나 편집자에게 스스로 적극적으로 얘기하거나 술자리에도 데려다 주거나 하면서 인간 관계를 구축할 수 있게 되면서 매체에 실리는 기회도 늘어나고 업적을 올릴 수 있었습니다.
도이지 히로시 씨는 저의 Press로써 방향을 인도해 주신 은인.지금 뒤돌아봐도 감사한 마음이 가득합니다.

そして、いつかは故郷の淡路島へ
그리고 언젠가 고향 아와지섬에

NEATデザイナーの西野大士さん

いま西野さんは、NEATの展開とともに20以上もの人気ブランドを抱えるアタッシェドプレス、そして個人としてもさまざまな分野に活動を広げている。

현재 니시노 다이시 씨는 NEAT를 하는 것과 더불어 20개 이상이나 인기 브랜드를 맡은 Attache’ de press 그리고 개인으로서도 다양한 분야에서 활동을 펼치고 있다.

NEATの他にもうひとつ、60年代のヴィンテージユニフォームを再現したDRESSというブランドを昨年立ち上げました。道具としてのユニフォームとファッションを融合させたスタイルを提案しています。

ほかにもお声がけいただいたセレクトショップさんとコラボしたり。それとL’ECHOPPEのバイヤー金子恵治さん、HERILLのデザイナー大島裕幸さんと、ヴィンテージ古着を持ち寄ったフリーマーケットWEEKENDを不定期開催したり。

NEAT이외에 따로 60년대 빈티지 유니폼을 재현한 DRESS라는 브랜드를 작년에 시작했습니다.도구로서 유니폼과 패션을 융합 시킨 스타일을 제안하고 있습니다.
그 이외에도 같이 하자고 말해 주신 편집샵과 콜라보를 했거나.그리고 L’ECHOPPE 바이어 카네코 케이지 씨 HERILL 디자이너 오오시마 히로유키 씨와 빈티지 옷을 서로 가져온 Free market ’WEEKEND’를 랜덤으로 합니다.

西野さん自身のファッションのルーツが古着にあるだけに、活動は原点回帰の傾向にあるようだ。それもそのはず、実は本人自身、将来は故郷、淡路島へのUターンを考えているという。

니시노 다이시 씨의 패션의 시작은 빈티지 옷에 있으니까 활동은 원점 회귀에 경향에 있는 듯하다.당연히 그렇죠. 실은 니시노 다이시 씨는 나중에 고향 아와지섬에 돌아갈까 생각하고 있다고 한다.

淡路島の祖父母の家が歴史ある古民家で、そこでお店をしたいと思っているんです。週末にしか営業しないとか、一ヶ月に1週間だけ店を開けるとか。

いつかは淡路に戻りたい。一度は出てきた故郷ですが、この気持ちは、ずっと捨てずにいるんです。

아와지섬의 할아버지 할머니 집이 역사 있는 옛 민가라서 거기서 가게를 운영하고 싶다는 생각이 있습니다.주말만 영업하거나 한 달에 1주일만 영업하거나.
언젠가는 아와지섬에 돌아가고 싶다.한 번 나온 고향이지만 이 마음은 계속 가지고 있거든요.

地元について語るときの西野さんは、人懐っこい子犬のように澄んだ目をする。自身のSNSにときどきあがる地元淡路島のトピックも、純粋な地元愛あってのもの。

いまや多くのメディアで取り上げられるファッション業界人だが、瀬戸内海で育った素朴な人柄こそが誰からも愛される彼の魅力の源なのだろう。

고향에 대해 얘기할 때 니시노 다이시 씨는 붙임성이 있는 강아지처럼 순수한 눈을 보여준다.자기 SNS에 가끔 업데이트된 아와지섬 사진도 순수한 고향에 대한 애정이 있어서 그런 거다.
이제 수많은 매체에 실리는 패션 업계인이지만 세토나이카이(일본 서 쪽에 있는 바닷가)에서 자란 소박한 인성이야말로 누구에게서도 사랑을 받는 그의 매력의 토대인 듯한다.

NEATの新作オーバーオール

NEATのS/S新作のオーバーオール。55,000円(税込)/にしのや TEL.03-6434-0983
NEAT 봄여름 신제품 Overall.55,000엔(세금 포함) / Nis

深々と折った腰に見送られた取材の帰り道、通り掛かった小学校の校庭で遊んでいる子どもたちを横目に、西野さんが小学校教師のままだったら、淡路島で一番おしゃれで人気者の先生になっていたのではと、なんとなく思えた。

プレス展で商品解説している西野さんに、黒板に向かう西野先生がふと重なる気がした。

고개 숙여 인사를 하며 니시노 다이시 씨에 배웅을 받은 취재진이 돌아가는 길에서 초등학교 교정에서 놀고 있는 아이들을 문득 쳐다보고 니시노 다이시 씨가 만약에 초등학교 교사였더라면 아와지 섬에서 가장 멋쟁이면서 인기 있는 선생님이 되었을 수도 있지 않을까 싶었다.
Press전시회에서 상품을 설명하고 있는 니시노 다이시 씨와 칠판 앞에 서 있는 니시노 다이시 씨 선생님 모습이 문득 겹치는 느낌이 들었다.

Text by Yasuyuki Ikeda Photographed by Junmaru Sayama

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아와지 지역(섬)에서 가장 빈티지를 좋아한 초등학교 교사였던 니시노가 그린 꿈

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유행하고 있는 브랜드에는 이유가 있다.

그냥 입는 것만으로는 느끼기 어렵지만, 디자이너가 옷에 담은 마음이나 그에 관련 된 여러가지 일을 알 수 있게 된다면 브랜드를 더욱 좋아하는 마음이 생길 것이다.

일본 바지 전문 브랜드NEAT디자이너 니시노 다이시 씨는 옷을 잘 소화할 수 있을 뿐더러Life Style도 종종 매체에 실리는 Fashionista지만 그의 진정한 매력은 좋은 인간성이다.생각조차 못하는 전 직장과 지금 생각하는 훗날의 모습에 대해 많이 알려 주셨다.

대량생산할 예정이 없었던 개인 오더 팬츠

NEATデザイナーの西野大士さん

편집샵이나 백화점에서는 Incotex, PT TORINO, Giabs Archivio등 바지 전문 브랜드가 인기 있다.
앞서 3가지 브랜드는 모두 이탈리아 브랜드이지만 일본에서도 엄청나게 인기 있는 바지 전문 브랜드가 있다.
그것이 바로 NEAT이다.

NEAT는 2015년에 니시노 다이시 씨가 시작한 브랜드이다.
쉽게 이해할 수 있도록 디자이너라는 호칭으로 부르지만 니시노 다이시 씨는 디자이너도 디렉터와도 다르다.
그것은 브랜드를 시작했을 때에 유래한다.

맨 처음에는 브랜드로서 시작한 것이 아니라 자기가 입고 싶은 바지가 없었기 때문에 아는 사람한테 만들어 달라고 한 것이 계기가 되었거든요.
핏도 정해져 있어서 대량생산 할 생각이 없었으니 브랜드 이름을 지을 생각도 없었습니다.

니시노 다이시 씨는 NEAT를 하는 반면으로 Attache’ de press로서 수많은 PR를 맡은 “Nishinoya”의 대표이기도 한다.그의 전 직장은 Brooks brothers 홍보 담당자이다.

NEATの新作パンツ

NEAT의 봄여름 신 제품 Summer Corduroy원단을 사용한 Shorts 30,800엔(세금 포함)/Nishinoya

독립한 직후 개인으로 홍보업무를 맡을 때 쯤 자전거로 출퇴근 했었는데 전 직장을 그만둘 때 까지 입었던 클래식한 스타일이 자기 라이프 스타일에 어울리지 않게 되었거든요.

스키니 같은 이른바 cycle pants가 아니라 스니커즈 라든가 샌달을 신고 자전거 타기에는 딱 좋은 조금 더 품위가 있고 보편적인데다가 앞으로도 오래오래 입을 수 있는 바지를 입고 싶어서 조금 넓이가 있는 와이드와 테이퍼드 바지를 아는 장인에게 부탁해서 2가지의 바지를 만든 것이 시작이었습니다.

완성한 바지를 패션 관계자의 지인에게 보여줬더니 몇 명이”내 것도 만들어 줘!”라는 요청이 있었다.그 중에서 “전시회라도 해보면 어떨까?”라는 요청도..

그런 말을 듣고 “전시회”라는 생각조차 못한 아이디어를 받았습니다.
전 직장(Brooks Brothers)에서는 수입 브랜드의 일본 지사 였기 때문에 매체 관계자를 대상으로 계절 마다 진행하는 전시회 밖에 해본적이 없었고 브랜드가 도매를 대상으로 오더하는 전시회가 있는 것도 몰랐거든요.

NEATデザイナーの西野大士さん

브랜드의 홍보를 했었다는 직업상 전시회에서는 수많은 매체 관계자를 모을 수는 있었지만 편집샵과 관계를 맺지 않았기 때문에 바이어를 모을 수는 없었다.

그래도 친구들이나 패션 관계자들로부터 49개 오더를 받을 수 있었다고 한다.10SKU(2가지 핏과 5개 소재)로 시작한 첫 시즌으로서는 만족스러운 수량인 것이다.

근데 실제로 생산으로 만들어야겠다고 했을 때 제가 부탁한 적이 있는 장인 1명에 49개 의 바지를 생산해달라고 하기에는 무리가 있었습니다.

그렇다면 운이 좋게 같이 술을 마시는 친구 중에서 우연히 (※1)OEM회사에 다니는 친구가 있었거든요.
친구이지만 그 때까지 무슨 일을 하는 사람인지 모르는 친구 덕분에 생산 쪽에서 뒷받침해 주게 되어 무사히 납품할 수 있었습니다.

(※1)OEM…Original Equipment Manufacturer 은 주문자의 의뢰에 따라 주문자의 상표를 부착하여 판매할 상품을 제작하는 업체를 의미한다.

옷걸이에 새긴 브랜드 네임.팬덤은 해외에서도 확대중이라고 하지만…

입소문으로 펼친 NEAT의 소문은 점차 전국에.이제는 36개 거래처에 도매하고 도쿄 아오야마에서는 오더 전문점 NEAT HOUSE를 오픈하게 될 만큼 성장했다.

홍콩, 대만에서도 거래처가 있고, 한국 서울에서는 현지인의 열렬한 팬이 꼭 하고 싶다고 하기에 단독 매장을 오픈하게 되었다.해외진출로 NEAT의 미래가 크게 트인 것으로 보인다.

하지만 니시노 다이시 씨는 브랜드를 확대할 예정은 없다고 한다.

자기가 입고 싶은 바지를 자기가 파악할 수 있는 범위로 만들어서 그리고 판매할 수 있는 정도가 좋지 않을까 싶습니다.

맨 처음에 바지를 만들었을 때 자기가 원하는 것을 만든 신념은 지켜가고 싶거든요.

포기할 수 없었던 패션 업계에 대한 꿈

NEATデザイナーの西野大士さん

실은 Brooks Brothers에서 입사하기 전에 니시노 다이시 씨는 고향 아와지 섬에서 초등학교 교사를 맡고 있었다.
고등학교를 졸업하고 나면 패션 쪽에서 일하고 싶었지만 아버님과 어머님 둘다 교사인 부모님이 조언해 주신 것도 있고 일단 교사면허증을 따서 아와지 섬에서 초등학교 교사로 2년간 근무했었다.

초등학교 선생님의 업무는 엄청 즐거웠고 뜻이 있는 시간이기도 했습니다.

같은 세대 중에서 월급도 좋았었고, 부모님과 같이 살고 있었기 때문에 주말 마다 고베 나 오사카 에 옷을 사러 갈 수 있었습니다.빈티지 옷을 너무 좋아하거든요.

근데 1년 후에는 아무래도 패션 업계에서 일하고 싶은 마음을 참을 수가 없었습니다.

교사 생활 2년째 교장선생님에게 솔직하게 마음을 털어놓고 근무 시간이 끝나자마자 학교를 나가고 2시간 반 걸려서 오사카 에 있는 패션 전문 학교에 다니기로 했다.

낮에는 초등학교 교사를 하고 밤에는 전문 학교 학생으로써 공부하는 생활을 1년동안 하고 나서 다음 해 봄에 처음으로 수업을 담당한 아이들의 졸업을 지켜본 후 자신도 짧은 교사 생활을 졸업했다.

그렇게 해서 Brooks Brothers에 입사한 것으로 드디어 패션 업계에 이직을 이루었다.

NEATデザイナーの西野大士さん

처음엔 가게에서 판매직.PR하는 일을 해보고 싶어서 끊임없이 지원하게 되었더니 드디어 도쿄에 가게 되었습니다.

하지만 당시 사내에 Press라는 부서가 없었고, 점포 판촉을 위주로 한 마케팅팀과 판매촉진과에 이동이었습니다.그 부서에서 Press업무 같은 일을 하고 있지만, 어떤 업무를 하는 게 Press로서 올바른지 모르겠더라고요.

그래서 BEAMS 도이지 히로시 씨에 조언을 받으려고 갔거든요.

실은 취직 활동 중에 BEAMS의 Press assistant 면접에서 불합격을 받았었는데 그 때의 면접관이 당시 BEAMS의 PR광고담당, 현재는 집행임원을 맡은 도이지 히로시 씨였었다고 한다.

그때 딱 한 번 만난 적이 있을 뿐이었는데 니시노 다이시 씨는 도이지 히로시 씨를 만나러 방문했다.

NEATデザイナーの西野大士さん

니시노 다이시 씨의 대명사라고도 할 수 있는 모자.브랜드47과의 콜라보 모자는 출시 되자마자 바로 품절이 되는 인기 상품이다.

잡지에서도 자주 보는 워낙 유명한 분이라서 면접 때는 엄청나게 긴장했습니다.

Press담당자를 맡게 되고 도쿄에 올라왔지만 Brooks Brothers에서는 Press로서 어떤 업무를 하면 되는지 모르겠더라고요.그래서 Press업계의 유명한 사람이기도 하고 면접시험에서 만난 적이 있었기 때문에 조언을 받고 싶다고 연락을 드렸거든요.

한 번은 불합격으로 한 사람이 ‘이번에는 다른 회사 Press담당자가 되었습니다’라고 만나러 온다는 것은 배짱이 좋은 니시노 다이시 씨지만 도이지 히로시 씨는 흔쾌히 받아들였다.

BEAMS執行役員の土井地 博さん

당시의 니시노 다이시 씨를 뒤돌아보면서 이야기하는 주식회사 BE AT 대표 주식회사 BEAMS집행임원 경영기획실 Global Alliance부 부장 겸 Communication director도이지 히로시 씨
Photographed by Kosumo Hashimoto

그 당시에 대해 물어보면 ‘그 때 일은 지금도 잘 기억하고 있습니다!’라고 도이지 히로시 씨는 말한다.

처음으로 만났을 땐 초등학교 교사를 했었다고 하기에 연상인 줄 알았습니다ㅋㅋㅋ

막상 대화를 나누고보니 엄청 열정이 있고 진심으로 옷을 좋아하구나 했거든요.제가 23살 때 Press로서 선발되고 아무튼 열심히 했었기 때문에 니시노 다이시 씨의 이야기를 들어주고 싶다는 생각이 들었습니다.

그 땐 상품에 대한 지식 뿐만 아니라 고객님의 마음을 잡는 것과 상대방에 입장을 생각해서 무엇이 필요한지를 느끼고 잡는 것이 중요하다고 얘기한 기억이 있습니다.

그 이후는 우리회사 맴버들과 친하게 해주시고 행사나 Reception party에 항상 와 주셨습니다.

이전에도 지금도 In put과 Out put을 나날이 해서 늘 즐겁고 흥미 있는 것을 멋지게, 게다가 무엇보다 인성 면에서도 잘 일 하고 계시네요.

매체에서 아주 유명한 도이지 히로시 씨에 직접 연락한 니시노 다이시 씨도 대단하지만 니시노 다이시 씨의 인성을 바로 간파한 도이지 히로시 씨도 대단하다고 할 수 있다.

NEATデザイナーの西野大士さん

도이지 히로시 씨는 아주 많은 것을 가르쳐 주셨습니다.

그 때부터 수많은 스타일리스트나 편집자에게 스스로 적극적으로 얘기하거나 술자리에도 데려다 주거나 하면서 인간 관계를 구축할 수 있게 되면서 매체에 실리는 기회도 늘어나고 업적을 올릴 수 있었습니다.

도이지 히로시 씨는 저의 Press로써 방향을 인도해 주신 은인.지금 뒤돌아봐도 감사한 마음이 가득합니다.

그리고 언젠가 고향 아와지섬에

NEATデザイナーの西野大士さん

현재 니시노 다이시 씨는 NEAT를 하는 것과 더불어 20개 이상이나 인기 브랜드를 맡은 Attache’ de press 그리고 개인으로서도 다양한 분야에서 활동을 펼치고 있다.

NEAT이외에 따로 60년대 빈티지 유니폼을 재현한 DRESS라는 브랜드를 작년에 시작했습니다.도구로서 유니폼과 패션을 융합 시킨 스타일을 제안하고 있습니다.

그 이외에도 같이 하자고 말해 주신 편집샵과 콜라보를 했거나.그리고 L’ECHOPPE 바이어 카네코 케이지 씨 HERILL 디자이너 오오시마 히로유키 씨와 빈티지 옷을 서로 가져온 Free market ’WEEKEND’를 랜덤으로 합니다.

니시노 다이시 씨의 패션의 시작은 빈티지 옷에 있으니까 활동은 원점 회귀에 경향에 있는 듯하다.당연히 그렇죠. 실은 니시노 다이시 씨는 나중에 고향 아와지섬에 돌아갈까 생각하고 있다고 한다.

아와지섬의 할아버지 할머니 집이 역사 있는 옛 민가라서 거기서 가게를 운영하고 싶다는 생각이 있습니다.주말만 영업하거나 한 달에 1주일만 영업하거나.

언젠가는 아와지섬에 돌아가고 싶다.한 번 나온 고향이지만 이 마음은 계속 가지고 있거든요.

고향에 대해 얘기할 때 니시노 다이시 씨는 붙임성이 있는 강아지처럼 순수한 눈을 보여준다.자기 SNS에 가끔 업데이트된 아와지섬 사진도 순수한 고향에 대한 애정이 있어서 그런 거다.

이제 수많은 매체에 실리는 패션 업계인이지만 세토나이카이(일본 서 쪽에 있는 바닷가)에서 자란 소박한 인성이야말로 누구에게서도 사랑을 받는 그의 매력의 토대인 듯한다.

NEATの新作オーバーオール

NEAT 봄여름 신제품 Overall.55,000엔(세금 포함) / Nis

고개 숙여 인사를 하며 니시노 다이시 씨에 배웅을 받은 취재진이 돌아가는 길에서 초등학교 교정에서 놀고 있는 아이들을 문득 쳐다보고 니시노 다이시 씨가 만약에 초등학교 교사였더라면 아와지 섬에서 가장 멋쟁이면서 인기 있는 선생님이 되었을 수도 있지 않을까 싶었다.

Press전시회에서 상품을 설명하고 있는 니시노 다이시 씨와 칠판 앞에 서 있는 니시노 다이시 씨 선생님 모습이 문득 겹치는 느낌이 들었다.

Text by Yasuyuki Ikeda Photographed by Junmaru Sayama

日本独自の展開で席巻中! 「ザ・ノース・フェイス」がかっこいいブランドであり続ける理由

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数あるアウトドアブランドの中でも、長年に渡ってナンバーワンの座を守り続けているザ・ノース・フェイス

自然の中での機能服としてはもちろん、普段使いのファッションアイテムとしても支持を集め、老若男女からも知られた大人気ブランドです。

創業は1966年と歴史は古いですが、いまでも進化を続けるそのブランド戦略とは何なのか? ブランドに携わって16年、ザ・ノース・フェイスマーケティンググループのマネージャー田中博教さんに、ザ・ノース・フェイスのブランドとフィロソフィーを聞いてきました。

ブランドの根っこは55年経っても変わらない

ザ・ノース・フェイスの田中博教さん

──突然ですが、ザ・ノース・フェイス(以下TNF)ってかっこいいですよね(笑)。これだけ長い間ブランドが続いているのに、ずっとイケてる存在。ブランドコンセプトがしっかり定まっていないとブレそうなものですが…。

ありがとうございます(笑)。確かに、アメリカで1966年に創業以来、ブランドのコンセプトは当時と変わっていないんです。

ブランドが大切にしていることが3つありまして、ミッションが『自然環境保護に積極的に関わり、持続可能な地球環境を創造する』。ビションが、『アウトドア業界の中で常に最高の製品を作り続ける』。バリューが『自然の素晴らしさを自らが楽しみ、より多くの人を楽しませる』です。

ザ・ノース・フェイスの田中博教さん

──なるほど。55年も前から“持続可能”と掲げているあたり、先見の明がありますね。本国はアメリカですが、世界中で展開するブランドとなったいま、グローバルで掲げている目標はありますか?

TNFはアウトドアブランドとしての認識があると思いますが、いまは『エクスプローラーブランドになる』という目標を掲げています。アウトドアブランドの本質を保ちつつ、より多くの人、より多くの挑戦をする人たちに愛されるブランドになるということを目的にしています。

Never Stop Exploringっていうタグラインがあるんですけど、それは「飽くなき探求心」という意味。その「飽くなき探求心」をアウトドアの人たちだけでなく、より多くの人に広げていくっていうのがブランドの今の考え方です。

──たしかに、最近はキャンパー向けやマタニティ向けなど、ターゲットの多様化も伺えます。

はい。でも、僕らが気をつけないといけないのが、多様性があるのはいいけど、多面的になるのはよくないと思っています

ブランド価値が散らばっていくのではなく、あくまでもアウトドアブランドです。その本質を持ったまま、多様性があっていろんな方に愛されるというのを強く念頭においてマーケティングやモノ作りを行っていますね。

素材開発の拠点は富山にある「テック・ラボ」

ザ・ノース・フェイスの田中博教さん

──そもそもですが、日本で売っているTNFのアイテムって日本独自企画のものなんですか?

はい、1994年に弊社が日本と韓国における商標権を買い取りました。ですので、日本で販売している製品の企画やショップの売り場作りは日本独自のものです。アパレルは9割程度が日本企画ですね。バッグやシューズはまだ輸入物も多いですが、ほとんどが日本企画です。

──なるほど、となると素材開発なども自社工場で?

富山県にあるゴールドウィンのテックラボ

富山県にあるゴールドウィンのテックラボ。ここでは、ザ・ノース・フェイスをはじめゴールドウィンで取り扱うブランドに搭載されるテクノロジーが生み出すべく、日々研究を重ねている。

富山県に「ゴールドウイン テック・ラボ」という研究開発施設があって、そこで新素材の開発や研究を行っています。ゴールドウインの前身は富山県にあった津澤メリヤスという工場でして、第一回東京オリンピックのとき、東洋の魔女といわれる女子バレーチームのユニフォームもそこで作っていたんです。

そういった技術力が今にも継承されていて、テック・ラボには3次元計測装置を備えたスキャナー室やさまざまな気象条件を人工的に再現して製品テストを行う人工気象室、モーションキャプチャーによる動作測定が可能な運動研究室など、最先端の設備が揃っています

プレスルームには次シーズンの新作サンプルが並んでいます。

──そういったさまざまな技術を生み出せる研究環境が、日本国内にあるというのはすごいですね。

いまは日本のクリエイションや技術力が、グローバルなザ・ノース・フェイスに大きな影響を与え始めているという状況が起きています。その最先端にあるのが、テック・ラボ。

例えばスポーツクライミングであれば、金メダルを取れそうなアスリートに着用してもらってモーションキャプチャーをやり、何度もテストを重ねて製品化します。そのユニフォームを、アメリカ・オーストリア・韓国・日本の4か国がオリンピックで着用することになりました。

日本のクリエイションがアメリカへ逆輸入

ザ・ノース・フェイス原宿店

ザ・ノース・フェイスらしい雰囲気の原宿店内。テイストはどの店舗も統一し、ブランディングにも一役買っている。

──TNFは各店舗の作り込みもおもしろいですね。どこに言っても違う雰囲気で、ついつい見つけると足を運んでしまいます。

僕は入社して16年になりますが、一番変わったのはTNFの直営店が増えたことです。やっぱり自分たちの世界観をブレずに伝えるっていう意味では、直営店のほうがよりそのブランドの深さは伝えられるんです。

ウィンドウディスプレイにしても、店頭に置くPOPにしても、すべてですよね。お客さんが触れるもの、見るものすべてをTNFの世界観で提供できるように工夫しています。

──キッズやレディースといったカテゴライズでの展開もおもしろいですね。どうやってTNFの世界観をブラさないように心がけていますか?

何を伝えたいのかを明確化しますね。

キッズであれば、生きる力を育ませるために自然に触れ合う大切さを伝えたい。アイテムを通して、しっかりとそのメッセージを伝えていく。ウィメンズであれば、例えばジェンダーレスをブランドの考え方として伝えるために、店で情報をアウトプットするイベントをやったりしています。

モノ作りと店ってかなり連動している側面があるので、企画も売り場の担当も一緒に打ち合わせすることが多いですね。

本国アメリカに逆輸入された「ジオドーム4」。カタログにも掲載しました。

──アメリカのTNFもこだわった店舗作りをしているんでしょうか?

いえ、これも日本独自の取り組みです。アメリカの社長がこの取り組みを見て、逆に日本にストアディレクションをお願いするということがありました。

ほかにも日本のクリエイションが本国からも評価をされていて、2018年に発売した「ジオドーム4」というテントはアメリカに逆輸入されました

売上だけを求めない、日本流TNFとは

当時話題となった「ムーン・パーカ」最大の特徴は、現在の洋服の主原料となっている石油などの化石資源に依存せず、微生物による発酵プロセスによってつくられた構造タンパク質を使用しています。

──日本の企画が本国に認められるというのはすごいことですね。2019年に発表した、人工タンパク質を使った「ムーン・パーカ」も話題を集めましたね。

ブランドを支えてきたハップ・クロップが当時からよく言っているのですが、小さなことをコツコツやるのも大切だけど、社会の仕組み自体を変えるような破壊的創造みたいなことは、やる必要があると。

スパイバー社とのプロジェクトはまさにそれを体現しているのですが、ムーン・パーカはようやく一部のお客さんに届けることができた段階です。もっと多くの人に届けるというのは今後の大きな目標ですね。

──話題作りといえば、各種ブランドとのコラボレーションが毎回注目を集めています。あれも日本企画でしょうか?

日本主導で行ったのは、コムデギャルソンにはじまり、最近だとHYKEやエンダースキーマですね。シュプリームやグッチはアメリカ主導、サカイはアジア主導です。

こういったコラボ展開を始めたことで、よりブランドがライフスタイルにも取り入れられるきっかけにもなっているのは事実なんですが、売上を目指してあまりマスになりすぎるのを日本では避けるようにしています。なので、モノ作りに対する姿勢においてお互いに共感できるブランドとご一緒させていただいています。

ザ・ノース・フェイスの田中博教さん

──売上至上主義ではない、というのもブランドがブレないポイントなんですね。

実際、もう少し広域なマーケティングをし、母数を増やすべきではないかという考えが強い方々もいます。ただ広域なマーケティングを行うことで売上は伸びるかもしれませんが、ブランドが大事にしている本質が失われることが多くあります。それが私たちが本当にやりたいことかと考えるとそうじゃないんです。

たとえばヒット商品と言われるダウンにしても、売上重視というよりは作りすぎず、必要最低限を届けるようにすることで、私たちがブランドをしっかりと育てていくことを大切にしているんです。

Photographed by Kaoru Mochida

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三戸なつめさんが10年後も手放さないモノ

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10年という月日が経つと、いま住んでいる部屋も、立場や環境も大きく変わってきます。ただ、たとえ環境が変わっても「これだけはずっと持っていたい」というモノが、ひとつはある……。

そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。

なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。

三戸なつめさん

三戸なつめさん

1990年2月20日生まれ。奈良県出身。
2015年に中田ヤスタカプロデュースによる『前髪切りすぎた』でアーティストデビュー。
2018年より、本格的に俳優としても活動を開始し、ドラマ&映画「賭ケグルイ」や舞台「鉄コン筋クリート」などに出演。映画「パディントン」では日本語吹き替え声優も務め、2020年に映画「明日、キミのいない世界で」では初のヒロイン役で出演。2020年NHK連続テレビ小説「おちょやん」では実母役に挑戦。今秋に映画「シノノメ色の週末」の公開を控えるなど、今後も多数のドラマや映画の出演を控えており、モデル、タレント、女優として幅広いジャンルで活躍している。

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『鉄コン筋クリート』

10年後も手放さないモノ

漫画『鉄コン筋クリート』

漫画『鉄コン筋クリート』をはじめて読んだのは、小学校低学年の頃です。姉が読んでいて、一緒に読むようになりました。当時は話の筋よりも絵が好きで、アート感覚で見ていた感じです。

主人公は孤児のふたり、クロとシロ。ふたりが地元のやくざたちと喧嘩しながらも自由奔放に、仲良く暮らしていた下町・宝町に、レジャーランド「子どもの城をつくろう」と外国系の闇企業が乗り込んできたことで、街がどんどん変わっていくんです。それをクロとシロが嫌がったことで大きな揉め事へと発展し、殺し合いが繰り広げられることになっていきます。

三戸なつめ さん

同じ作品でも、数年後に読み返すとまた全然違ったりすることってあるじゃないですか、感じ方が。

『鉄コン筋クリート』も上京後、ご縁をいただいて舞台でシロ役をさせていただけることになったときに、改めてじっくりと読み返してみたら、子どもの頃と感じ方が全然違っていて。

『鉄コン筋クリート』マンガ

昔はとにかくシロが大好きで、今も一番好きで共感できるキャラクターなんですけど、大人になるにつれて、主人公以外のキャラクターにも感情移入するようになりました

例えば、ほんのちょっとしか登場しない朱美という女性キャラクターが最後に言う「私は絶対男なんて産まないわ」というセリフがあるんですけど、小さいころはまったく意味が分からなくて。

でも30代になって読み返してみると、朱美がそう言った背景について考えたり、この人の未来はどうなっていくんだろうと想像したりして、自分の着眼点が変化していることに気づかされました。

三戸なつめ さん

また、話の後半にイタチというキャラクターが出てくるんですけど、小さい頃は「イタチはイタチだ。悪者だー!」と思っていたのが、大人になって読み返してみると、目には見えない自分の心の中にいる悪者がイタチだと受け取る私がいて。

だから誰の心にも多分イタチっているんだろうなって思えるようになりました。実際、悪に振り切ったら振り切ったできっと楽なんだろうけど、それは違うよって止めるシロの善があったりもして……。

三戸なつめさん

いまでも、なんか自分の性格が悪くなってると思ったときなどに読み返すと「いま、私はイタチや……」と思うことで、自分の悪いところを受け止められたりします。

同時に一番好きで、そもそもの思考回路が自分に似てるなと感じるシロの子どもっぽさや純粋無垢な言葉に触れることで、「やっぱりこんなふうに自分のなかの正義を大切にして、自分に正直に、ありのままの自分で生きていきたい」という気持ちに戻ることができたりもしますね。

三戸なつめさん

出演した『鉄コン筋クリート』の舞台でも、演じているようで演じていないというか、まわりの俳優さんがみんな私をシロだと思って接してくれるので「何をしてもいい!」みたいな安心感があって。無理に役づくりなどしなくても、自分の中のシロを100%出せた貴重な経験をさせてもらえました。

うまく言葉にはできないけれど、成長していくクロとシロの姿や、その他の登場人物の言葉や立ち居振る舞い、ストーリーを通して、生きていく上で大切なことを「そうだよな、だよな!」と改めて感じさせてくれるのが『鉄コン筋クリート』だから。

10年、20年後もずっと持っていたいなと思います。

写ルンです

写ルンです

いま話してて思ったんですが、これまでずっとそばにあって10年後も持っていたいと思うものが、もう2つありました。

ひとつが「写ルンです」です。

今日は、たまりにたまった「写ルンです」たちを仕事の帰りに現像に出そうと思って、たまたま持ってきていました!

「写ルンです」をみる三戸なつめさん

「期限が2019年のものとかもあって、ちゃんと現像できなかったらどうしよう(笑)」(三戸さん)

「写ルンです」をはじめて使ったのはいつなのかなぁ、覚えていないですね。気づいたら当たり前にあった感じです。

お姉ちゃんと年が離れていることもあって、小さい頃からひとりで遊ぶことが多かったんです。そういうときに「写ルンです」で自撮りをして遊んでいて、現像したらほとんど白飛びしてる、みたいな(笑)。

気づけばずーっと撮っていて、いまでもプライベートで遊びに行くときには持っていくことが多いです。

例えば、地元の一番仲の良い子たちと毎年沖縄に行くんですが、そのときは必ず「写ルンです」を2個持って行って、ちょうど使いきる感じ。キレイすぎるよりも、ちょっとボケてる方が好きで、人物写真が多いかも。

三戸なつめさん撮影 写ルンです データ

三戸なつめさん撮影 写ルンです データ

三戸なつめさん撮影 写ルンです データ

三戸さんが沖縄へ行ったときに「写ルンです」で撮影した写真たち

撮った写真はデータに保存して、ふとしたときに見返しては「あ~やっぱええ写真やな」「このとき、しょうもないことでいっぱい笑ったな~」「楽しかったな~~」と沖縄の思い出に浸っています。

いまでも自撮りしたら、手前の人がパアー!と白飛びしていて、奥の人は真っ黒! みたいなことはしょっちゅうで。室内で撮るのは難しいですね(笑)。

スマートフォンでももちろん撮りますが、「写ルンです」で撮った写真の方がよく見返します。

クマのぬいぐるみ

作・絵を手がけた絵本「ムム」のモデルになったぬいぐるみ撮影:三戸さん

もうひとつが、5歳のときにお母さんが仕事で海外に行ったときにお土産で買ってきてくれたクマのぬいぐるみです。

年季が入っていて、リボンももうボロンボロン(笑)!

話していて思い出したんですけど、私って昔から、あるものがなくなったり変わったりすると悲しくなっちゃうんですよね。

奈良の鴻ノ池にあったレトロな遊園地(ドリームランド)がなくなったときもすごく悲しかったなぁ。あそこの木製コースターがめっちゃ好きで……。あとは、通ってた小学校が改装されたときも結構悲しかった。「めっちゃキレイになっちゃった……」みたいな。

なんだろうな、なんか悲しいんですよね。あったものがなくなるのって。

鉄コン筋クリート

だから『鉄コン筋クリート』で描かれていた、街が変わっていくことを悲しむ登場人物たちにも感情移入しちゃったのかもしれません。

毎日、新しい情報やモノは次から次へと目に入ってくるし、それも嫌いじゃないんですけど、やっぱり安心できるのは昔から当たり前にそばにあるものだったりしますね。安心するし、子どもに帰れるというか、自分の本質みたいなものに帰れる感じがします。

三戸さんの10年後

三戸なつめさん

お仕事をつづけていたいし、役者業やお洋服のプロデュース業など、いまやっていることは継続していたいです。

プライベートでいうと、私、結婚願望があんまりなくて。「ひとりで素敵なおうちに住みたい」みたいな思いがあります。

これまでに3回引っ越してるんですが、3回とも「この部屋、なんか違うな」って(笑)。あんまりおしゃれな部屋にできなくて……。

三戸なつめさん

以前に、シングル女性専用のマンション「One Chair」に住む女性たちの物語が描かれた『わたしの部屋には椅子が一脚』という漫画を読んだのですが、タイトル通り、そのマンションには、自分が座るための椅子を一脚だけ置いた女性たちが暮らしていて。

ソファとか含めて、椅子って部屋に何脚かあることが多いじゃないですか。けど、その女性たちの部屋には一脚の椅子しかなくって。

あ、なんか素敵と思って。

自分のためだけの椅子、いいじゃん! と。

なので、いつかそういう椅子に巡り会って、自分が心から気に入ったお部屋にその椅子を置けたらいいなぁって思ってます。買うことができたら連絡しますね(笑)。

Information
安東雅美役で出演する映画『シノノメ色の週末』2021年秋に公開予定。

ブラウス 9,900円(税込)、ワンピース 19,800円(税込)、パンツ 13,200円(税込)/すべて カロリナ グレイサー 、その他すべてスタイリスト私物

Photographed by Kayoko Yamamoto Hair&Makeup by YOUCA Styled by Natsuki Takano Special thanks to nephew

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大切なのは“遊び心”! 「サロモン」がアスリートからファションピープルまでを夢中にする理由

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スキーやスノーボード、トレイルランニングなど、マウンテンスポーツの分野で圧倒的な存在感を放つ「サロモン」

近年ではファッションブランドやセレクトショップとのコラボレーションを発表し、感度の高いファッションピープルからも注目を集め、街で目にする機会も増えてきました。

山を主戦場としてきた「サロモン」はこの先どこへ向かうのか? ほかのアウトドアスポーツブランドとの違いは何なのか? 「サロモン」のマーケティングマネージャー石田道寛さんに、ブランドの強みとフィロソフィを聞いてきました。

遊び心を忘れないブランド

サロモンのブランドマネージャー石田道寛さん

──サロモンと言うと、昔はスキーやスノーボードのブランドというイメージが強かったですが、最近はトレイルランニングでも存在感が増していますね。まずはブランドの歴史から教えてください。

1947年にフランスの南東部にある湖畔町アネシーで誕生しました。来年で75周年になります。

最初はスキーのエッジやノコギリの研磨工場として創業したのですが、10年後には当時としては革新的なケーブル式のスキービンディングを作って。15年後にはビンディングの生産数が100万台を突破し、世界No.1のスキービンディングメーカーとなりました。

その7年後にスキーのブーツを作り、さらに10年後にスキーの板やスノーボードを作りという感じで成長していきました。ですので、ルーツはスキーですね。

渋谷店の1Fに飾ってあるブランド創設者のジョージズ・サロモン氏の写真

──なるほど、サロモン=雪山のイメージが強いのはそのせいですね。特に40歳前後の読者は同じ感覚だと思います。

1992年がターニングポイントになるんですけど、この年が記録的な暖冬で、クロスカントリースキー用のブーツがたくさん余ってしまったそうです。

そのときに、余ったブーツを見た開発者が「ソールをゴム製に変えたら登山靴になるんじゃないか?」と思いついて、ハイキング用のシューズを試作したんです。

サロモンのハイキングブーツの第1号

サロモン初のハイキングブーツ「アドベンチャーナイン」。

その時に生まれたのが「アドベンチャーナイン」というハイキングブーツ(上の写真)です。

──ずいぶんと大胆な発想ですが、それがきっかけでハイキングやトレイルランニングへの展開を始めたわけですね。

“遊び”がブランドの本質でもあるので、常に遊び心と挑戦心を忘れないように製品を開発しています。それを表しているひとつのエピソードですね。

僕もコロナ禍の前は年に2回ほど本社へ行っていたのですが、会議の中にはアクティビティの時間が必ず含まれているんです。新しい製品を身に着けて走ったり、山登りしたり。遊び感覚なんですけど、かなりエグいところにも連れて行かれて(笑)。

でも、製品を売って終わりではなく、その先にある体験もセットで届けるというところは創業以来、大切にしています。それを体現するためにも、自分たちがフィールドで遊ぶことはとても大切なんです。

サロモンの新作をレンタルで楽しめる

全国のスキー場16ヶ所にあるサロモンステーションでは手ぶらでスキーやスノーボードが楽しめる。しかも、最新のギアをレンタルできるのが魅力です。

──体験もセットといえば、手ぶらでスキー・スノボが楽しめる「サロモンステーション」はいいですよね。取材で一度体験しましたが、手ぶらでスキー場に行って、サロモンの最新のギアをレンタルできるというのは素晴らしいと感じました。

スキー場のレンタル品って古いイメージがあるかと思うんですけど、「サロモンステーション」ではレンタル専用に手入れが行き届いたものから、シーズンの最新作まで幅広くお試しいただけます

あと、去年の10月には高尾山の麓にある「Mt.TAKAO BASE CAMP(高尾ベース)」というカフェバー&ゲストハウス内に「サロモンランニングベース高尾」というトレイルランニングに特化した施設をオープンしました。

そこでは、トレイルランニング用の最新シューズとバックパックがレンタルでお試しいただけ、イベントも不定期で開催しています。

サロモンランニングベース高尾

サロモンランニングベース高尾はトレイルランナーにはうれしい憩いの場としても活用できそう。

──なるほど! 「サロモンステーション」の夏山バージョンですね。気になるシューズを実際に試せるというのはニーズも高そう。反響はいかがでしょうか?

買う前に試せるとあって、すごく評価をいただいています。

上級者の方はニューモデルをすぐに試せますし、初めての方は自分の足にフィットするモデルを見極めることができます。レベルを問わずに多くの方にご利用いただいていますね。

サロモンの施設

皇居の目の前にあるランニングステーション「サロモン ジョグリス」では着替えのみならず、シャワー完備。サロモンの最新のランニングシューズやウエアがレンタルできます。


──近年はロードランニングのシューズにも力を入れていますが、そちらの方は?

今年の春に、皇居ランナー向けのジョグリス」というランニングステーションで「サロモン ジョグリス プロジェクト」をスタートしました

ここでもサロモンの最新モデルのランニングシューズやアパレルのレンタルを行い、手ぶらで皇居ランが楽しめるようになっています。

──モノを作るだけのメーカーが多い中、その先の体験をセットで提案しているのはサロモンの強みですね。

やはりスポーツ用品を手に入れた先にあるコミュニティにもコミットしていくのは大切だと考えていますし、こういった姿勢がサロモンの強みだと思います。

スポーツの未来を作るレーベル「S/LAB」

──強みといえば、モノ作りへのこだわりも相当だと思いますが、「S/LAB(エスラボ)」はいろいろと振り切っていますね。

はい、サロモンのラインナップの中でもっとも革新的なハイパフォーマンスレーベルです。

フランス本社に併設する研究機関「アネシー・デザイン・センター」を拠点に、トップアスリートとのディスカッションやテストを根拠としたアイディアが、今までにない発想力と技術力により製品化されています。

例えば、この靴、何用だと思いますか?

アルパインランニング用のサロモンのシューズ

── なんでしょう? 大雨用のハイキングシューズですかね?

わかりにくいですよね(笑)。

実はこれ、ジッパーを開くと中にトレラン用のシューズが組み込まれていて。アルパインランニングっていう、すごくニッチなスポーツのために開発したシューズなんです。

岩稜帯を走っていくような。

アルパインランニング用のサロモンのシューズ

── 本当ですね。トレランシューズにゲイターがくっついたような、見たこともない形状です。

プロテクションにとにかくこだわった製品で、ボトムの耐久性はもちろん、ハードな地面コンディションから足を守るためにこういった仕様になっています。

ある意味ちょっとユーザーへの挑戦的な商品ですね。こんなアイテムもあるんだぜ! 使いこなせるか? みたいな(笑)。

── いろんな遊び(=アウトドアスポーツ)にもしっかり対応してるんですね。

ほかにも、スイムランといってスカンジナビア半島発祥のスポーツ専用のシューズというのも作っています。

二人一組でやるんですけど、スイムとランを繰り返して、アイランドホッピングしていくという競技。疎水性があって軽くて、山の中でも走れる頑丈なソールを搭載しています。

ソール面が赤いのにも理由があって、泳いでいる時のバティとの距離感を掴むため。スイム中はバディとの距離が決まっているので、視認性が高いことが求められるんです。

── なるほど。マニアック……いや、遊びの幅が広いですね。

「なんかおもしろそう! じゃ、次それ作ってみよう」みたいな雰囲気がありますね。まさに遊び心から生まれた製品です。

でも、スイムラン用とはいえ、川遊びとか沢登り、釣りとかにもぴったりなので、使い方を想像する楽しみも魅力ですね

サロモンのランニング用のシェル

パッと見は、正直どこにでもありそうな何気ないシェルに見えるが……

アパレルも作っていて、これはランニング用のシェルなんですが、ゴアテックスのシェイクドライという極めて高い透湿性と軽量性を実現した素材を使っています

背中にマチが付いているので、ザックを背負ったままでも着られるようになっていたり、暑いときは腰に巻き付けて収納できたりと、ランニング時のパフォーマンスを落とさないためのアイディアが豊富に盛り込まれています。

脱がずとも腰に巻けるというトランスフォーム型のシェル。ランニング中でも足を止めずに脱げるというストレスをキャンセルする逸品だ

── ストイックな商品ですね。確かにこのウエアならタイムロスがだいぶ防げそうです。

「S/LAB」は本当に専門性を持った商品になるので、扱う店舗も絞っています。そのスポーツに精通したスタッフがいて、正しく商品のことを伝えていただける店だけに限定しているんです。

ビジネスのボリュームとしては小さいですが、すごく革新的な商品ばかりで、ある意味スポーツの未来を作るような商品群になります。

ファッションシーンにも席巻する

渋谷店内のサインもアイテム同様にスタイリッシュな印象

── 今回のインタビュー場所である「サロモンストア 東京 渋谷」は、ファション的なシューズが豊富に揃っていますね。

直営店はアウトレットを除くと全国に4店舗あります。各店舗でコンセプトは異なりますが、渋谷店の地下フロアは「URBAN」として2020年からスタートした「スニーカーズ」というコレクションを中心としたラインナップです。

サロモン渋谷店に並べられたのスニーカー

サロモン渋谷店B1Fに並べられた「スニーカーズ」の数々

ブランド本来のパフォーマンス性は維持しつつ、過去作品を現代風にアレンジしたもので、ファッション的にも取り入れやすいコレクションになっています。

── 最近はセレクトショップなどでも扱っているものですね。色使いが今っぽいし、アーバンアウトドアのコーディネイトには取り入れやすそうです。そもそも、ファション的なアプローチのきっかけはなんだったんですか?

サロモンのブランドマネージャー石田道寛さん

2015年にパリの「ブロークン・アーム」という人気セレクトショップからオファーをいただいたのがきっかけです。

たまたまそのお店にサロモンのシューズを履いたお客さんが来たみたいで、「うちでも扱いたい」と本社に連絡がきたんです。その時、ただあるものを扱ってもらうのはおもしろくないということで、機能性はそのままにカラーリングなどをアレンジしたモデルをコラボで作ったのがはじまりですね。

── なるほど、ファッション層へのアプローチはだいぶ前からやられていたんですね。最近だと、コム デ ギャルソンやフミト ガンリュウとのコラボも話題を集めました。

ありがたいことに、コラボレーションのオファーはすごくたくさんいただいています。こういった取り組みが増えることでブランドの認知も高まっていきますし、こだわりのパフォーマンスも感じてもらえます。

これをきっかけに、新しい方たちがマウンテンスポーツに興味を持ってもらえると嬉しいですね。

Photographed by Kaoru Mochida

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老舗アウトドアブランドのカリマーが目指すのは「移動装備の拡張」でした

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登山用バックパックでおなじみの「カリマー」。2020年にブランド初となる直営店を原宿と名古屋にオープンし、街でも着やすいアパレルラインも精力的に展開中です。ROOMIE世代でもおなじみの、おしゃれなアウトドアブランドの筆頭格です。

イギリスで生まれ75年もの歴史を誇る老舗ですが、現在のブランディングの拠点はなんと日本にあるとのこと。ブランドの現在地について、カリマーインターナショナルの松浦 洋さんに直撃してきました。

ブランド名の語源は「carry more」

カリマーインターナショナルの松浦 洋さん

── カリマー=リュックサックという印象が強いですが、まずはブランドの歴史から教えてもらえますか?

イギリスのランカシャー地方というところで、1946年に誕生しました。創始者のチャールズ&メアリー・パーソン夫妻はもともとサイクルバッグの製造を行っていたのですが、ある時、クライマーから登山用のリュックサックの依頼を受けて作り始めたのがブランドの始まりとなります。

── 自転車バッグの堅牢性や機能性が、当時のクライマーの琴線に触れたわけですね。

はい。その後もふたりが製作するリュックサックは評判を呼び、多くの登山家や冒険家たちの要望を取り入れていったそうです。各国の遠征隊などのバックアップ活動も行っていて、そこからのフィードバックは製品開発にも活かされていきました。

ブランド名のkarrimor(カリマー)の語源は「carry more」、もっと運べるという意味です。移動装備の拡張ということをコンセプトにしていて、その軸は現在でも変わっていません。

カリマーを代表する名品リュックサック

── 長い歴史を経ても、もの作りの姿勢やコンセプトは変わらないということですが、特にブランドを象徴するアイテムはありますか?

ridge 30 medium」19,800円(税込)

カリマーのバッグパック

女性からも人気の「ridge」。カリマー生誕70周年の2016年にリニューアルされ、2020年には機能性がさらにアップデートされました。写真のSea GreyのほかにRescue Orange、Limoges Blue、Blackの全4色展開。※サイズ展開によりカラバリは異なります。

定番として人気なのが「ridge(リッジ)」です。今年で22年目になるバックパックで、初心者から上級者まで、幅広い登山家から愛用されているモデルです。

── これは、よく山で見かけるモデルですね。カラーもピンクとかあって、ほかのメーカーでは見かけない色使いが新鮮ですね。

cougar grace 45-60」32,450円(税込)

カリマーのcougar grace 45-60

こちらは女性用。テント泊や長期縦走向けに開発された大容量モデル。

あとはもう少し大型になりますが、cougar(クーガー)というモデル

これにはSA(サイズアジャスト)システムといって、大柄な方から小柄な方まで幅広い方にフィットさせる機能が搭載されています

背面に付いているパッド部分が上下に可動する仕組みで、ここを調整することで小柄な女性から大柄の男性まで、ひとつのバックパックで対応することもできるんです

── つまり、家族でもシェアできるということですか?

はい、背中の長さや体格の制限はあるにせよ可能です。背面のテープを引っ張ることで簡単に(無段階で)調整できるので、実際にそういう使い方をされている人もいますね。あとは大学の山岳部で、先輩から代々受け継がれている話はよく耳にします。

cougarに搭載されたアジャスター機能

背面パッドに装着されたストラップを調節することで、パッド部分が上下する仕組み。背負った状態でも調節できるため、山行中でも微調整が可能。

2019年からは日本がブランディングの拠点に

── 名刺を拝見して気になっていたのですが、会社名がカリマーインターナショナルになっていますね。確か、以前はカリマージャパンだったと思うのですが。

そうなんです、2019年からカリマーインターナショナルに変わりまして、その年から日本がグローバルでの拠点となりました。

カリマーインターナショナルの松浦 洋さん

── え!? ということは、商品の企画やブランディングをすべて日本主導で行っているということですか?

はい。でも、コロナ禍もあって、まだ各国との連携がしっかりとれていないので、いまはできることを少しずつ整えていっている状況です。

本国イギリスのカリマーでは、価格競争のあおりもあって、低価格帯の商品が中心になっているんです。ブランドとしては、品質や価格を揃えるべきという考えがあり、もの作りの設計やクオリティが往年のカリマーに近い日本が主導しようという流れになったんです。

── なるほど。現状は日本で買えるカリマーが、創業時のフィロソフィーを一番受け継いでいるというわけですね。

もともとヨーロッパで作られた製品は日本人の体型に合わないというところから、日本独自で商品企画を行っていました。

日本では本国のデザイナーから引き継いだ設計でいまも作り続けているので、日本企画のものが往年のカリマーにもっとも近い設計になっているんです。

また、縫製ひとつとっても、日本で作られたものは検査基準も他国より厳しいので、しっかりしています。一部、日本企画のものをグローバル展開しているのですが、そういった取り組みも日本=高品質というブランディングの現れですね。

カリマーインターナショナルの松浦 洋さん

── 2019年以降はタウンユース向けのラインナップをレーベルとして明文化し、ファッション的なアプローチも精力的にやっていますよね。

昔からカリマーは、長年愛用されている高年代のユーザーが多かったのと、リュックサックのブランドというイメージが強かったんです。

2019年からファッション性を持たせたタウン向けのアパレルを精力的に展開したことで、若年層やアウトドアに興味がない人たちからも認知してもらえるようになりました。

あとは、コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マンからお声がけいただいたコラボレーション企画も、新たな顧客接点を作るきっかけになりました。

── 現在、商品は「ネイチャースタイル」と「ライフスタイル」のレーベルで展開されていますが、それぞれどういったラインナップなのでしょうか?

根底にあるのは、ブランドのアイデンティティでもある移動装備の拡張です。この概念を、「ネイチャースタイル」と「ライフスタイル」に大別して展開しています。

「ネイチャースタイル」は、本格的なアルパインからトレッキングやハイキングを中心に対応する、冒険・探求のためのプロダクト。

「ライフスタイル」は、トラベルやキャンプ、ビジネスなど、暮らしを豊かにするカジュアルラインになっています。

カリマー流のサステナブル

カリマーインターナショナルの松浦 洋さん

── 話は変わりますが、ブランドとしてSDGsな取り組みがあれば教えて下さい。

もの作りで言えば、アパレル素材を中心に環境に配慮した素材を採用することで、少しずつ取り組みをはじめています。

今季のモデルですと、リサイクルダウンや植物由来の原料を使った素材sorona(ソロナ)を使っています。

wander storage coat」¥25,300(税込)

カリマーの

sorona素材を使った新作アウターは一般的なルックスに見えますが……

A4サイズにパッカブルになるだけではなく、バッグとして機能します。

あとはサステナブルという言葉ができる前から、アフターサポートとして修理を受け付けています。特にリュックサックに関しては長く使ってくださるユーザーさんが多いので。

trail down parka」¥35,200(税込)

カリマーのダウンジャケット

リサイクル素材にはっ水加工を施したストレッチダウンパーカー。パッカブル仕様のため持ち運びもしやすい。

── 長く使ってもらうのが一番!という発想ですね。

そうですね。過去には「山とともに」というキャンペーンにて、先に紹介したridgeを購入いただいた方に、先着順で修理無料券というのを付けていました。

その修理券の有効期限は2024年9月30日までで、有効期限内であればカリマーのどのリュックサックでも1枚に付き1回無償修理が可能なんです。(修理可否はコンディションにより判断)

カリマーインターナショナルの松浦 洋さん

── ユーザーに寄り添ったよい企画ですね。壊れたから買い替えるのではなく、壊れたら直すという考え方がサステナブルですね。

ブランドとしては、本当にブランドを愛してくれるユーザーさんと、もっと密にコミュニケーションをとっていきたいんです。それを目的に、昨年原宿に直営店をオープンしたのですが、その途端に緊急事態宣言が発令されてしまって……。

店頭でのイベントとか、状況が落ち着いたらいろいろと企画していきますので、楽しみにしていてください。

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サイクリストが住みやすいように作られた賃貸マンション「ルブリカント」に潜入してみたら、部屋選びの新しい未来が見えてきました

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通勤やUberのためにと注目する人も増え、ニーズが急増しているスポーツサイクル。ROOMIEでも「みんなの自転車」の連載企画が始まり、編集部内の自転車に対する感度も日に日に増しています。

そんな中、都内に「サイクリスト(自転車乗り)にフォーカスした賃貸マンション」があるとの話を耳にしたROOMIE編集部。

それは聞き捨てならぬと、各々が自転車乗りでもあるスタッフ陣で取材へ伺うことになりました。

まるでサイクルショップのような佇まい

東西線、南砂町駅から徒歩15分ほど。葛西橋通り沿いに面した場所に位置する賃貸マンション「LUBRICANT(ルブリカント)

まず目を引くのは、まるでサイクルショップのような見た目の入り口。

誰でも自由に使える空気入れが置いてあるだけでなく、左右の大きなガラスディスプレイには、高級そうなピカピカのロードバイクが展示されています。

その佇まいに、「本当にここはマンションなのか……?」と面を食らっていると、本日のナビゲーターでもある長谷工不動産コンセプト開発部チーフの谷野さんが、我々を中へと招き入れてくれました。

谷野さん、本日はよろしくお願いします!

ルブリカントが一体どのような賃貸物件なのか、案内していただきましょう。

サイクリストたちが集まる空間に

さて、考えてみると、住む家を選ぶ条件は本当に人それぞれ。

駅近がいい人もいれば、コンビニの近さは譲れない人、お風呂とトイレは絶対に別、憧れた街に住めるならなんでもいいなど、ROOMIEに携わるなかで耳にしてきたこだわりは、まさに千差万別です。

それで言えば、このルブリカントは“自転車をもっと深く広く楽しめるようになりたい”という条件に応えるためのマンションになるでしょうか。

口でお話するよりも、まずはいろいろと見てもらった方が早いと思います。

そう話す谷野さんに導かれて取材陣が足を踏み入れたのは、1階の共有スペース。ここに入った瞬間、壁に並べられた約50種類ものメンテナンスツールに目を奪われました。

プロショップに置いてあるようなホイールのメンテナンスツールも設置されています。

ここは、入居者された方の共有メンテナンススペースになっています。この壁に揃ったツールは全て自由に使っていただいてOKなんですよ。

自転車を自分でメンテナンスしようとすると、これらのツールは全てでなくても購入する必要が出てきますが、ここに入居してくれるならそこの初期費用を抑えることができます。

そう、私も乗り始めてから気づいたのですが、スポーツサイクルと呼ばれる自転車は購入した後のメンテナンスが必須なんですよね。

周りに上級者がいない場合、用意するツールの選別や必要な知識を得ることに四苦八苦してしまうことも多いので、このサービスは大変ありがたく感じます。

でも、道具が揃っていたとしても自分で整備することが難しい初心者もいますよね。その場合は結局お店に持ち込まなければいけないのでしょうか?

ルブリカントには提携するサイクルショップのコンシェルジュがついているんです。そのコンシェルジュが所属するショップかSNSに『修理希望』の連絡を直接してもらえれば、別途工賃はかかりますが、ここにいたままメンテナンスを受けられます。

部品の交換が必要な場合はお店に自転車を一度持ち帰ってから交換した後、マンションに月2回まで無料で配送してくれるサービスもあるので、初心者の方でも安心していただけると思いますよ。

なんと、自分の手でいじりたい上級者とメンテナンスはプロに任せたい初心者、どちらも満足できる設備とサービスが揃っているとは……。

提供:長谷工不動産

建物裏のスペースに出てみると、自転車の洗車スペースが。水道の奥には車体が倒れないよう保持するフックも備えつけられています。賃貸で自転車を水洗いするのって難しいんですよね……。

まだまだ入り口ですが、サイクリストファーストな環境であることがひしひしと伝わってきます。

トレーニングも存分に!

そんなメンテナンスブースの背後には、最近人気の「Zwift(ズイフト)」をプレイできるトレーニングセットが3台分ズラリ

ズイフトとは、サイクルトレーニングとビデオゲームが融合した今話題のアプリケーションのこと。モニターを見ながら後輪を専用のマシンに取りつけた自転車をペダリングすることで、バーチャル空間をサイクリングするような感覚でワークアウトを楽しむことができます。

せっかくなので体験させてもらうことに。

オンラインで世界中のサイクリストたちと繋がれるこのセットも、もちろん24時間無料で使用可能。

どうしても賃貸住宅だとローラーの回転音や振動を気にして躊躇しがちですが、ここなら気兼ねすることなく存分にプレイできるってわけですね。

2階に上がってみると

階段を登って、2階のコミュニティラウンジスペースへ。

1階のメンテナンス&トレーニングスペースと違い、シェアハウスのリビングのような、大きなモニターとソファが置かれたくつろげる空間です。

入居者の方達の憩いの場となっているこのスペース。コロナ前は、自転車のプロアスリートによる世界最大のロードレース「ツール・ド・フランス」の解説つき視聴会なども行われていたのだとか!

飾られているのは入居者に配られるルブリカントオリジナルのサイクルウェア

一般的なマンションの場合、共有スペースの有効活用ってどうしても難しいことが多いんです。でも自転車という共通の趣味を楽しむ方々が集うなら話は別だと思っていて。

いまは人が集まりにくい時期ですが、いずれはまたここで自転車の情報共有や雑談、メンテナンスやトレーニングの相談など、入居者の方たちが自然とコミュニケーションを取れるようになってくれたらと思います。

以前は、実際に外部のサイクルコミュニティを巻き込んださまざまな交流イベントをここで開催したり、メーカーのメンテナンスセミナーや試乗会などが開かれたりと、自転車好きからはどんどん認知される場所になってきているそうです。

ラウンジのお手洗いにはチェーンをモチーフにしたロゴが。

住む人目線でマンションの魅力を体験

共有スペースの充実ぶりを確認したところで、次は住まいとしての魅力を探るために、改めてマンション本来のエントランスからお邪魔してみます。

セキュリティドアの前では、自転車のチェーンとオイルのデザインが盛り込まれたルブリカントのロゴと、イベント時に使用するサイクルラックがお出迎え。

しかし、自転車のチェーンをモチーフにしたであろうロゴが随所で見られますが、これにはどういった意味が込められているんでしょうか?

建物名である「ルブリカント」は潤滑油という意味なんですが、それが関係しています。

自転車を前に進ませるチェーンとそれをスムーズにする潤滑油のように、ここがサイクリストコミュニティの助けになればと思ってロゴのモチーフに選びました。

よく見ると、LUBRICANTの「T」で、オイルの液だれを再現しているんです(笑)。

ドアを抜けた先にある突き当りの壁には、建物近辺のサイクルスポットや評判のパン屋さんなどが記されたサイクルマップが描かれていました。

個人的にサイクリングの締めには欠かせないと思っている、銭湯の位置もバッチリ押さえてある!

こうした細かいポイントも、住んでいてワクワクできる大切な要素のひとつ。細かいところまでサイクリストを意識していることが伝わってきますね。

マンション1F(全体)の間取り図 提供:長谷工不動産

とにかくサイクリストファーストな設計

見学させてもらうモデルルームにはエレベーターで移動することになりますが、ここでも驚きが。

自転車をそのまま搭載できるように、一般的なワンルームマンションのエレベーターではありえないほど奥行のあるつくりになっています。

まさか、自転車とそのまま一緒に乗れるなんて!

愛車を担いで階段を上った経験がある人なら、この感動はひとしおでしょう。

廊下も広く、建物内でもストレスなく自転車を運ぶことができるため、あっという間に見学用のモデルルームへ到着しましたよ。

気を使わない玄関~リビングへの移動

それでは自転車と一緒にモデルルームにお邪魔してみます。

部屋のドアが通常より大きめにできているので、後輪をあまり意識せずとも入室できました。

土間風にデザインされた塩ビシートの床材のおかげで雰囲気もばっちり

ドアを開けると、玄関からリビングまでが一直線。段差もないので自転車をスムーズに室内へと運び込むことが可能。

室内には、運び込んだ愛車を掛けるためのミノウラ製サイクルスタンドがデフォルトで設置されています。このスタンドはルブリカントによる特注モデルで、白色に塗られたポールとオリジナルステッカーは他では見られないデザインなのだとか。

壁材には、食器などにも使われている汚れにくいホーロー素材を使っています。マグネットもつくようになっているので、ヘルメットやウェアを掛けておくのもかんたんですよ。

自転車と一緒にくつろぐ部屋

提供:長谷工不動産

間取り自体は約25㎡のワンルームですが、南向きの大きな窓のおかげで開放感があり、あまり狭さは感じません。

このソファに座って自分の愛車をじっくり眺められるなら、晩酌も進みそう。明日洗車してあげようかな、なんて毎晩ニヤニヤしてしまいそうだ……。

収納もついていて、洗面台や、お風呂は普通のワンルームマンションと変わらないつくりになっているのが確認できます。

そして気になる家賃は※9万円台からの設定。広さだけ見れば家賃相場は少し高めですが、それと引き換えに提出されるメリットは、自転車好きにとってたまらないものになるでしょう。

※詳しくはルブリカントHPの空室情報のページをご覧ください。

もちろん出て良く時も超スムーズ!

選べる部屋の内装タイプ

ミラータイプに作られた隣のモデルルームも見せてもらうと、こちらは雰囲気もガラリと変わって、デザイナーズのような内装。

ヘリンボーン模様の床とインダストリアルな壁の組み合わせが、どこかリノベーションされた部屋のような雰囲気を醸しています。

こっちの部屋にはピストバイクやクラシックなフレームの自転車が似合いそう、なんて想像も膨らんできますね。

入居時に空きがあれば、内見をしたうえで部屋タイプを選べるそうなので、実際に見て比べるのがオススメ。

スカイツリーと東京湾に囲まれて

気軽に外へ出られる機会が少なくなっている昨今、ルブリカントでは屋上スペースを開放中とのことで、案内してもらいました。

ここはテレワークのお昼休みにランチを食べに来る入居者さんもいるとのこと。

スカイツリーと東京湾に囲まれた贅沢な眺めで、東京の下町から葛西臨海公園の方まで一望できます。入り口のマップにもあった荒川サイクリングロードもすぐ目の前。

ここから見える街を自分の自転車で縫うように探索できたら、さぞ爽快でしょうね。

川と海がつながる河口近く、楽しそうなお店も探せばたくさんありそうな江東区・江戸川区エリア。自転車を移動手段とする人にとってはなによりの好立地であることが、景色を見ていると伝わってきます。

「新型コロナで軒並み中止ですが、普段は葛西臨海公園の観覧車の夜景やディズニーランドの花火が見えますよ」と、谷野さん。うん、それって考えただけでも贅沢!

立地と自転車人気をキッカケに

取材が終わりにさしかかったころ、どうしても気になったルブリカントが誕生した経緯を聞いてみました。

実は、もともと普通のワンルームマンションを作る予定でこの土地を購入したのですが、一般的なマンションが近隣にも数多くある中で、ちょっと特徴のある物件を建てられないか、といった意見が会社で出たことがきっかけです。

そこで、この立地が持っている利点ってなんだろうと考えたときに、サイクリングスポットである荒川が近くて、ちょうど自転車通勤が浸透してきた時期だったこともあり、じゃあサイクリストに向けた物件にしてみようと決まりました。

なるほど、先ほど屋上で見せてもらったこの立地が、サイクリスト向けの物件が生まれる大きな理由のひとつだったんですね。

サイクリスト向けのマンションと言うからにはつくりだけではおもしろくないので、部屋だけでなく共有スペースなどにもきちんと意味を持たせたかったんです。そこに興味づけをして、本当の意味でサイクリストの方達が楽しめる空間を作るために、自転車業界の方々と協業、オープンイノベーションして今のようなかたちができました

共有スペースを起点に、まず入居者の方々が混ざり、我々不動産会社も混ざり、自転車メーカーさんもそこに混ざる。そんな風に関わりをどんどん広げて行けたらいいよね、といった発想です。

確かにルブリカントに住んでいるだけで、自転車の魅力、知識、技術がどんどん吸収できる環境ができあがっていきますね。

不動産会社と入居者が直接繋がるための広告活動

普通の賃貸マンションだと、オーナー側の我々は、物件を建ててしまった後は何もすることがないんです。

あとは街の仲介不動産にお願いして入居者の方を呼んでもらう、というのがごく一般的な流れなのですが、ルブリカントではそうはいきません。

この物件を見に来る方全員が自転車に興味を持っているわけではありませんし、案内する仲介不動産の担当者に自転車の知識がない場合、この物件の利点が伝わらないこともあります。

自転車乗りからしたら理想のマンションが、それを抜きにした単純な賃料や立地、広さで判断されてしまうこともあるわけですね。それはあまり幸せになる人のいないマッチングだと感じます。

そうなんです! なので、作り手である我々が直接イベントを開いたり、告知活動を行ったりして、そこで興味を持ってくれたサイクリストの方達に、物件の魅力を知ってもらうためのダイレクトな宣伝活動をする必要があったんです

その分かなりの手間はかかりますが、イベントを行えば確実な反響を感じられるだけでなく、趣味を通してどんどんコミュニティは広がっていくし、会社の宣伝にもなるので、いろいろ役に立つことは多いんですよ。

でも、なによりルブリカントの存在がサイクリストの方達に伝わっていくのが嬉しいんですよね。

趣味を通して理想の物件にたどり着く。言われてみればとてもシンプルな考えですが、これが今までになかった不動産紹介の仕方であり、探し方でもある。

そういえば、自分が住んでいる家をどんな会社が作ったかなんて、知ろうとしたことすら無かったかもしれません。

住む+α。ライフスタイルに寄り添った物件を目指して

最後にこれだけは、と谷野さん。

ここまでのお話だと、すでに自転車を楽しんでいる方向けだと思われてしまうかもしれませんが、これから始めたいと思っている方も大歓迎です。それをサポートできるのもルブリカントの強みですから。

内見の時にお話しできれば、初めは自転車をお貸しすることもできますし、自分にあった自転車選びの相談にも乗れますよ。

正直に言うなら、同じ広さのワンルームマンションより家賃相場は高めに感じましたが、その分得られる自転車の知識や築かれるコミュニティの魅力、利便性、独自の体験が間違いなくあると、谷野さんのお話を通して伝わってきました。

普通の賃貸マンションだと隣の部屋に住んでいる人と会話もしたことがない、なんてことも往々にしてありますが、共通の趣味という一本の軸が入ることで、そこに強い繋がりが生まれていくこともある。

家にいる時間が増えてきた分、自宅を拠点に趣味を全開で楽しめる暮らしがしたい! と考える人は増えていくはずです。ルブリカントはそんなニーズを住むことで叶えてくれる新しい賃貸住宅のかたちなのだと思います。

これからの物件選びの新しい可能性を感じる、なんとも新鮮な取材になりました。

LUBRICANT(ルブリカント)公式サイト
長谷工不動産 LIVWIZ

Photographed by Yo Noguchi

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時代の流れを読んで、信頼を積み上げる。実直なものづくりを続けるアンカー・ジャパンの未来

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この数年間で、私たちのライフスタイルはずいぶん変わりました。

どこにいても音楽を楽しめることはもちろん、オフィス以外で働くことや新作映画を自宅で見ることが当たり前に。パンデミックがきっかけのひとつではありますが、多様な「新しいライフスタイル」が馴染んでいくのはステキなことのように感じます。

そんな暮らしに欠かせないのが、モバイルバッテリーやワイヤレスイヤホン、カンファレンススピーカーといったスマートデバイス周辺機器です。

今回、お話を伺ったのはアンカー・ジャパン株式会社の代表取締役CEO・猿渡 歩(えんど あゆむ)さん

モバイルバッテリーのイメージが強い「Anker」の他にもオーディオブランド「Soundcore(サウンドコア)」、スマートホームブランド「Eufy(ユーフィ)」、スマートプロジェクターブランド「Nebula(ネビュラ)」の計4ブランドを世界100カ国以上で展開。

世界中の人から求められる「ものづくり」や、アンカー・ジャパンとしての今後の展開について伺いました。

ハードウェアで人々の生活をエンパワメントする

アンカー・ジャパン株式会社の代表取締役CEO・猿渡歩さん

――まず、Ankerグループのコーポレートミッションにある「Empowering Smarter Lives」についてお聞かせください。

ハードウェアで人々をスマートにしたい。もっと言うと「アンカーの製品を使って、生活が良くなった」と実感してもらえると嬉しいです。

例えば、スマート掃除機を使っていただければその時間に違うことができるし、家庭用のプロジェクターで100インチの映像を見るのも、これまでにない体験になると思います。

これからも、そういった新しい体験ができるハードウェアを生活の中に届けたいと思っています。

この考え方は、AnkerグループがチャージングブランドのAnkerを始めた頃から変わっていないのだそう。

――グローバル企業であって、チームが同じ目標を目指して行動するのは、簡単ではないと思います。このミッションを達成するために大切にしていることはありますか?

このミッションをもっと分かりやすく言うと“売り上げを伸ばすこと”だと思っています。売り上げを伸ばすということは“Ankerグループの製品を届けられる人を増やすこと”につながります。

コーポレートミッションで人々をエンパワメントしたいと言っているのに、肝心の製品が皆さんの手元に届いていないのであれば、それは自己満足でしかないんですよね。

――「売り上げを伸ばす」とだけ聞くと直接的だと感じますが、そう言われると分かりやすいです。

それに、まだ我々のプロダクトがマジョリティ層に届いているとは言えません。

もっと届けられる分母を増やしたい。みなさんの持ち物の中に我々の製品を増やして、その結果、多くの人の生活を豊かにしたいというのが、チームの共通認識です。

アンカー・ジャパンのエントランス

エントランスに刻印している企業理念。壁と同色でさり気なくも目に入る。

――アンカー・ジャパンの設立は2013年、猿渡さんがアンカー・ジャパンに入社したのが2014年とのことですが、当時の日本市場について伺えますか?

2013年から2014年ごろは、Ankerにとって追い風が吹いていたと思います。スマートフォンが普及して、その周辺機器を求める人が増えていた時期。

さらにECプラットフォームでの買い物も多くの人に受け入れられてきていたので、我々にはありがたかったですね。

――いまでは高額な商品であっても、ECで買うのが当たり前になっていますよね。

そうですね。実際の製品を手にとって確認せずに、製品の情報やレビューだけを見てAmazonで買い物をすることも今では当たり前のことです。でも、それは今だから言えることで、ほんの数年前までは手に取れる場所で買うのが主流でした。

もともとは本を売るサービスだったAmazonで2010年ごろから、ハードウェアやそれ以外の商材を売るようになっていった。それからEC化の流れがものすごく早く進んでいって、アンカー・ジャパンの創立は、とてもタイミングが良かったと思います。

ただの「充電器」から「Ankerの充電器」に

アンカー・ジャパンのエントランスにある製品の数々

エントランスにあるショーケースにはAnkerグループのアイコニックな製品が並んでいる。

――2013年から2020年では2,200%の成長、2020年は前年対比で60%の成長でした。成長を実感するような出来事はあったんでしょうか?

売上は明確に上がっていって、2020年には200億を超えました。そして、さらに今後数年では400億、500億という額が目標に入ってきています。

――コロナ禍で量販店が開いていないというのもあり、消費者目線でも、ECでの買い物はかなり浸透したと感じます。

そうですね、外出が難しいタイミングを経てECで買い物をすることに抵抗がなくなった方が多いと思います。

でも、それだけじゃないと思っています。高額な製品を買っていただけるのは、我々Ankerグループに対する信頼が醸成された証でもあるかなと。

一度買ってみて、製品が良くなく、更にサポートまで悪ければ二度目はおそらくありません。良いプロダクトを作って期待に応えてきたからこそ、売り上げが伸びているんです。

実際に、「あのタイミングから何かが変わった」というような明確なブレイクスルーというのはあまり体感していません。

個人的な話をすると、名刺交換をするときに自分から「バッテリーの会社です」と名乗っていたのが、先方から「Ankerの充電器を使っていますよ」と声をかけられるようになったことでしょうか。

――「Ankerのバッテリー」が認知されたということですよね。実際に私も「Ankerの充電器が使いやすいよ」と勧められたことがあります。

そう言っていただけることが増えました。いわゆる「指名買い」ですよね。モバイルバッテリーってごく一般的なアイテムだから、そんなにブランドにこだわるような物じゃなかったはずなんです。

でも今は、「モバイルバッテリー アンカー」と検索をかけてもらえる。それに、昔はただ「充電器」や「バッテリー」と呼ばれていたのに、「Ankerの充電器」と言ってくれる人が増えました

ブランドの認知度が上がっているのは感じますね。

ブランドに対して、一種の愛着のような親しみやすさを感じることは誰にでもあると思います。製品をよく見かけるようになったり、使ったりするうちに、お気に入りになる。

Ankerグループではそんな消費者からの信頼を大事にし、さらにたくさんのお客様に認知していただくために、オーディオブランド「Soundcore」や、スマートホームブランド「Eufy」、スマートプロジェクターブランド「Nebula」でも「by Anker」のマークをロゴに含めているのだとか。

アンカー・ジャパンの猿渡歩社長

――最近ではSoundcoreのイヤホンをつけている人も、よく見かけます。

イヤホンをつけている人は、私もよく見かけるのでとても励みになります。完全ワイヤレスイヤホンの人気製品「Soundcore Liberty Air 2 Pro」はAmazon売れ筋ランキングの【イヤホン・ヘッドホンカテゴリ】で1位(※2021年1月20日16時時点)になったのも嬉しかったですね。

――先ほどからお話に出ていたように、AmazonでAnkerのバッテリーを見たことがあるという人も多いと思います。たくさんの商品の中で、頭ひとつ飛び抜けた、その経緯などを聞かせていただけますか。

ウルトラCみたいな事はやっていないんですよ。お客様のためにニーズに応えられるプロダクトを作り、真摯に積み上げてきただけなんです。

ビジネス的な側面として、すごく数字を意識している部分はあります。ECは1時間ごとに検索上位が変わる世界。そのマーケットシェアにはとてもこだわっていて、必ず見つけてもらえるようにトップ3に入れるように目指しています。

常に1位を目指さないと、ブランド認知をしてもらうことも難しいと考えています。

――ECには、店舗ではあり得ないようなスピード感があるんですね。1位を目指すために競合の研究もされているんですか?

基本的に競合製品は買って試していますし、スペックに対しての価格検証もします。正直、Ankerの製品は今は最安値ではないです。

品質や安全性を求める製品開発に投資しているし、その結果として性能も上がってきている。最安値でなくても選んでいただけるのは、お客様の声を真摯に受け止め反映したより良いプロダクトを作り続けているからだと思います。

災害の備えにも欠かせないモバイルバッテリー

Ankerのスピーカー「PowerConf」

テレワークにもぴったりなサイズ感。音質もクオリティが高い。Anker「PowerConf」12,900円(税込)

――では、ここ数年のコロナ禍を経験して、変わったことはありましたか?

実は、最初の緊急事態宣言とほぼ同時に、会議用Bluetoothスピーカーを発売していたんです。

Anker PowerConf」は業務用ではなく、個人で使えるサイズ。発売は偶然のタイミングではあったんですが、手に取りやすい価格をはじめ、在宅ワークのニーズにぴったりでした。周辺機器のUSBハブや急速充電器など、家にワークスペースを作るために必要な製品も伸びました。

Ankerの「PowerLine III Flow USB-C & USB-Cケーブル」

ケーブル=絡むという誰もが経験したことがあるであろうストレスをなくしてくれるケーブル。Anker「PowerLine III Flow USB-C & USB-Cケーブル」(0.9m)1,790円(税込)

――これまで在宅で仕事をする習慣のなかった人は、いちからデスク周りを整えないといけませんもんね。

ケーブルホルダーなど、周辺機器のさらにその周辺機器というような製品も注目をされました。

――日本の大企業やファッションブランドなどとコラボレーションをされているのも印象的です。コラボの事例やベネフィットを教えてください。

2015年にKDDIさんのauショップで充電器などを販売している「au+1 collection」に採用いただけたのは、とても大きかったです。製品への厳しい基準をクリアして、auショップにずらりと製品を並べていただきました。

当時は事業部門に私1人しかいなかったので大変でしたが、外資系企業であっても認められているという信頼につながったと思います。

KDDIさんの厳しい安全基準をクリアする製品を作るために本社に掛け合ったりと簡単なことではなかったですが、それをやり遂げたことがお客さまからアンカー・ジャパンへの信頼につながっていると思います。

――auショップなどのキャリアショップで扱っている商品なら安心だという気持ちは、私も分かります。キャラクターやアイドルなど、自分の親しみ深いものとコラボをしていると、その商品自体にも親近感を覚えるようになったり……。

それが、コラボレーションをする場合の一番大きなベネフィットですね。キャラクターやアイドルなどは普段我々だけではリーチしきれないファンの方に製品を知っていただける。Ankerのコアユーザーである20代から50代の男性以外にも届きます。

毎回ファンの方からのリアクションが大きいので、喜んでいただけているなら嬉しいです。

アンカー・ジャパンの猿渡社長

――2019年からは川崎フロンターレとのパートナーシップを締結していますよね。

プロダクトへの信頼を得るのはもちろん大事ですが、アンカー・ジャパン自体への信頼度や認知度をあげたかったというのがありますね。

また我々の強みとしては、単にスポンサーだけでなく、実際に製品を使っていただけるという強みがあります。

自治体との防災協定などの連携も強めています。陸前高田市や熊本県合志市においては、フロンターレ経由でご縁をいただき、「災害時における物資供給に関する協定」を締結し、充電器を中心に災害時の備えとして、サポートできればと思います。

実際に川崎フロンターレの選手が海外遠征をしたときには、隔離期間に楽しめるようにプロジェクターを渡して使ってもらったのだそう。

そして、充電器やバッテリーなどのアイテムは災害時にも欠かせないもの。自治体との防災協定は今度も行っていく予定だ。

アンカー・ジャパン吉野さん

インタビューに同席いただいたマーケティング本部の吉野優希さんによれば、「川崎フロンターレの選手が海外遠征をしたときには、海外への入国・日本への帰国時の隔離期間に楽しめるようにプロジェクターなどの製品をお渡ししているんです」とのこと。

選手たちが使っているAnkerグループの製品が気になる、というサポーターも増えそうです。

もっと広くプロダクトを届けたい。成長のジレンマとは

アンカー・ジャパンでは来客時にスリッパでお出迎えする

アンカー・ジャパンの社内では社員、来客にかかわらず、全員が靴を脱いでスリッパなどを履いて仕事をしているという。私たちも取材時にはスリッパで臨んだが、おうちに帰ってきたような感覚でリラックスしてお話を伺えた貴重な経験でした。

――多くの競合メーカーがあるものの、業界を引っ張るメーカーだと感じています。その中において、企業としてジレンマなどはありますか?

中国で上場している企業とはいえ、スタートアップとしてスピーディーに製品開発や新しい取り組みをしていきたいと考えています。製品開発の際は、お客様のレビューはすごくよく見ていて、それを参考にプロダクトを素早く直せるのは良いところだと思っています。

あとは成長のジレンマというか、これからはお客様とのコミュニケーションに工夫が必要ですね。

これまではイノベーター、アーリーアダプターと呼ばれる方に見つけていただいて、ガジェット好きのコアな方にファンになっていただけたと感じています。

でもこれからはもっと幅広い層でのお客様に知っていただかないといけない。そうなった時にも、しっかりとした製品作りを続けて、元のファンの方達にもついてきていただきたいと思っています。

アンカー・ジャパンのマーケティング担当吉野さん

猿渡さんの言葉を受けて、吉野さんも続けます。

そうなった時にも、しっかりとした製品を作りを続けて、元のファンの方達にもついてきていただきたいですね。

早い段階で見つけてくださって、ファンになっていただけたからこそアンカー・ジャパンが成長できたことを忘れてはいけないと思っています。

――ガジェット好きから支持される硬派なブランドとしてのイメージがあります。

それは嬉しいです。でも、カフェに行って「Ankerって知ってますか?」って聞いても、まだ半分も知らないんじゃないかな……。

まだまだポテンシャルはあると感じているので、もっとブランドを認知してもらいたいです。信頼のないブランドから、高価な製品を買わないじゃないですか。

iPhoneは、あんなに高額なのにみんなが持っている。それはブランドへの信頼感があるからですよね。Apple Watchがあれば、電車にもタクシーにも乗れるという圧倒的な便利さがある。そういうことをAnkerでもやっていきたいです。

アンカー・ジャパンの猿渡社長

さらに続けて、ハードウェアは非常に信頼が大事という。

購入前もそうですけど、購入後もサポートがちゃんとしてるのかどうか。スピーカーやプロジェクターとなると、単価も高いですしね。

とにかく信頼をひとつずつ積み上げていくしかないです。

自分より優秀な人と一緒に働きたい

アンカー・ジャパンの猿渡社長

――アンカー・ジャパンとして日本市場を見たときに、アメリカなどのグローバルと比べて、違いはありますか?

前提として、日本人は製品やサービスに対する目が厳しく、高い期待値を持っています。

これは有名な話ですが、日本人に支持される物を作るとグローバルに売れると言われている。日本のお客様はサービスに対して高い期待値を持っているので、そこをクリアできさえすれば、グローバルでどこに持って行っても売れると言われています。

あと、日本人は小さい物が好きかなと思います。「Anker Nano II」という、Ankerの独自技術を搭載した超小型の急速充電器があるんですが、グローバルの中でも日本での売れ行きが一番良いです。

逆に、アメリカにはピカピカ光るパーティスピーカーというプロダクトがありますが、日本ではなかなか売れませんね。(笑)

AnkerのNano II 45W

Nano IIシリーズ(通称「GaN II」)は人気商品のひとつ。スマホからノートPCまでこれひとつで充電できるというすぐれもの。「Anker Nano II 45W」3,390円(税込)

――「GaN ll」搭載の充電器、私も使っています! 電車移動が多いので、小さい製品が好きというのも当てはまりますね。では、ずばりアンカー・ジャパンの強みは?

アンカー・ジャパンは、人が強みですね。いま、正社員がやっと100人を越えたくらいなので。生産性の高い組織です。それが強みですね。

自分で言うのもおかしいんですけど、採用通過率は正直高くありません。ですが、その裏返しとして本当に優秀な人が揃っていると思います。

だからこそ、せっかく入社してくれた社員が働きやすい環境の整備にとても気を配っているし、事業戦略と同じくらい組織戦略も大切にしています。

ただ、どうやって売り上げを伸ばすか、利益を作るかということを、ゼロベースで考えてスピード感を持って取り組める人ってなかなかいない。さらに、精緻な判断ができる人材というと限られます。

――企業として大事にしている考え方などはありますか?

全体最適を考えられるかどうかです。人数が増えて部門が増えると、一方にとって良いことが他方にとってはそうではないという利益相反が起きることもあります。

それを原点に立ち戻って、個人よりも部門、部門よりもアンカー・ジャパン全体のためにはどうしたら良いのか、それを考えられることが大事だと思います。そのためのインセンティブや仕組みにも力を入れています。

アンカー・ジャパン猿渡社長

――最後に、今後のアンカー・ジャパンについてお聞かせください。

実は3年後にどうなっているかというのはわからない部分が大きいです。私たち自身、創業当時はロボット掃除機を売るようになるなんて思っていなかったですから。

Amazonでモバイルバッテリーを売る会社だったのに、直営店を展開したり、コンビニにまで販路が広がって、取り扱う製品も掃除機やプロジェクターまで広がって。もちろん、時代の流れにも影響されています。

だからこそ、しっかりと時代の流れに沿って、お客さまの声を聞き、求められている物を作るということを大事にしていきたいですね。昔は作りたいものを作っても売れたかもしれませんが、SNSでの意見やレビューが重視され、時代の流れが速くなった今はそれではいけないと思います。

CtoCの評価を大事にして、良いものをしっかり作るということを変わらずにやっていきたいです。

「信頼」を何より大切にしているアンカー・ジャパン。プロダクトはもちろん、Ankerブランドそのもの、そして働く人同士の信頼関係があるからこそ、ここまでの成長があったのかもしれません。

生活に欠かせない充電器、バッテリー製品はもちろん、Ankerグループのこれからのものづくりに期待が膨らんだインタビューでした。

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Photographed by Kosumo Hashimoto

菅沼ゆりさんが10年後も手放さないモノ

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10年という月日が経つと、いま住んでいる部屋も、立場や環境も大きく変わってきます。ただ、たとえ環境が変わっても「これだけはずっと持っていたい」というモノが、ひとつはある……。

そこで、さまざまなジャンルで活躍する方々に「10年後も手放さない」思い入れのあるモノを、31×34.5cmという限りのある『ROOMIE BOX』の中に詰め込んでもらいました。

なぜ、「10年後も持っている」と考えるのか―――。大切に持ち続けるモノについて語る姿から、その人の暮らしが徐々に見えてきます。

菅沼ゆりさん

“ゆりっぱ”の愛称で親しまれ同世代の女子から絶大な支持を集める。SNS発信は高い影響力を持ち、コスメ/スキンケアマイスターの資格を取得するなど、美容の知識も豊富。
最近ではイベントMCやアパレルやアクセサリーのプロデュースなどマルチに活躍している。Zoff、CA4LAなどコラボ実績多数。
ROOMIEでは美容連載「ROOMIEラボ コスメ科」も執筆中。

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10年後も手放さないモノ

パワーパフガールズのグッズたち

実は私パワパフガールズがすごく好きで。キャラクターの丸っこいフォルムもすごい好きだし、おてんばなな幼稚園生たちが街を救うみたいなストーリーがすごくおもしろいし。ディスりあったり、お互い嫉妬し合ってもちゃんと愛があるみたいな、3人のバランスがすごい好きです。見た目的にも、3色のポップな色味がキャラクターに合っていて分かりやすい。ちなみに1番好きなのはリーダーのブロッサム(ピンクの子)なんです

このドールハウスを買ってもらったのが、確か幼稚園の頃。日焼けしてこんな色になっちゃったので今は奥の方に置いてるんですけど、なるべく手放さないようにしてます。もしかしたら将来子どもができたときに渡せるかもしれないし。

昔は朝、テレビ放映していて、子どもの頃は毎週観てました。この4枚のDVDは大人になってから改めて買ってもらったものです。2、3年前に親が東京に送ってくれてました。あんまり頻繁に見るというよりは、なんだか元気ないときとか、時間があるときに見ます。本当にこの子たちがかわいすぎて、見るだけで不思議と元気が出ます

これから引っ越したりしても手放さないで持っておきたい宝物です。

このハンバーガーショップのフードに付いているおもちゃは、ロサンゼルスに行ったときに買いました。欲しすぎて何店舗も巡って、売り切れなどもあり、最終的に5店舗ぐらい回りました

ハンバーガーはいらないからこれだけ欲しいと伝えて、お金を払って買いました。たぶん店員さんには「不思議なジャパニーズが来たな」と思われたでしょうね(笑)。しかもこれ、なんかパッケージ含めてかわいく感じて、今も封を開けれずにいます。

これは知り合いがアメリカに行ったときに買ってきてくれたんですけど、バブルス(水色の子)だったっていう……。この子も好きなんだけど、1番好きなのピンクの子なんだよな、みたいな(笑)。

これもパッケージがかわいすぎてまだ開けられずにいます。でもトイとかって保管がなかなか難しくて、飾りたいけど飾ったら日焼けしちゃうし埃かぶっちゃうし、みたいなのが悩みどころです。

ある時期まではパワパフガールズとか、ポップなデザインのものを好きって公言してたんですけど、いつからか大人になりたいタイミングってあるじゃないですか。パワパフガールズ好きって言ってるのって、子どもっぽいって周りに言われちゃうのが嫌だった時期があって。それで、キャラクターものが好きっていうことをすごく伏せたんですよ。

でも大人になってもこういうものをフィギュアとして置いておいてもいいかなって最近また思い始めて。だから昔から私のことフォローしてくださってる方は知ってると思うんですけど、最近SNSなどで私を知ってくださった方はこういうものが好きだってことは知らないかも。

友人からもらった手紙

これは地元の友達にもらった手紙です。大人になってからはみんなバラバラの道に進んだので月1ぐらいでしか会えないんですけど、その中でもそれぞれの誕生日は絶対に祝うようにしていて。自分の誕生日のときに、幼馴染の子がプチ旅行みたいな感じでホテルを予約してくれて、サプライズをたくさん用意してくれたり、みんなから手紙も頂きました。いままでずっと一緒にいたけど手紙をもらうのは初めてだったので、すごく嬉しくて

でも手紙がプレゼントの1番奥に入っていたので全然気づかなくて、家帰ってから気づいたんです(笑)。

手紙自体もそうだけど、この友人たちのことを10年後も大事にしたいなと思っています。1人は親同士が仲良くて、0歳のときから知り合いみたいな感じでした。幼稚園、小学校、中学校、高校ずっと一緒の幼馴染で、部活とかも全部一緒。他の子達も中学の部活が一緒だったので仲良くなって、それからもずっと地元で仲良くしていました。

実は私東京に友達がそんなにいなくて。結構東京から遠い地方の子って、多分意を決して上京してきて、友達も一生懸命作ろうって頑張ると思うんですけど、千葉って電車で行ける距離だし微妙に近いからそんなにそういう気持ちになれず。彼女たちはみんな今も千葉に住んでいるので、電車でよく会いに行ってます。

祖母からもらったお皿

3、4年前くらいに母方の祖母からもらったお皿です。その祖母は海外旅行が大好きで、行った場所でお土産とか、自分の気になったものをよく買って帰ってくる人なんです。これを祖母の家で見たときに「え、コレ欲しい!」って直感的に思って、もらいました。全然価値は分からないんですけどこんなお皿見たことなくて、プリントなんだろうけど色合いとかすごくキレイだと思って。

大人になってもじわじわ良さが見つかりそうなものだったり、昔はかわいいと思わなくても年を重ねるうちにどんどん魅力的に思えるものは、多分10年後にはもっと好きになってるはずで。将来もこれが食卓に並ぶのかなと思ったら、ずっと大切にしていきたいと思いました。祖母が大切にしていた大事な贈りものでもあるので、私も大切にしていきたいですね。

祖母は本当に旅行好きでおしゃれな人で、最近もヴィンテージもののシェードランプを頂きました。むやみにものを捨てない、物持ちが良いところも尊敬してます。

壁とかに飾ってもかわいいデザインですよね。

19歳で一人暮らしを始めた当初は百均とかでピンクやブルーといった色ものを揃えてたんですけど、最近は、お茶碗はちゃんとした“お茶碗”みたいな、器もこだわりはじめました。料理は1人のときはほとんどしないんですけど(笑)。

菅沼ゆりさんの10年後

10年後ってことは36歳でしょ〜。でもやっぱり私の憧れは、家庭を持ちながら働くことです。子どもが2人いたら嬉しいな。家庭を持ちながら、今の仕事も続けられていたら嬉しいです。

あとは、自分の子どもをサポートできる親になりたい。子どもがやりたいことを全力で一緒に頑張れる親になりたいです。決めつけすぎず、好きなように。でも自分が生きてきた人生の中の教訓とか、ちょっとした後悔とかはちゃんと伝えられたらと思っています。

あと、今自分自身の軸みたいなところが結構ブレているので、そこを再建できていてほしいです。いい意味でも悪い意味でも昔の方が無敵で、誰の意見も聞かずに自分の信念を貫いてたんですけど、それがちょっとずつ崩れていった気がする。

特にSNSとかをやっていると、「いまの流れはこうなんだ」「こうしないといけないんだ」みたいなことを自分でも勝手に思っちゃって。きっとみんなからの印象とか、“ゆりっぱ像”みたいなものがそれぞれあるだろうし、そこから外れたことをしたときに引かれるのが少し怖いんですよね。

難しいんですけど、そういう自分の中の大きな軸みたいなものも立て直せたら、とも思ってます

Photographed by Kaoru Mochida Hair&Makeup by Kyohko Saitoh Special thanks to studio Flocke

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モデル・三戸なつめさんはお部屋でどんな音楽を聴くの? 「おうちでリラックスするときの10曲」を選んでもらったよ|音楽と部屋

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はじめて買ったCDはSPEEDの『Wake Me Up!』だと話すのは、2015年に『前髪切りすぎた』でCDデビューし、現在はモデル、女優として大活躍されている三戸なつめさん。

「当時(小学校低学年の頃)は、友達間で『CDを持っている人がイケてる』『CDが積まれている部屋がかっこいい!』というのがあって(笑)。私も部屋にCDを置きたい! と、そのとき一番好きだった曲をお年玉で買いに行きました」

そんな思い出を懐かしそうに話す三戸さんに、いま、お部屋で聴く曲は何か、どんなときにその曲を聴くのか、ご自身の日常と音楽についてお話を伺いました。

三戸なつめさん

1990年2月20日生まれ。奈良県出身。_2015年に中田ヤスタカプロデュースによる『前髪切りすぎた』でアーティストデビュー。_2018年より、本格的に俳優としても活動を開始し、ドラマ&映画「賭ケグルイ」や舞台「鉄コン筋クリート」などに出演。映画「パディントン」では日本語吹き替え声優も務め、2020年に映画「明日、キミのいない世界で」では初のヒロイン役で出演。2020年NHK連続テレビ小説「おちょやん」では実母役に挑戦。2021年秋に公開された映画「シノノメ色の週末」にも出演する等、今後も多数のドラマや映画の出演を控えており、モデル、タレント、女優として幅広いジャンルで活躍している。
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インタビュー後半では三戸なつめさん作「部屋でリラックスしたいときに聴きたい10曲」プレイリストもご紹介しています!

音楽を聴くときに使っているモノは…

三戸なつめさん

部屋で音楽を聴く、といえば気になるのが、どんなオーディオ機器で音楽を聴いているのか? ということ。三戸さんの場合は――?

三戸なつめさん スマホとイヤホン

「なんだか申し訳ない感じなのですが……、基本的にはiphoneとiphone購入時に付いてきたイヤホンのみ、です(笑)。

音楽に限らず基本なんでも携帯にいれてしまっていますね。コレで全部聞けるし、見ることができるので」

三戸なつめさん スマホを操作

「オーディオ機器って、部屋で音楽をじっくり聴くとか、聴くときのこだわりポイントなどをふまえて選ぶのかな~と思うのですが、私の場合、いま気持ちを切り替えたい! のように、ふと思いついてかけることが多くて

『やらなきゃいけないことがあるのに、体が動かないなぁ……』とベッドの上で一日だらだらしちゃいそうなときに、いや起きよう! よし、そのために音楽かけよう! みたいな。だから何より手軽に聴ける、というのが一番なのかなと。

三戸なつめさん

実際のところ、じっくり聴きたい……というときにも、メロデイーよりも歌詞に集中していることが多くて。音のクリアさや広がりより、『あ~この言葉好きだなぁ』『元気が出るなぁ』とワードをしっかり聞く感じですね。

なので、いまのような軽装備で、事足りてしまっているのかもしれません」

そう語る三戸さん、PVを見ながら聴きたいときは、iPadやPCを使って楽しまれているそうです。

ふだん聴いている音楽について

三戸なつめさん

「ふだんよく聴くアーティストは爆弾ジョニー、TWICE、B.B.クィーンズ、JUDY AND MARYなどです。

起きるとき以外にも、お洋服のお仕事で『全身コーディネイトを組むぞ!』といったときや『筋トレを頑張る!』のように気合を入れるときにもかけますね。

テンションやモチベーションをあげたいとき、違う自分になりたいときのスイッチを入れる感じでかけています

中でも、筋トレをするときには、TWICEと決めているそう。TWICEの曲をかけると、PVの衣装やダンスが自然と脳内再生されて、一緒に踊っているような楽しい気持ちになるのだそうです。

三戸なつめさん

「PVを見ながら、『この体になりたい!』と筋トレのモチベーションを上げています(笑)」

とりあえず3曲聴くまで頑張ろうとか、今日はまだまだ筋トレを頑張れそうだからアルバム一枚分まるまるやるぞ! といったように、曲数をトレーニングの目安にもしているそうです。

お気に入りの曲について

三戸なつめさん

「爆弾ジョニーの中でもお気に入りの曲『アッチ向いて☆恋っ!』が収録されたアルバム『終わりなき午後の冒険者』は、発売前からすごく楽しみにしていたCDです。

もともと松本大洋さん原作のアニメ『ピンポン』を見ていたら、流れてきたエンディング曲が爆弾ジョニーの『唯一人』という曲で。何これ、めちゃくちゃいい! 好き! と思って調べたら、それがメジャーデビューシングルだったんですよね。

そこから爆弾ジョニーを好きになって、その後すぐに出ると知ったアルバムだったので、とくに印象に残っています」

三戸なつめさん

「『アッチ向いて☆恋っ!』はタイトルからしてかわいいし、歌詞も思春期の男の子の可愛さが詰まっていて、聴いていると自然にアガる曲ですね」

「あと友達が来たら流すのが、JUDY AND MARYのアルバム『The Great Escape』。従妹のお姉ちゃんが好きだったのと、テレビで見るYUKIちゃんがかわいくてハマりました。

世代的なものなのかな? 友達もJUDY AND MARYを好きな子が多くて。結構、携帯やiPadから流してますね」

三戸なつめさん作・プレイリスト
「おうちでリラックスするための10曲」

さて、普段聴く音楽についてお聞きしたところで、事前にお願いしていたプレイリストを見せていただきました。テーマは「おうちでリラックスするための10曲」。

プレイリストをメモしたスマホ

プレイリストをメモしてきてくれました。

「ふだんからよく聴く曲はアップテンポなものやロックな雰囲気のものが多いので、リラックスできる曲って……? と正直悩みましたが(笑)。私なりの“リラックス”を表した曲を思いついた順に挙げてみました!」

①ぼくらが旅に出る理由/小沢健二
②走れ正直者/西城秀樹(Spotifyにないため、さくら学院ver.)
③NIMAIGOSHI/Ai Kakihira
④風になる/つじあやの
⑤大好物/スピッツ
⑥Baby,it’s you/YUKI
⑦風をあつめて/はっぴいえんど
⑧EverythingChanges/宇宙コンビニ
⑨アイドル/バレーボウイズ
⑩夕暮れ/THE BLUE HEARTS(※Spotifyにないため、プレイリスト登録はしていません)

西城秀樹『走れ正直者』

三戸なつめさん イヤホンを装着する

「例えば2曲目、西城秀樹さんの『走れ正直者』は、子どものときに家族みんなで見ていたアニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディング曲でした。

この曲を聴くと、分厚いブラウン管のテレビや座っていた座席、家族の様子など、日曜日に家族とテレビを見ていた感覚がよみがえってきてリラックスできます

スピッツ『大好物』、THE BLUE HEARTS『夕暮れ』

「スピッツの『大好物』と、ブルーハーツの『夕暮れ』は、どちらも私の視野を広げてくれた曲。今回、リラックスできる曲を選ぶのに、まず私が思ったのは、私がストレスを感じるときってどんなときなのかな?といったことでした。

三戸なつめさん

それで気付いたのが、私がストレスを感じるのは、自分の考えや視野がぎゅう~っと狭くなって、“絶対にこうじゃないといけない”みたいなモードに入ったときなんだなと。

そういうときに聴くと、ぎゅーっとなった脳がほぐれて、視野が広がるというか、『そうか、そんな考えもあるんだな!』と、リラックスした気分にしてくれる曲ということで、この2曲はチョイスしました」

三戸なつめさん

「ほぐれたら、こんな感じ」

「スピッツの『大好物』は曲名から衝撃的でした。えっ、大好物……? “大好物”って曲名になるんだ! と(笑)。

で、歌い出しを聴くと、最初の歌詞が“つまようじ”なんです。つ、つまようじ……? あの歯に挟まったものを取るときくらいしか口にすることのない言葉をスピッツは歌詞にするんだ……! と。驚きと同時に、一気に視野が広がり、感動した1曲です」

THE BLUE HEARTS『夕暮れ』

「ブルーハーツの『夕暮れ』は、歌いだしの歌詞が“はっきりさせなくてもいい あやふやなまんまでいい 僕たちはなんとなく幸せになるんだ”なのですが、もうその出だしから、『そ、そうだったのか……!』となりました。

友達と集まると、よく『幸せになりたいね~』なんて言ったりしますけど、そうやって友達と話している今この瞬間も幸せなんだよな、と気づかされたといいますか。

そんなふうに気づきを得ると同時に元気になれたり、パワーをもらえたりする、そういう曲を聴く時間こそが私にとっての癒しになるみたいです」

三戸なつめさん

響いた歌詞は紙に書いて、目にとまりやすい場所に貼ることもあると話す三戸さん。

「普段プレイリストとかってつくらないんですけど。今回はじめてリラックスをテーマにプレイリストをつくったことで、自分にとってのリラックスの形が見えたのが面白かったですね」

今後お部屋に置くなら「ラジカセ」

三戸なつめさん

「今後もしお部屋にiphoneとイヤホン以外のオーディオ機器を迎えるとしたら……、なんでしょう。強いて言うなら、小学校の頃に使っていたような小型のラジカセかな。

ラジカセって、テレビの音とかをダビングして再生したら、ジーッというアナログな音と共に、決してクリアではない音が流れてくると思うんですが、その聴きなじみのある音が、好きというか。懐かしいというか。安心するというか」

三戸なつめさん

「いま話しながら頭に浮かんでテンションが上がっちゃったんですが、よく聴いている曲とかをカセットテープにダビングして聴いたら楽しそう!

これはもう、ラジカセを買わないとですね……(笑)」

何かに付け“懐かしむ”という行為が好きなんです! とお話しくださった三戸さん。

普段よく聞かれている音楽や楽しみ方についてお聞きするだけで、普段の暮らしぶりまでぼんやりと見えてくる気がする印象的な時間でした。

Information
1月17日(月)から放送が始まる、テレビ東京・ドラマプレミア23「ユーチューバーに娘はやらん!」にレギュラーキャストとして出演。

ワンピース 45,100円(税込)、グローブ 13,200円(税込)/HATRA、ピアス 217,800円(税込)/RIEFE JEWELLERY、ブーツ 18,150円(税込)/HARUTA

Photographed by Kayoko Yamamoto Hair&Makeup by Azusa Katsuragawa Styled by Mei Komiyama Special thanks to knof

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自転車大国のデンマークからやってきたe-BIKE「MATE. BIKE」が日本でもブレイク中! ファッショニスタが欲しがる理由とは?

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バイクのような無骨なルックスが特徴のe-bikeブランド「MATE. BIKE(メイトバイク)は、2016年に自転車大国デンマークで誕生。

2018年にリリースした「MATE X」は、デンマークのクラウドファンディング史上最高額となる約19億円の出資を集めたことで話題にもなりました。

日本に上陸をしたのは2021年3月。まだ日は浅いですが、初年度からファッション感度の高い方々を中心に人気を博しています。フラッグシップストア「MATE. BIKE TOKYO(東京・恵比寿)」のストアマネージャー・片田吉昭さんに、ブランド上陸の経緯から見据える未来までを伺いました。

上陸1年で想像を超える反響

MATE. BIKE TOKYOの店長片田吉昭さん

── まずはブランドの設立背景とコンセプトについて教えて下さい。

クリスチャンとジュディという姉弟が2016年にデンマークのコペンハーゲンで立ち上げたブランドです。自転車を楽しみながら、健康や環境の問題を改善することを目指し、かっこよくて便利でエコな折りたたみe-BIKEを設計しています。

     

MATE.BIKE

左と中央がブランドシグネチャーの「MATE X(33万円~)」、右が街乗りに特化した「MATE CITY(25万円~)」。Xはシーズン限定色も含めた全11色、CITYは日本限定色を含めた全5色の展開。それぞれ、ブレーキの種類(機械式or油圧式)、走行距離(バッテリー容量80km or 120km)を選ぶことができます。

── いままでになかった、スタイリッシュなデザインですよね。電動自転車なのに、バッテリーが見当たりませんね。

日本だと電動自転車=シティサイクルのイメージが強いですからね(笑)。MATE. BIKEはバッテリーユニットをフレーム内に搭載しています。

さらに折りたためて、ファットタイヤをはいて、ダブルサス(前後に付いたショックを吸収するクッションパーツ)まで付いています。機能が豊富で、デザイン性も高いe-BIKEはそれまでなかったので、本国でもクラドファウンディングで多額の資金調達に成功したんだと思います。

   

MATE.BIKE

フレーム内にビルトインされたバッテリーは、簡単に取り外しも可能。

── それだけ、世の中が求めていたという証ですね。

ヨーロッパだと石畳の道路が残っていたりして、細いタイヤだと走りにくい路面も結構残っているんです。

東京でも、路側帯を走っていると側溝とか段差とかがありますけど、そういった路面でも快適に走れるのが「MATE X」というモデル。パンクしにくい素材を使ったタイヤで、濡れた路面でも滑りにくいのでオフロードでも快適に走ることができるんです。

MATE.BIKE

折りたたみも3ステップで簡単。車のラゲッジスペースにも収納できるので、アウトドア・レジャーのお供にも。

── 恵比寿にショップをオープンして約1年ですが、売れ行きはどうですか?

初年度なので、ブランド認知には時間がかかると思っていたのですが、予想以上に多くの人に知っていただいて。ファーストイヤーとしては成功だったんじゃないかと思っています。

── 何台くらい売れてるんですか?

具体的な数字はちょっと言えませんが、初年度の1万台セールスという目標は、この調子で行くと達成できそうな感じですね(2022年1月現在)。

── すごい! 一台25万円として、25億じゃないですか!!

地球環境に対する意識、ファッション感度が高い方々をターゲットにしていたので、その狙いが奏功しました。俳優の窪塚洋介さんにブランドアンバサダーを務めてもいただいているのですが、その反響も大きかったですね。

── 現状、ファットタイヤの「MATE X」と、ナロータイヤの「MATE CITY」の2種類ありますが、日本だとどちらのほうが人気ですか?

売れ行きはほぼ同じくらいですね。「本当はXに乗りたいけど、駐輪場に置けないからCITYで」という人も結構います。スーツやオフィスかジュアルのコーデに合わせて通勤用に使いたいという方も、CITYを選ぶ傾向にありますね。

日本にe-BIKEの文化を根付かせたい

MATE.BIKE TOKYOの店内

「MATE. BIKE TOKYO」の店内にはコーヒースタンドも用意。

── 現在だと、MATE. BIKEを購入できるのは直営店と一部の店舗に限られていますが、今後の展開はどう考えているのでしょうか。

いまは東京を中心に展開していますけど、山道でも走れるオール天候型のe-BIKEなので、いずれは全国的にも展開していきたいと考えています。

でも、MATE. BIKEとしては直営店を増やすよりは、ケアできる環境づくりを優先したいという思いがあります。売ったら終わりではなく、お客様が買った後も安心して乗り続ける環境づくりという意味で、卸先を無闇に増やすのではなく、直営店で丁寧にサポートしたいと意識しています。

MATE. BIKE SERVICE LABO Repair & Custom

MATE. BIKE SERVICE LABO Repair & Customの店内。リペアやカスタムに特化したショップです。

── 21年9月に「MATE. BIKE SERVICE LABO Repair & Custom」をオープンされたのも、そういった意思の表れなんですね。

はい。名前の通り、リペアとカスタムに特化したサービスを提供しています。

自社メカニックによるオフィシャルリペアサービスの他、ブランド創業以来掲げてきたミッションのひとつ、オーナー自らの手で組み立てやメンテナンスを楽しんでいただける取り組みとして、動画配信サービスや電話でのサポートを実施しています。

── 一方で、直営店の「MATE. BIKE TOKYO」はショールーム的な役割なんでしょうか?

そうですね。試乗と購入検討の窓口的な役割を担っています。試乗の際はスタッフが同行して、e-BIKEを乗るときのマナーや手信号をお伝えするようにしています。

 

MATE.BIKE TOKYOの店長片田吉昭さん

試乗の際は、片田さんをはじめショップスタッフが恵比寿界隈を案内してくれます。

── 日本だと、いまだに歩道をすごいスピードで走っている自転車が多いですからね。

そうなんです。手信号は日本だとあまり浸透していませんが、自転車大国デンマークだと当たり前の習慣で、小学校の教育課程にも導入されています。

e-BIKEにはウインカーやブレーキライトが付いていないモデルが多いので、曲がる時や停まる時に、後続車に手を使って合図する手信号は知っておくべき交通マナーです。

事故の原因にもなりかねないので、MATE. BIKEに興味を持ってくれたお客さんたちにはしっかりと伝えていこうと考えています。

── MATE. BIKEのようなパーソナルモビリティは、この先、さらなる需要が見込まれますので、そういった取り組みは素晴らしいですね。

日本上陸から1年経って、認知度は想像以上に広がりました。

ここから先は、さらなる使い方の提案であったり、ユーザー同士のコミュニティ作りだったりを仕掛けたいと考えています。あとは、ガソリンスタンドのようにMATE. BIKEの充電ができる、バッテリースポットを増やしたいですね。

MATE.BIKE TOKYOの店長片田吉昭さん

── それは、本国ですでに動き出していることなんでしょうか?

いえ、日本からの提案で、まだ構想段階なんです。

MATE. BIKEの理念として「100%再生可能エネルギーを目指す」と掲げていますが、どうしても充電するための電気を作る段階で、原発や火力発電に依存してしまう部分はあります。

ですので、太陽光発電の充電スポットを増やすことで、少しでも地球環境に優しい社会が当たり前になればという思いが強いですね。

── 車や電車ではなく、100%電気エネルギーを使用した「MATE. BIKE」を生活に取り込めば、かっこよく、便利で、エコなライフスタイルが実現できそうですね!

MATE. BIKE

Photographed by Kaoru Mochida

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トレンドカラーを引き立てる「グレー」って? カリマーのおすすめのグレーアイテムを聞いてきたよ

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今シーズンのkarrimor(カリマー)のグレーアイテムのラインナップがアツい! と聞きつけ、訪れたのはカリマーストア原宿。PRの中島亜唯さんに新作のおすすめグレーアイテムを教えてもらいました。

ビビットなカラバリを展開するアウトドアブランドが「なぜ、グレー?」。確かにカリマーはグレーのアイテムを多く揃えているし、最近のタウンユース人気の秘密も気になるところ……。

トレンドカラーを引き立て、グレーも映えるカラバリ展開

カリマーのプレス中島さん

——カリマーは、イギリス生まれの70年以上続く老舗アウトドアブランド。ビビットなカラーを採用しがちなアウトドアブランドですが、カリマーのラインナップにはグレーを展開しているものが多いですね。

カリマーではシーズンごとにトレンドや時代背景などからキーカラーを設定しており、それに基づいて、そのシーズンごとにグレーを選出しております。

グレーは雪や砂、岩のイメージのように、自然に馴染みやすいアースカラーのひとつで、アウトドアブランドとしても親和性の高い色です。ただし、自然に馴染みすぎたり、目立たなかったりという懸念もあります。

そこで、シーズンのトレンドカラーと合わせていただける提案をしています。そうすることで、トレンドカラーとグレーの両色が引き立つという考え方ですね。

たとえば、2022年の春夏のラインナップでは、自然界に存在する植物を連想させるのユーティリティーカラーや鮮やかで大胆なイエローでも、グレーアイテムとともに互いに引き立て合うような配色を意識しています。

カリマーのプラス中島さん

——グレーと言っても、濃淡で印象が変わります。通年でさまざまなグレーアイテムがラインナップしているようですが、配色についてコンセプトはありますか?

ここ最近はグラデーションをつけるように、シームレスなカラバリ展開をシーズン通して行なっています。「春だから明るい色」「レディースだからこの色」と決めずに、シーズンレス、ジェンダーレスな、さまざまな境界がなくなってきている時代背景に合わせた考え方をしています。

ベースカラーとして年間で使っているグレーもあります。そこに挿し色としてトレンドの色を重ねていくというイメージです。

カリマーおすすめのグレーアイテム5選

単体でも存在感は抜群ですが、カラーと掛け合わせたスタイリングにすることでより双方が引き立つ「グレーアイテム」のおすすめを教えていただきました。バッグからアパレルまでベストバイな5つです。

カリマーの「highlands 32」 18,700円(税込)

耐久性に優れたCORDURA ECOファブリックを採用した32Lのデイバックです。PCポケットやドリンクホルダー、内部の細かな収納も含めて、大小合わせて13のポケットを配備。

サングラスやメガネを直接収納できる起毛素材を使用するなど、シンプルな見た目に反する多機能、多収納が特徴です。

カリマーのhighlands 32

カリマーのhighlands 32

また、キャリーケースのハンドルへの取り付けや、ロッカブルジッパーなど、デイリーユースだけでなく旅行も想定したつくりになっています。そして耐摩耗性のあるsilvaguard+コーティングをしているので、ガシガシ使い込んでいただきたいアイテムです。

カリマーの「G-TX performance urban coat」 57,200円(税込)

カリマーのG-TX performance urban coat

GORE-TEX Fabricsを採用したアーバンコート。GORE-TEX Fabricsの3層構造の防水透湿素材に加え、襟を立ててボタン留めできるスロートタブ仕様や、衣服内の蒸れを効果的に軽減する脇下のベンチレーションホールなど、防水性、透湿性に優れた一着です。

カリマーのG-TX performance urban coat

カリマーのG-TX performance urban coat

前立ては止水ジッパーを採用し、加えて比翼仕様にすることで防水性を向上。それでいて普段使いしやすいすっきりとしたルックスもポイントです。また、コートには珍しく、アウトドアウェアのシェルのようにチェストポケットを完備しているのは、カリマーのアウトドアブランドらしさと言えるかもしれません。

カリマーの「G-TX performance rain pants」 25,300円

カリマーのG-TX performance rain pants

こちらは今季新たに登場したGORE-TEXプロダクトのひとつのレインパンツです。

ポイントは滑り止めのウエストゴム仕様。長めに配置したフロントジッパー、ずり下がり防止のためのウエスト内部の滑り止めゴム仕様など、オーバーパンツとして、またリュックサックを背負った状態でも快適に着用できる設計になっています。

カリマーのG-TX performance rain pants

グレーはカリマーオンラインストア・カリマーストア原宿・名古屋の直営店限定カラーです。同色のトップスもあるので、グレーのセットアップも可能。また、サイズ展開にも特徴があって、XS、S、M、L、XLに加え、レングスバリエーションとしてMS、LMを加えた7サイズを展開しています。

カリマーの「TC」シリーズ

カリマーのTCシリーズ

上から時計回りに、カリマーの「TC team purse」1,760円、カリマーの「TC hip belt pouch」2,530円、カリマーの「TC front bag」6,050円、カリマーの「TC sacoche M」2,750円、カリマーの「TC shoulder pouch」2,200円 すべて税込価格

TCシリーズは、カリマーのバックパックにさらなる収納力を加えるオプションバッグとしてランナップしています。バックパックをパーソナライズするためにさまざまな組み合わせでアドオンすることができますが、デイリーユースなら単独で使うのもおすすめです。

なかでも「TC team purse」(真ん中上)は、ウォレットサイズで首にかけたり、バックインバックとして使ったり、小物収納にぴったりです。

カリマーのTCシリーズ

どのバッグもサイズ感によって使い方もさまざま。アウトドアにも旅行にも、普段使いにも応用が効くシリーズとなっています。

カリマーの「mars top load 27」 8,250円(税込)

カリマーのmars top load 27

有袋類を意味するmarsシリーズのバックパックがこちら。その名の通り全シリーズがパッカブル仕様で、「mars top load 27」は27Lの大容量です。

バックパックとしての機能も優れていて、両サイドワンドポケットや上部に雨蓋ジッパーポケットを配し、チェストベルト、ヒップベルトもついているので登山ではアタックザックとして使用できます。

カリマーのmars top load 27

カリマーのmars top load 27

ほかにもこのシリーズには、ワンサイズ小さい18Lのバックパックや、ショルバーバック、トートも揃えているので、買い物のエコバックや旅行用サブバッグにもおすすめです。

カリマーのグレーアイテムの数々は、ワントーンでまとめるもよし、挿し色をチョイスして双方の色を引き立たせるもよし。もともと汎用性が高いグレーですが、カリマーで展開しているいろんなグレーを取り入れて春を先取りしてみて。

Photographed by Junmaru Sayama
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もう一度、東京がひとつになる日──。東京マラソンを通じて伝えてきたこと、これから伝えたい想い

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「もう一度、東京がひとつになる日。」

澄みわたる青空の下、マラソン界のトップランナーたちが鮮やかな走りを見せてくれた2022年3月6日の「東京マラソン2021」。市民ランナーにとっては3年ぶりの晴れ舞台でもありました。

東京の街に活気と希望をもたらしてくれたレースでしたが、その舞台裏にはどんなストーリーがあり、どのような想いがあったのでしょうか?

大会を目前に控えた2月28日の午後、東京マラソンのレースディレクターを務める早野忠昭さんに、東京マラソンのフィロソフィーについてうかがってきました。

東京マラソンのはじまり

東京マラソン財団の早野忠昭さん

──今年で15回目となった東京マラソンですが、どのように始まったのでしょうか?

よく語られているのは、マラソン指導者の故・小出義雄さんが故・石原慎太郎さんと飲みに行って、「ニューヨークシティマラソンみたいなのを東京にも作ってよ!」という話をしたのがきっかけだったと(笑)。

石原さんはその後ニューヨークへ視察に行き、スポーツという観点からだけではなく、都市の持つひとつの機能としてマラソン大会を作ろうと決めて、そこから東京マラソンがスタートしました。

──早野さんは第1回目の東京マラソンから運営に関わっていらっしゃいますが、初めての大会はどのような印象でしたか?

大会の翌日に、ニュースや特集や、とにかくいろいろなビデオクリップを19時間分ずっと見ていました。すると、走りながら10kmごとに赤ちゃんのために搾乳しているお母さんがいたり、「お腹空いた〜」って言っている人がいたり。

初回は寒かったから、熱量を取るための食べ物が足りなくなっちゃったんですよね。

東京マラソン財団の早野忠昭さん

すると、それを見ていた沿道の方々から自然発生的にとあることが起こったそうです。

浅草あたりの人たちが豚汁を炊き出し始めたりと、人情話みたいなことが東京中で起きていたんです。

それを見た時に「ああ、東京がひとつになる日だったんだなあ」って感慨深かったですね

東京マラソンのポスター

開催が延期されたことで、今回のコピーには「もう一度」が加えられた。想いが伝わってくる。

──「東京がひとつになる日」は、すでに初回から始まっていたんですね。

青森からきた人、長崎からきた人。東京にはいろいろな人が集まっていますし、それぞれ背負っているものがあると思います。だからこそ、東京という同じ場所で、マラソンという同じアクティビティを通してみんな同じゴールを迎えることに意義があります

東京マラソンとしては、東京というプレミアムステージを提供するから、そこでのドラマやストーリーはあなた自身が作ってください、というスタンスです。いろいろなランナーがいて、それぞれが主役なんです。

 
東京マラソン

そんな意義や思いが東京マラソンのロゴにも表れています。色も幅も違う線がたくさん交差したロゴデザインは、少し引いて見てみると複雑に織り重なったタペストリーのよう。

単純に綺麗だと思えるそれは、「ランナーそれぞれのストーリーが折り重なって、ひとつのストーリーになっているんですよ」と早野さんは教えてくれました。

「東京がひとつになる日。」という構想には、このようにまずランナーの走る喜びがあり、それを支えるボランティアの誇り、そして大会を応援する楽しみがあります。この3つのアプローチが相まって、東京マラソンの間口を広げてきました。

世界に誇れる「東京マラソンらしさ」とは

Six Star Finisherメダル

6大マラソン(東京マラソンのほかに、ボストンマラソン、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソン)すべてを完走すると、「Six Star Finisher」の称号とともに、「6大会完走証」と写真の「Six Star Finisherメダル」がもらえます。©TOKYO MARATHON FOUNDATION

──東京マラソンならではの良さは、いろいろ語られていると思いますが、運営側の立場としては、どういうところにあると思いますか?

東京マラソンはすでに世界の6大マラソンのひとつに数えられているんですが、その中でも世界一になりたいじゃないですか(笑)。

そこで、世界一を具現化するために用意した3つの柱は「世界一安全安心な大会」、「世界一エキサイティングな大会」、そして「世界一あたたかくてやさしい大会」です。

私たちは常にランナーファーストで考えているので、まず安心安全で、みなさんに喜んでもらえるようなステージを作り、そしてそこで走っていただく。その上で、トップレーサーを招聘して、グローバルスタンダードなレースをしたいと思っています。

そして、忘れてはならないのはボランティアの方々。ランナーが主役であるならば、彼らを支えるボランティアの方々がいないと、東京マラソンは成立しません。

ボランティアの方々の高いクオリティを活かして、東京の街が一丸となってみなさんをウェルカムするような、そういう仕組みを作り続けていきたいですね。

ランニングが素敵になってきた時代

東京マラソン財団の早野忠昭さん

──空前のランニングブームと言われて久しいですが、日本におけるランニングブームの火付け役は東京マラソンだと言われています。ランニングはどのように受け入れられるようになっていったのでしょうか?

ランニングって、正直キツいですよね。だからこそご褒美的なものが何かないと、せっかく始めたのに続けられません。

そこで私たちが提唱してきたのは、なんでもいいので好きなものをランニングにFuse=融合する「フュージョンランニング」という考え方です。

走り終わった後のビールでも、ランニングする時のファッションでも、音楽でも、好きなものならなんでもいい。いわばランニングの「自分ごと化」ですね。

 
東京マラソン財団の早野忠昭さん

加えて、昨今ではテレワークする人が増えるなど、ライフスタイルも多様に変化しています。それに伴い、走ることが素敵なことだと認識されてきた部分があると感じるそうです。

たとえば、お昼休みの時間を利用して、ちょっと走ってくるというのも、この時代においては「素敵なこと」という認識ですよね。

時間の使い方はもちろん、体に気を遣っているのも垣間見えますし。走ることが豊かな暮らしの実現、ひいては豊かな人生には欠かせない要素になってきているように感じますね。

東京マラソン財団の革新

東京マラソン財団の早野忠昭さん

以前は、民間企業でマーケティングやブランディングに関わるお仕事をされていたという早野さん。当時仕事にしていたことを意識しながら、ランニングの魅力を伝え、東京マラソンの裾野を広げることを意識してきました。

マラソン大会は、日本で言えば日本陸上競技連盟とか、行政とか、新聞社とかが主催しているものがほとんどです。

ところが、東京マラソンは東京マラソン財団自体がレースを作ってきているので、自分たちで稼いで、自分たちで運営して、どんなレースをするのかを決められる。そういった意味で、民間企業の売り方に近い、ビジネス的な部分があります。

東京マラソン財団の早野忠昭さん

レースディレクターの早野さんにとって、レース当日、先頭集団を引っ張るペースメーカーをコントロールするのに大事なツール。

──具体的にはどのようにビジネスとして関わっているのでしょうか?

たとえば、スポンサーセールスですと、これまでとまったく違うやり方をしています。先ほどのフュージョンランニングについてお話ししましたが、おしゃれを楽しむ人やフィニッシュ後のビールを楽しみにしている人など、ランナーは性別も年代も、趣味趣向もさまざまであり、ヒューズするものもさまざまです。

だから、各企業にうちのスポンサーになってください、とオファーするのではなく、これらのランナーに向けたサービスを一緒に考えませんか? とアプローチするんです。

ランナーがどのようなプロダクトやサービスを求めているのかをモニタリングしながら、実際商品を試してもらうこともできるし、商品開発に向けてのリアルな意見もダイレクトにもらえるような環境を作ろうと。

そういう意味で、私たちはランニングのプラットフォームなんです。「ランニング×なにか」の掛け算があり、そこにちゃんと人が介在しているのが東京マラソンです。

財団という特殊な団体ですが、一般企業のようにフレキシブルに物事を捉え、推進できるからこそ、東京マラソンがここまで成長している要因とも言えそうです。

自分自身の体もサステナブルに

東京マラソンのスタッフジャージ

──いまの時代、私たちの暮らしにおいてSDGsは無視できない非常に大切なことになっています。東京マラソンを通じて何か意識していることはありますか?

私たちはモノを作るとかそういうことだけのSDGsではなく、自分自身の体もサステナブルでなければいけないという観点から東京マラソンを作っています

医療費の高騰や、逆ピラミッド型になりつつある人口構成を考えた時に、自ずと健康の大切さは欠かせないと言います。

やはり健康でいることは国自体を守ることでもあると思っていますので

「コーポレート・フィットネス」という考え方がありますが、特にテレワークの時代となった今、通勤時間が1日1〜2時間カットされるのなら、たとえば勤務時間中に運動する時間をノルマとして入れたらいいですよね。

東京マラソン財団では、勤務時間のうち1時間はランニングしてきていいんです。健康であり続けることも仕事のうちですからね。そういうことを、これからも広げていきたいです。

東京マラソン2021への想い

東京マラソン財団の早野忠昭さん

──コロナ禍で開催された東京マラソン2020は一般ランナーは参加しない、エリートレースのみの開催でした。運営側としてこの状況をどう捉えていますか?

私たちとしては本当の東京マラソンはロゴのカラーリングに現れているような多彩さと、市民ランナーそれぞれのストーリーに支えられていると思っています。

さらに、本大会では現時点での世界記録保持者でもあるトップアスリート(男子はキプチョゲ選手、女子はコスゲイ選手)が参戦し、夢のようなトップアスリートたちが一緒に走ったことで、実にスペシャルな大会になりました。

彼らの芸術的な走りと貫禄はさすがでしたし、無事に開催できたことで喜んでいただけたと思っています。「やっぱりやってよかったね」って思って帰っていただけたんじゃないかな。

みんなが走って、無事終わったので本当に涙が出ました。開催までが大変だったから。私以上に現場はもっと大変だったんですけど、言ったらキリがないぐらい、たくさんの思いが詰まった大会になりました。

 

東京マラソン財団の早野忠昭さんがお気に入りのランニングシューズ

早野さんのお気に入りシューズはASICSの「Fuzex Nyc(2016年モデル)」。

たかがマラソン大会と言われていたような過去とは違い、今ではされどマラソン大会とも言えるほど、特に東京マラソンは回を追うごとに成長をし続けています。

特に延期が続いた本大会は、早野さんはじめ、関わっているすべての方々が大会に懸ける思いはひとしおかもしれません。

参加するランナーも熱い思いを持っている一方で、運営側の熱いサポートがなければ、ランニングブームとは言え、これほどまでに盛り上がることはないように思います。

来年開催予定の「東京マラソン2023」も、さらなる期待が膨らみます。

早野 忠昭(はやの ただあき)
一般財団法人東京マラソン財団事業担当局長/東京マラソンレースディレクター

1958年4月4日生まれ。長崎県出身。1976年、インターハイ男子800m全国高校チャンピオン。筑波大学体育専門学群を卒業後、高校教諭、アシックスボウルダーマネージャー、ニシ・スポーツ常務取締役を歴任。東京マラソンには2007年の第一回から関わり、ワールドマラソンメジャーズ入りに尽力。
日本陸上競技連盟総務企画委員。世界陸連ロードランニングコミッション委員。スポーツ庁スポーツ審議会健康スポーツ部会委員。内閣府保健医療政策市民会議委員。JAAF RunLinkチーフオフィサー。

Photographed by Kaoru Mochida
Text by Chitra Yamada

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リノベーションしつつ、DIYもしたい。2つの希望を両立した、築47年ふたり暮らし(清澄白河)|みんなの部屋

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東京都江東区にある清澄白河。話題のカフェやギャラリー、ショップなどのほか、緑豊かな庭園もあって、散策するにも住みたい街としても注目度の高いエリアです。

そんな清澄白河エリアにお住まいの竜治さんと、華子さん

キッチンに立つ夫婦

名前(職業):大栗竜治さん(会社員)、古賀華子さん(会社員)
場所:清澄白河
面積:約55㎡(2DK)
購入予算:4,000〜5,000万円
築年数:47年
間取り図:
編集部作成

以前暮らしていた借家だった築100年の古民家を離れ、清澄白河の家を購入したおふたり。

リノベーション会社に工事を依頼しつつ、自分たちでDIYもしたいという希望も叶えた2DKの部屋で暮らしています。

リノベーションのポイントやお部屋づくりの工夫についてお話を伺いに、おふたりの住まいを訪ねました。

この部屋に決めた理由

リビングダイニング

ここで暮らす前は、千駄木の築100年の古民家を借りて住んでいた竜治さんと華子さん。2年の定期借家だったそうで、契約期限を迎える前に引っ越しを検討し、購入したのがこの家です。

「引っ越し先を探し始めた当初は賃貸に住もうと思っていたんですが、なかなかいい物件がなくて。というのも、千駄木の家は2階建てで広さが78㎡くらいあったんです。広くて人も呼べて、簡単なDIYもできてすごくいい家でした。

次に住む家はそこと同じくらいの家賃で、広さはせめて50㎡くらい欲しいなぁと思っていたんですが、その条件だと家賃がめちゃくちゃ高くて……。リノベーションしたかったので、それだったら買うことも視野に入れようと、選択肢を広げた感じです」(華子さん)

「探し始めてから1ヶ月くらいでSUUMOで見つけたのがこの家なんです。4,000〜5,000万円の予算内でしたし、ローンを組んでも古民家の家賃とあまり変わらないくらいで。

職場までのアクセスもよかったのと、ふたりとも家で仕事をしていても干渉しない間取り人も呼べる広さがあるところに惹かれて決めました」(竜治さん)

リノベーションしたキッチン

「ここは『リアルキューブ』さんが売主なんです。リノベーション済みの物件を販売していることが多いのですが、ラッキーなことにリノベーション前の物件に出会えて。DIYもしたかったし、自分たちの好みを反映させたいと思っていたので、よかったです」(華子さん)

工事前の間取りは今と違っていて、キッチンと書斎のあるエリアが和室と洋室の2部屋になっていたそう。

購入を決めたのは2021年7月。そこから解体工事が始まります。

コンセント

「和室とキッチンの区切りをなくして、キッチンをどこに配置するか、照明のレールの色をどうするか、コンセントの位置をどうするか、壁は自分たちで塗りたいので残しておいて欲しいなど……。

建築家やリノベーション会社に勤めている友達にアドバイスをもらいながら、リアルキューブさんに希望を伝え、工事をお願いしました」(華子さん)

そして、4ヶ月後の11月に晴れて入居。現在はDIYを楽しんでいらっしゃるようです。

塗料を塗った壁

「リビングの壁は、漆喰もどきの塗料を買って、ヘラで2人で塗ったんですよ! 真ん中から2人で塗り分けたので、よく見ると右と左でタッチが違うのも楽しいです。

書斎の壁も塗ったんですが、そっちはシンプルにしゅっとした感じにしたかったので、ローラーで塗りました。

玄関の棚

玄関の棚も自分たちで板を選んで、やすりをかけたりワックスを塗ったりしてDIYしました。そういう楽しみ代が、この家には乗っている感じがします」(華子さん)

お気に入りの場所

余裕を持って仕事ができる書斎兼寝室

デスクスペース

竜治さんのお気に入りの場所は、大きなデスクのある書斎。ここは寝室と兼用のスペースです。

「コロナ禍になり、家で仕事をするようになってから、大きめのデスクや椅子、ホワイトボードを買って仕事環境を整えました。

特に気に入っているのは、広いデスクです。モニターを2台置いても書類を書く余裕があるんです。

コンセントタップ

コンセントも椅子も木目調を重視しました。椅子はゲーミングチェアほど本格的でなく、オフィスチェアっぽくなりすぎていないところが気に入っています」(竜治さん)

窓があるので風が抜けるそう。そして、目が疲れるので植物も置いて癒し要素もプラスしていらっしゃいました。

窓際の書斎

 
書斎

リモートワークがメインになった華子さんも、自身の書斎がお気に入りの場所。

キッチン脇のスペースにデスクや本棚などを置いて書斎にしていらっしゃいます。窓際から入る光と風がとても気持ちいい!

「仕事もネット検索もはかどります。リノベーションする前、ここは和室で、床の間っぽくなっていたところがちょっと凹んでいたんです。そこを書斎にしました。

部屋としての書斎はいらないけど、ダイニングテーブルじゃない場所で仕事ができたらいいなぁと思っていたのでぴったりでした。

本棚

書斎の中でのお気に入りは、引っ越しを機にIDEEで買った本棚。横から見た時に末広がりになっているシルエットが可愛いです。

「単行本、文庫、マガジンなど、本のサイズに合わせて棚の高さが変えられているので、無駄なく収納できて使いやすいです」(華子さん)

デスク

「テーブルは『Niko And』で買って、6年くらい使っています。

前の家では押し入れをアレンジして書斎っぽくしていたのですが、このテーブルだとモニターを置けないので、専用の台をコーナンで買いました。

椅子は仕事するときに脚にコロコロがついている方が便利かなと思ってネットで買いました」(華子さん)

ワークスペースの収納

デスクの後ろには、棚として使うのにちょうどいい隙間が。仕切り板を入れて、雑貨や文房具など雑多なものを入れていらっしゃいました。振り向いたらすぐに取り出せて便利そうですね!

ミニ菜園

ベランダ

ベランダにはブロッコリーやそら豆、いちご、レモンなどの植物がいっぱい並んでいました。

「最近はじめたばかりなんですけど、毎日大きくなってる感じがして収穫が楽しみです。食べれたらいいなって。

家庭菜園のいちご

すぐ横にホームセンターの『コーナン』があるので、そこで買っては台車で運んできて使ってます。ちゃんとお世話しないと」(華子さん)

お気に入りのアイテム

書斎のカーペット

ヴィンテージのカーペット

はなこさんのお気に入りアイテムは、書斎に敷いているカーペット。ここに入るときはスリッパを履き替えるというくらい大切にしていらっしゃいます。

「空間を分けたかったのと、足元が寒かったのでカーペットを探していて、出会ったのがこれです。アフガニスタンあたりで使われていたお祈り用のマットで、青山の『グランピエ』で買いました。60年ものだけど状態がいいんです。

最初は3万円くらいのマットを見ていたんですが、お店の方にこれを出されて、懇切丁寧に説明をされているうちにいつの間にか買ってしまって……」(華子さん)

カーペットを敷いたワークスペース

ちなみにおいくらなんですか?

「14万円でした。かなり奮発したので、この後ずっと納豆ごはんしか食べられないと思いました(笑)」(華子さん)

その思い切り、素敵です! このカーペットのあるなしでお部屋の雰囲気が変わりますし、そのお値段を出すくらいに惚れ込んだということが伝わってきます。

焙煎器

焙煎機

竜治さんは大のコーヒー好き。近々お仲間とコーヒーの販売を始められるそう。そんな竜治さんのお気に入りアイテムは、宇宙船のようなデザインの自動焙煎機です。

「もともと手で焙煎していたのですが、大変すぎて焙煎機を買いました。韓国製で、コーヒー豆の他にナッツも焙煎できるんです。

攪拌しながら均一に熱が回る仕組みで、焙煎度合いも調整できます。これもネットで購入しました」(竜治さん)

焙煎機

好きな豆は、エチオピアの豆と、香りのいいガテマラだそうで、生豆は「松屋珈琲」で買っているといいます。

「『松屋珈琲』さんは生豆の卸問屋さんですが、500グラムの小ロットから気軽に買えるのでおすすめです」(竜治さん)
 
ちなみに、焙煎する頻度は1週間に1回〜2週間に1回程度で、一度に1キロの生豆を焙煎するそう。それでも2人で飲むとあっという間になくなってしまうのだとか。

焙煎機を一度冷ます必要があるので、焙煎する日は午前中から夜までかかるそうです。もうプロの領域ですね!

おばあちゃんの油絵

油絵

華子さんの書斎の壁に掛けられていた1枚の絵。やわらかいタッチが印象的です。

「これは佐賀に住んでいたおばあちゃんの絵なんです。よく花の絵を描いていた人で、アトリエに行って1枚もらってきました。

子どもの頃は、『おばあちゃん、お花はこうじゃないよ』って指導してたのですが、大人になってこの絵のよさがわかるようになりました」(華子さん)

暮らしのアイデア

ホワイトボードでお互いの予定を情報共有する

ワークスペースのホワイトボード

竜治さんの書斎兼寝室のドアに掛けてある小さなホワイトボードには、おふたりの予定が書かれていました。

「2人ともzoom会議をするので、書斎に入っていいかどうかをこのホワイトボードで確認しています。

これをつける前は、扉に耳をつけて、『これはYouTubeを見てる?』、『会議してる音?』って聞き分けた後に寝室に入っていたんです。逆に、私の書斎で会議をしているときに彼がキッチンのほうに来ると気を遣ってしまうこともありました。

それを回避したくて、ホワイトボードにお互いの予定を書くようになったんです」(華子さん)

リモートワークが主流になった今ならではのアイデアですね。よ〜く見ると、しいたけさんの占い結果も書かれていて、なんだかかわいい。

これからの暮らし

「一通りのものは揃ったので、これからガラッと変えることはないと思います。両親は佐賀と北海道にいて、中長期的には別の場所に住むんだろうなと思っているので、そのときにこの家をどうするかですね」(竜治さん)

「菜園を拡大したいです。家の中で育てるための菜園棚も用意しているので、今後はキノコでも育てようかなと思っています。

植物はもっと増やしたいので、大きな植物がどかーんと1個欲しいんです。もともとミニマリストだった彼に、植物を増やしていいか、今、稟議申請中です」(華子さん)

ダイニングテーブルでくつろぐ様子

以前は超がつくほどのミニマリストだったという竜治さんと、物は多いほうだと話す華子さん。

それだけ聞くと「相容れないのでは?」と思ってしまいますが、おふたりのお部屋は驚くほど調和が取れていて、心地よい空気が流れていました。

この家に住み始めて間もないおふたり。家庭菜園や植物などお部屋のことから、ご両親のことまで、ライフステージの大小によって暮らし方が変わっていきそうですね。

Photographed by Kenya Chiba

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事故ゼロで会社は成り立つの? 保険会社が「事故のない世界」を目指すワケ

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事故のない世界を、本気で目指す損保会社って?

事故なくしては成り立たない保険業界で、事故のない社会づくりをコンセプトに持つまったく新しい共創型自動車保険「&e(アンディー)」をローンチしたのが「イーデザイン損害保険会社」(以下、イーデザイン損保)。

事故にあったときの“安心”という保険の機能はそのままに、自動車に貼った小さなIotセンサーがドライバーの運転を計測してスコア化したり、安全運転を意識するともらえるSNSの「いいね!」のような“ハート”をコーヒーやスイーツに交換できたりと、ドライバーの安全運転を促すアイデアがたくさん盛り込まれています

構想からローンチまでに3年半、ローンチしてから約半年。プロジェクトメンバーとして「&e」の誕生に関わったHR部マネージャーの中村千晶さんと、そのバトンを受け取り「&e」のミッション実現に奔走するCX推進部マネージャーの安藤愛美さんに、「&e」が生まれた経緯と、受け継ぎたいフィロソフィについて聞きました。

社内からふつふつと湧いた「このままではいけない」という声

&eの担当者

左/安藤愛美さん、右/中村千晶さん

──「事故のない世界」は理想ですが、それを損保会社が掲げるとは意外でした。「&e」のコンセプトが生まれた背景をうかがう前に、そのきっかけとなった「ありたい姿プロジェクト」について教えてください。

イーデザインは、2009年に設立した会社です。東京海上という大企業のグループではありますが、設立当初は人数も少なく、ワンフロアに社員全員のデスクが並べられる規模。

「あなたにぴったりの確かな安心・安全を、リーズナブルに。」をコアバリューに掲げ、「あなた=お客さま」を第一に考えるカルチャーを根付かせてきました。

しかし会社が成長するにつれて仕事が分業化され、お客さまの対応も縦割りになってきてしまった。

ワンフロアでやっていたころは、お客さまに今どんな対応をしているかが社員同士で自然と共有できていたのに、私たちが大切にしていたコアバリューの「あなたにぴったり」の部分が見えにくくなってしまっていたんですね。(中村さん)

──組織が大きくなると出てくる悩みのひとつですね。

お客さまのためにもっとやれることがあるはずというのは、あちこちからふつふつと湧き始めていて……。

そこで「今のままではいけない」と、全社で部署を横断し、お客さまを担当する部署から、人事まですべての部からメンバーが集まって、イーデザイン損保がありたい姿について熱く議論を交わしました。。それが「ありたい姿プロジェクト」です。(中村さん)

 
&eの担当者、中村千晶さん

──そのときにのちの「&e」となる、事故のない社会を実現したいというアイデアが生まれたのでしょうか。

いえ、そのときはまだぼんやりとしたものしか描けず、初期メンバーの数人と試行錯誤していました。

損保会社である私たちにとって最大のミッションはお客さまが事故にあわれたときにできるだけ早くもとの生活に戻して差し上げること。しかし、自動車保険に入っているからといって100%の安心を提供できるわけではありません。なぜなら、誰だって事故になんかあいたくないからです。

そして、たどりついたのが「究極のカスタマーサクセスとは、お客さまが事故にあわないことだ」という答えでした

カスタマーサクセスとは私たちの仕事で言えば、保険に加入いただくだけでなく、ご利用いただくなかで、いかにお客さまを成功(幸せ)へと導けるかという考え方です。(中村さん)

&eの担当者、中村千晶さん

お客さまが事故にあわない世界を目指す──10年前だったら「そんなの無理だよね」と笑って終わらせていたかもしれません。

でも自動運転が実際のものとなり、「事故ゼロ」を唱える自動車メーカーやタイヤメーカーもあります。SDGsにも「世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」とのターゲットが含まれています。

夢物語ではないかもしれない。そんな思いが希望となり、これまでの事故対応の経験を生かして私たちの目線で、できることを一途に考えてきました。(中村さん)

人と車、街、社会、企業が手を取りあって

&eの担当者、安藤愛美さん

──保険名に冠した「共創型自動車保険」の「共創」とはどんな意味を持つのでしょうか。

私たちイーデザインとお客さまが共に創っていく、という意味を込めています。ネーミングの「&e」の「&」はお客さまと、という意味で、「e」はイーデザインのこと。主役であるお客さまは大文字、私たちはお客さまに寄り添う脇役のイメージで「e」は小文字にしました。

しかし、事故のない社会はお客さまと私たちだけでは目指せません。車に関わる企業さんなどとも手を取りあっていかなければいけませんし、私たちのセンサーによるデータで「このカーブで危険挙動が多い」とわかっても、カーブミラーなどの問題は国や自治体と一緒に動かないと解決しません。

ですので、私たちが成し遂げたい世界をつくるために必要な人や団体は、すべて「共創」の仲間だと思っているんです。(中村さん)

 
&eの担当者、安藤愛美さん

大学教授などの専門家の方にもお声かけして監修に入っていただいています。話を持ちかけると、みなさんに好意的に受け取っていただけるので本当にありがたいです。

企業さんとの取り組みでいうと、ローンチした頃からAppleさんとも協業させていただいています。

Apple Watchの心拍数データと「&e」の運転データを掛け合わせて、どんな身体状態だと危険挙動が起きやすいのかを分析し、たとえば寝不足のときには「気をつけて運転してね」といったアラートを事前に送るといったことが将来的にできたらいいなと可能性を探っています。(安藤さん)

 

&eのTシャツ

イベントなどでスタッフの方々が着用するTシャツ

今後、ご利用くださるお客さまが増えたら、「このあたりで急ブレーキが多い、急加速が多い」といった地点データも集まってきます。それを自治体へフィードバックするなどして、事故防止へとつなげていく。そんなセンサーによる蓄積したデータもうまく活用していきたいです。

また、「&e」には「あなたの暮らしとイーデザイン」という意味が込められているので、今は車の分野だけですが、ゆくゆくは住まいなどの“暮らし”までサービスを広げて、お客さまに起こりうる事故を防いでいきたいと考えています。(安藤さん)

──ゴールド免許のようにランク付けされたり保険料が割引になったりするのではなく、SNSの「いいね!」のようなハートがもらえるのはおもしろいですね。

一般的な自動車保険は、事故にあわない限り、支払った保険料は掛け捨てになってしまう。むしろそれでいいというお守りのような存在だったと思います。

でも、事故のない社会に少しでも貢献してくださったお客さまにささやかだけど感謝とお返しをしたい。そんな気持ちで「ハート」を送り、貯めていただくと運転の息抜きになるようなコーヒーやスイーツに交換できるようにしています。(安藤さん)

 

&eのOCTOスマートタグ

チロルチョコほどの小さなIoTセンサー「OCTOスマートタグ」。自動車に貼り、スマホアプリと連携させるだけで、ドライバーの運転を計測してスコア化してくれます。

また、「&e」ローンチのためにヒヤリングを重ねるなかで実感したのが、ドライバーは自分だけの運転ではなく、パートナーやご家族、離れた親御さん、ご友人の運転まで気にかけているんですよね。

そこで付与したのが「フレンド機能」です。これは契約しているほかのユーザーと、&eアプリ内の「フレンド申請」という機能を使ってつながることができます。たとえば、離れて暮らす家族や友人と一緒に安全運転にチャレンジし、フレンド機能を使ってみんなで安全運転の輪を広げることもできるんです

お互いの安全を監視するのではなく、楽しみながらゲーム感覚で取り組んでいける「フレンド機能」は、これからも増やしていけたらと思います。(安藤さん)

保険はお客さまの「砦」。どんな世の中でも安心を守り続けたい

&e担当者の安藤愛美さん

──2022年11月のローンチからようやく半年ですが、お客さまの反応はどうですか?

積極的にアンケートを集め、いただいたお声にはすべて目を通して励みにしたり改善点を探ったりしています。大々的な周知活動をしていないなかでも、私たちの思いに共感くださるお客さまが少しずつ増えていると感じています。(安藤さん)

 
&eの担当者

通常、こういった新しいサービスをつくるときは、誰に向けるものなのか、性別、年齢層、家族構成、世帯年収、居住地など、利用されるターゲットの“ペルソナ”を想定します。しかし「&e」に関しては、あえてペルソナを設けませんでした。

強いて言うならば、「一緒に事故のない社会をつくりたい」という私たちの思いに共感する価値観を持っている方。ブランドではなく、ブランド誕生の背景にあるストーリーや本質を理解してくださる方、でしょうか。(中村さん)

 
&e担当者

──プロジェクトメンバーの中村さんは、現在は人事部から会社のカルチャーづくりを担っていくとのこと。代わりに「&e」で事故のない社会づくりを牽引する安藤さんに渡すバトンにはどんな思いを込めたいですか?

「保険」という言葉って、不思議だと思いませんか?

どうして「保つ、険しい」というイメージの異なる漢字を並べて書くのだろうと思って調べたら、どうやら中国の古典で「砦(とりで)」という意味を持つらしいんです。

いままでの自動車保険は、何かあったときのためにお金を払うことが精一杯の砦だったわけですが、私たちが目指す「事故のない世界」が実現したとしても、世の中から不安はなくなりません。お客さまの砦にならなくてはいけないシーンは絶対に出てきます。(中村)

 

&eのミッション

この「ミッション・ビジョン・アクション・バリュー」が、イーデザイン損保のフィロソフィとなっているそうです。

そのときに損保会社として何ができるか、どんな砦でありたいかを愚直に考えていく。そのときにフィロソフィさえしっかりしていれば、仲間は増えると思っているし、会社としてもありたい姿がブレることはない……。このことは、よく安藤とも話しています。(中村)

&eの担当者

「補償内容はこうで、金額はこう」と明確に提示できるこれまでの自動車保険と違い、「&e」は価値観に共感いただく必要があるため、今まさにアプローチの方法を模索しているところです。

ただ、間違いないのは「私たちが目指す世界は素敵な未来である」ということ。そんな未来をお客さまと共創するために、お客さまとのコミュニケーションの取り方をきちんと設計していきたいですね。(安藤さん)

Photographed by Kosumo Hashimoto
Text by Rie Omori

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ミュージシャン・弓木英梨乃さんは自宅でどんなアンプやスピーカーを使ってる? プレイリストも公開中!|音楽と部屋

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Photographed by Motoki Adachi
Hair&Makeup by Hiroko Takashiro
Styled by Maki Iwabuchi
Special thanks to STUDIO RAWR

幼少期からバイオリンを学び、中学1年生の冬にギターヒーローに憧れてギターをはじめた弓木さん。バイオリン演奏の経験から音感が身につき、同じ弦楽器であるギターにも挫折することなく移行できたといいます。

10代の頃からミュージシャンとして活躍し、数々のアーティストともステージを共にする中、昨年からはライブ活動を休止し単身マレーシアへ音楽留学。ライブでの生演奏こそ聞けなくなってしまったものの、近年ではYouTubeにアップしたギター動画が大きな話題を呼んでいます。

弓木英梨乃さん

華々しいキャリアを積み、一流ミュージシャンとして名を馳せる弓木さんですが、その超絶技巧ギタープレイからは想像もつかないほどに天衣無縫な佇まいも大きな魅力のひとつ。

そしてこの日、ギターのことや音楽のこと、マレーシアでの日々のことについて語ってくれた姿からも、彼女の芯の強さと飾り気のない人柄を感じることができました。

ミュージシャン 弓木英梨乃さん

弓木英梨乃さん
1990年生まれ。大阪府出身。ギタリスト、シンガーソングライター。中学生時代にビートルズの「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」に感銘を受けギターを始める。2009年メジャーデビュー。2013年、KIRINJIに加入。Base Ball Bear、秦 基博、柴咲コウらのツアーにも参加。2019年、ソロプロジェクト「弓木トイ」を始動。アルバム「みんなおもちゃになりたいのさ」をリリース。2021年、マレーシア・クアラルンプールの音楽大学へ留学。YouTubeのほか、オンラインでギター講座も展開中。
HP/Instagram/YouTube/Twitter

シャツ¥26,400、パンツ¥18,700 / ともにAVIE (アネンサール 03-6786-9267)
右イヤーカフ¥9,900、左イヤーカフ¥9,900 / RACKETS
スニーカー¥27,500 / O.T.A (Quorinest 03-6273-3536)

「お風呂上がりのリラックスタイム」プレイリスト

今回弓木さんには、普段もっとも音楽を聞くという「お風呂上がりから寝るまでの時間」に聞きたい楽曲をセレクトいただきました。

プレイリストには、最近特によく聞いているという東南アジアのインディーズ楽曲が多く並びます。

「マレーシアに行ってから、自分が住んでるところとか、周りの国の音楽ってどんな音楽なんだろうって興味を持って聞くようになりました。プレイリストには、インドネシア、マレーシア、シンガポールやタイの方の曲も入ってます」

弓木英梨乃さん

「今、Spotifyのプレイリストにめちゃくちゃ助けられてます!」と弓木さん

「昔も今も、感情を刺激してくれるような音楽が好きなんです。東南アジアの音楽ってのんびり平坦なものが多いんですけど、そういうものよりはサビでぐっとくる歌い方をするような、起伏がある曲に耳が止まります。それで自分が“日本懐かしいな”ってきゅんってなったり、ちょっと感情的になって涙が出そうになったり……。

どれもすごくメロディアスで歌心がある曲ばっかりで、お風呂上がりとか、寝る前に聞くとすごく落ち着くし、いい気持ちで1日を終えることができるんです。

ギターを弾くときも、メロディーを歌いながら考えることが多くて。グッとくるポイントだったり、感情的になるなってフレーズを選んでいると思います」

弓木英梨乃さん

日本に住んでいるとあまりなじみのないマレーシアの音楽。どのようなカルチャーが根付いているのでしょうか?

「欧米の音楽も人気だし、中国語を話す人も多いので中国語の歌もたくさんあるし、もちろんマレー語の曲や、インドの音楽を耳にすることも多いです。教育制度はイギリスの影響が大きいですが、実際の授業の内容はアメリカの大学のカリキュラムを基盤にしていたり。あとはインドネシアとかってハードロックも人気があるから、ギタリストの方でそういうプレイスタイルの方もすごく多い。

いろんな文化を持ってる人がいるので、いろんなものが混ざり合ってるなと思います。みんながみんな好きなものを聞いてるから、自分も好きなものを見つけられるのかな」

愛用しているギター、機材について

弓木英梨乃さん

日本の自宅にはライブで使う大きな機材等も保管しているものの、マレーシアへ行くにあたっては必要最低限のギターと機材を選りすぐり。

その中でも普段自宅でよく使っているという“とっておき”を教えてもらいました。

音楽制作にも欠かせないIK Multimediaのスピーカー

IK Multimedia「iLoud Micro Monitor」

マレーシアにはCDなどを持っていかず、今はスマホかパソコンで音楽を聞くことがほとんどだという弓木さん。そのためBluetoothが付いていることは、スピーカーを選ぶ上での必須条件。

使っているのは、IK Multimedia「iLoud Micro Monitor」です。

ワイヤレスで音楽を再生することも、有線でパソコンに繋ぎモニターとして使うこともできるため、音楽を聞くときや作曲をするときにも重宝しているそう。一般的なモニタースピーカーに比べると小ぶりなサイズではあるものの、家用のスピーカーとしてはちょうどよく、低音もしっかりでるバランスのよさが気に入っているといいます。

弓木英梨乃さん

「元々YAMAHAのスピーカーを使ってて、マレーシアにもそれを持って行ったんですけど、電圧が違うってことを忘れてて繋いだら一瞬で壊れちゃって(笑)。それで何か買わなきゃと思って調べて、マレーシアでも入手しやすく、値段も手頃なこれにしました」

100点満点のFenderストラトキャスター

2年半ほど前から使っているというFenderのストラトキャスターは、弓木さんのYouTube動画でもお馴染みの一台。キラッキラの笑顔で魅せる弓木さんのプレイスタイルに、ラメがかった爽やかなブルーが絶妙にマッチしているんですよね。

発売当初に一度弾いてみたところ、その弾き心地に一瞬で虜になってしまったそう。

「それまでもストラトキャスターって結構弾いてたんですけど、小さい手に合うネックだったり、音だったり、全部が自分の気に入るものに出会ったことがなかったんです。でもこれはネックもものすごく握りやすくて弾きやすくて、音もよくて

Fender 「AMERICAN ULTRA STRATOCASTER® HSS」

機能性としては、ピックアップがシングルコイル、シングルコイル、ハムバッキングってちょっと変わっていて、ライブでも実用的なんです。家にいるときはインターフェイスに直接繋いで録音したり弾いたりもするんですけど、ラインで繋いでもすごくいい音なんですよ。

何もかもがぴったり自分の好みにはまって、こんなストラト初めてだって感動したところから、ずーっと気に入って使ってます」

20本弱のギターを持っているという弓木さんですが、「何かの弾みで壊れてしまっても、もう1本同じものを買おうと思ってるくらい」お気に入りの一台なのだそう。

完全ワイヤレスで使えるYAMAHAのアンプ

YAMAHA 「THR 30Ⅱ Wireless」

初代から愛用しているというYAMAHA「THR」は、現在の「30Ⅱ Wireless」で2台目。最新モデルの「Ⅱ」から完全ワイヤレスで使えるようになり、多様なシーンで活躍しているそう。

Line 6のトランスミッターを使うとギターもワイヤレスで弾けるし、オーディオもワイヤレスで流せるし、アンプ自体を充電すれば丸ごとワイヤレスでどこにでも持っていける。

しかも『THR』のいいところは、一般的なギターアンプでオーディオを聞くとあんまりいい音じゃないんですけど、YAMAHAのオーディオ部門と共同開発しているので、すごくいい音で音楽が聞けるんですよ。ギターアンプとしても、ただのスピーカーとしてもすごく優秀。こんなすごいアンプあるんだってぐらい気に入ってます」

原点に立ち返ったマレーシアでの日々

弓木さんのギタープレイを見たことのある方ならお分かりいただけると思いますが、彼女のプレイスタイルの最大の魅力は、全身で音楽を楽しみ、それが音と一体になるグルーヴにこそあります。技術は超一流、だけど120%の笑顔で楽しそうに演奏する姿は、はじめてバンドの楽しさに触れた10代の頃のキラキラした気持ちを思い出させてくれるよう。

そしてこの日、好きな音楽について語る彼女の姿から感じたのも、やっぱりまっすぐな音楽への愛でした。彼女にとって音楽は仕事でもある以上、頭で考えることも多いはず。だけど心から楽しんで音楽に触れているように感じられるのはなぜ?

弓木英梨乃さん

「マレーシアへは勉強しに留学に行っているので、今お仕事ってほとんどしてなくて。日本にいて仕事だけしていたときはすごく意識的に音楽を聞くし、自分がもし音楽を作るとしたらこういうところを見習えるなとか、仕事の耳で聞くことが多かったんですけど、それを1回離れてマレーシアに来てから、フラットに音楽を聞くことができてるんです。

日本にいたときは、自分は何が好きなのかって、実はわからなかったりして。お仕事でもいろんなジャンルの曲を弾くし、どれも好きだから全部好きなのかな、と思ってたんですけど、マレーシアに行って普段の生活の中で音楽を聞く中で、自分はこういう音楽が好きなんだなとか、繰り返し聞いてるのってこういう曲ばっかりだなって気づくようになった」

弓木英梨乃さん

「ギタープレイも一緒で、仕事じゃなくて自分で何か弾いてみようって思ったときに、こういうフレーズが好きなんだなとか、こういう音が好きなんだなって気づけるようになりました。

それこそストラトも、日本にいたときはもっといろんなギターを使ってたんですけど、マレーシアに行っていつも手に取るギターがやっぱりこれで、このギターの音が好きなんだなとか、そういうことに気づけて。

ゆっくり音楽を聞くとか、何も考えずにギターを弾くことって、本当に大事な時間なんだなって感じてるんです」

マレーシア留学を決めた理由

弓木英梨乃さん

日本での仕事を手放して、単身見知らぬ土地へ旅立った弓木さん。でも、なぜこのタイミングで?

「30歳を迎えて、これからも音楽を仕事として続けていきたいと思ったし、いろんな人と一緒に演奏したいなって改めて思って。

そのときに自分が苦手なものとか、よくわかってない部分とか、そういう専門的なことを勉強しておきたいなと思ったんですね。そうしたら、きっともっと自信を持って演奏できるし、長く続けていけるんじゃないかなと思って。

ギターをはじめた中学生の頃から、将来はギタリストになって世界中の人と演奏したいという夢があったので、勉強する場所は外国がいいと思いました」

弓木英梨乃さん

「いろんな大学を調べたんですけど、世界音大ランキングみたいなものに、マレーシアの音楽大学が上位に入ってたんです。マレーシアで音楽を勉強するなんて考えたこともなかったけど、ここ何年かアジアの音楽にすごく興味があったし、アジアで留学して音楽を勉強するって全然想像できないからこそ、どうなるのかわからない面白さがあるなと思って、行くことにしました」

迷いはなかったですか?

「誰かに話すと止められたり、いろんな意見が入るかなと思って、ほとんど誰にも、親にも言わず。勉強しないとダメだなってすごく思ったんですよ。10代の頃から仕事として音楽をやってきて、なんとなく乗り切ってきた部分ももちろんたくさんあって、そういう自分がすごく嫌で。自分が納得した上で演奏したり音楽を作ったりしたいって気持ちがありました」

弓木英梨乃さん

「いろいろ考えるときにいつも思うのは、これをやらなかったら何年後かに後悔するかなってこと。ここで行かなかったらきっと、例えば10年後、40歳ぐらいになったときに、“あのとき数年行っとけばよかったな”って絶対思うと思ったので。後悔することが1番、自分は辛いなと思ったんです。

今やりたいことを常にやれてることが1番、私は生きてて幸せなので、そう生きられるように頑張ろうと思います」

Information
7月28日『読んでわかる、見て弾ける! アコースティックギタースタートブック』(弓木 英梨乃著、KADOKAWA)出版

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